一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

69.奈良田温泉 「白根館」

2005-08-30 00:17:26 | 山梨
R52波高島あたりから南アルプス街道に入り、早川の渓谷沿いを延々と遡った最奥に奈良田の里がある。東に櫛形山、西に白根南陵など険しい山々がそびえ立つが、これらは南アルプスの前山にすぎず、このあたりの山ぶかさを実感する。

奈良田は奈良期の女帝、孝謙天皇(奈良法皇)が神託により8年間ほど御遷居された地と云われ、孝謙女帝にちなむ”七不思議”が伝わっている。また、独特の習俗も数多く残っているとされ、”秘境”の名を欲しいままにしている。
奈良田には、日帰り施設の「奈良田の里」(女帝の湯)と旅館「白根館」があって、それぞれ源泉が異なる。ちなみに「奈良田の里」(女帝の湯)のお湯も佳品だが、時季・時間によっては登山客で混みあうのが難だ。

「白根館」は鄙にはめずらしい小綺麗な宿で、2本の源泉をもっている。”銀河の湯”と”七不思議の湯”がそれで、内湯と露天で使い分けている。
訪れた日は、内湯に”七不思議の湯”、露天に”銀河の湯”がつかわれていた。”七不思議の湯”もヌルすべのあるやわらかないいお湯だが、今回100湯として挙げたのは”銀河の湯”である。

”銀河の湯”は、新たに掘削された成分総計=4430mg/kgの食塩泉、うす湯の多い山梨のなかでは比較的成分の濃いお湯だ。
淡黄色で薄く灰色ににごったお湯には銀色の針状の浮遊物がただよい、たまご味、塩味、苦味に加えて総硫黄1.4mg/kg程度とはとても思えない明瞭な硫化水素臭が香り立つ。肌にまとわりつくようなヌルすべ感と、食塩泉系の攻めてくるような重厚な浴感のバランスが絶品。これだけキャラの際だったお湯もめずらしく、個人的にはもっとも好きなタイプのお湯だ。

このすばらしいお湯をこころ行くまで堪能しようとしたところ、突如、大雷雨が襲来、落雷の至近弾を何発も喰らって泣く泣く撤収。”銀河の湯”の印象は忘れがたく、何度も再訪を考えるが、秘境、奈良田はあまりに遠い。
なお、手前の西山(「蓬莱館」は100湯入り)も名湯なので、併せてまわられることをおすすめする。

「白根館」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)


銀河の湯:Na-塩化物泉 51.6℃、pH=8.1、69.1L/min動力揚湯、成分総計=4430mg/kg、Na^+=1579mg/kg (95.97mval%)、Li^+=8.4、Fe^2+=0.2、F^-=11.6、Cl^-=2366 (92.45)、HS^-=0.7、チオ硫酸イオン=0.7、HCO_3^-=285.3 (6.48)、CO_3^2-=4.2、陽イオン計=1634 (71.56mval)、陰イオン計=2669 (72.20mval)、メタほう酸=92.3、遊離炭酸=3.9、硫化水素=---- <H9.10.13分析>

七不思議の湯:Na-塩化物・炭酸水素塩泉 41.1℃、pH=8.55、46.2L/min動力、成分総計=1977mg/kg、Na^+=611.0mg/kg (96.65mval%)、Fe^2+=0.2、F^-=8.0、Cl^-=684.3 (67.65)、HCO_3^-=476.6 (27.38)、CO_3^2-=24.0、陽イオン計=939.4 (27.50mval)、陰イオン計=1202 (28.53mval)、遊離炭酸=96.7 <S60.9.19分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

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