11月17日木曜日~20日日曜日
バイオダイナミック農業トレーニングセミナー
"タネの栽培と植物の繁殖" @ この村のシードワークショップ。
本来、これはトレーニング2年生用のセミナーなのですが、
シードワークショップで働くサラ(1年生)といとえに、ボスから「出なさい」との指令。
確かに。
講師もシードワークショップのボスだし、私たちはここで働いているのだから、ここの事に対する理解を深めるのは必要なことですもんね。
この4日間で、タネの栽培方法、遺伝子組み換え、F1品種、交配、樹木の実生栽培、世界の主な種苗会社のうごきなどを学んでいきます。
17日木曜日。
みんなの集合時間は夜、夕食どき。
そこで、日中は彼らの3泊4日に必要な食料の買い出し、ベッドメイキングなどセミナー準備をしました。
そして、夜。セミナーの開始。
イントロダクションを聞き、発芽率テストのセッティング。
トレーニングプログラムの中で「発芽率テストの実践」が単位に含まれているので、これ必須。
道具が1セット足りず、「わたしはいいや」と遠慮してみる。
ボスも「たしかに。いとえはもう100s 100sやってるからいいね」と、笑って承諾。
そして、セッティングが終わった人から、タネあてクイズ。
約40種類用意されたタネを見てなんのタネかあてるもの。
ちょっと、いとえ、9割わかる!!
トレーニング2年目の人たちより俄然強い!!やっぱり、毎日タネを見ていると違うのね。
リーキ(長ネギみたいの)とタマネギのタネの違いとかだって、慣れるとわかるものなのですね。
「いとえ~。これはなに~??」って、聞かれちゃったりして♪♪
ん??? そうそう。
ただの"自慢"です♪ (*^o^)v-☆
なんだか、ちょっとタネマスターになった気分でルンルンしてしまいました♪♪
初日の夜はその程度で簡単に終わり、2日目からが本格セミナー。
セミナーの中心だったのが、品種ごとの良い株の選別方法。
まずはキャベツ。
頭の形の良いもの、葉の色の良いものを選び、根ごと掘り上げます。
そして、球を切り落とします。
キャベツの球を中心から2つ縦切りにし、中をチェックします。
生長点が球の真ん中以上に上がってきていないこと。
品種の特徴にあった葉の厚さ、球の形をしていることなどをチェックしていくのです。
良い球のついていた株を移植し、タネを育てていきます。
「そんな!!球切り落としちゃって、花咲くの?タネ収穫できるの??」そんな疑問がうかんできますよね。
大丈夫なんです。
球を切り落として残った株。
そこには下葉がのこっています(あとで切りとります)。
その残った下葉の葉柄と茎の付け根の部分から脇芽が出てきて生長してくれるのです。
もちろん、球を残した状態で主枝を生長させた方がタネの収量は多いです。
この作業は、毎年行っているものではなく、ここのボスは5年に1度くらい行うそうです。
他の年は、ただ外観を見て株を選び、球もそのまま残してタネの収穫にもっていきます。
そして、たまには中まで厳しくチェックして良い血を残していく。そんな感じです。
では、球を残してタネの収穫までもっていくときの方法。
これはムラサキキャベツで学びます。
この場合も、品種の特徴にあった形をしているかを外観で厳しくチェックし、良い子を選びます。
そして、下葉をもぎ取り、球だけにします。
しっかり固く結球している子は、なかなか自分の葉をつきやぶり花を咲かせるのに苦労することがあります。
なので、結球した葉がくずれやすいように手助けをします。
球の上に浅く十字に切り込みを入れる。
または、
球の四方を薄く削ぎ取る。
こうすることによって、主枝の生長にともない葉が開きやすく、花を咲かせやすくなるのです。
ついでにとなりに植わっていた芽キャベツの良い子の選び方。
これは品種によった基準値の外観の子を選ぶだけ。
あ~!!!!!
そのまえに!!!
きっと、植物に普段あまり接していない人って、芽キャベツがどんなふうになってるか、
知らない人多いんですよね!!きっと!!
どうなってると思いますか?
考えたことすらない人も多い???
ちっこいちっこい、ミニチュアキャベツみたいのがいっぱい畑に植わってる??
芽キャベツってなんだ?あれはツボミか??
ブロッコリーのでっかいのみたいのがなってて、それのさきっちょが芽キャベツ??
芽キャベツっていうくらいだから、普通のキャベツの芽が出た直後とかなんじゃないの??
etc....etc....
なんだか、楽しくなってきたので、正解写真は日記の最後までじらすことにします(笑)
良い子を選ぶ目を養うために「良いと思うものの横に棒を立てていってみて」とのこと。
芽キャベツ、冬キャベツ、ムラサキキャベツ。
それぞれの野菜に1人約10本の棒が配られ、計30本。
(↑これ、芽キャベツフィールドです☆クローズアップはまた後ほど。)
みんな我先にとフィールドに散り、ボスに「これはちょっとな~ぁ」とたまにダメ出しされながらべっぴん選抜をしました。
ほかにも、パースニップ、ニンジン、テーブルビートなどの根菜の選抜。
色。長さ。形。
外観だけで選ぶのも良いけど、数年に一度は中もチェック。
ニンジンやパースニップは根の下部を切り取り。
品種の特徴にあった色をしていることを確認します。
丸い形のテーブルビートは下部を切り取るわけにはいかないので、一部を薄い弧で切り取りチェックします。
こういった数年に一度の厳しいチェックが良いタネ残しの秘訣なのです。
今回は、セミナーに出席にするにあたっての宿題は好きな野菜(品種)を一つ定め、
そのの品種の特徴&タネの収穫までの栽培方法を下調べしてくること。
その宿題発表のなかで、何人かは食べ比べを持ってきてくれました。
リーキ。
ニンジン。
自分のフィールドで育てたものと、違う畑の違う品種。
また、品種の特徴にあった形をしているものと、大きくなりすぎでいるものなど。
そしてお店で買った品種不明のもの。
それぞれ味、違うんです。
ニンジンなんて本当に顕著で、お店で買ったものって味うっっすいんですね。
リーキも、なんだか見た目はおいしそうでも、筋っぽくて甘みが少なかったり。。。
普段、この村で生活していると、一般社会の野菜を食べる事がないのでビッックリしてしまいました。
贅沢な食生活しているんだなぁ~と、この村の生活に感謝感謝の食べ比べでした。
遺伝(染色体がどうとか、陰性がこうとか、そういう話)や、品種改良の話をオーガニック目線で学んでいくと、大きな種苗会社と大きな農薬会社(特にアメリア)のつながりとかに着目することになって、「アンチ遺伝子組み換え・アンチF1品種」の考えが大きくなっていきます。
世界での売り上げTOP5の種苗会社、そのうち2社は世界での売り上げTOP5に入る農薬会社でもある。
この数字や、各会社の関係図を見ると世の中お金周りが良いようにうまいことなってるんだなぁと感心してしまうのです。
いとえが後日発見した各会社の関係図。
1996年~2008年についてをミシガン大学が一覧にしたものです。
ギョギョギョ~。
大きな種苗会社が品種改良したもの。
・形がそろい、発色がよい(お店で販売しやすい)。
・熟す時期がそろう(収穫しやすい)。
・傷がつきにくい(出荷しやすい)。
・背丈が低く、そろう(栽培管理、収穫しやすい)。
利点たくさん♪
しかし、化学肥料や農薬の手助けが必要な性質のあるものが多いのです。
経済ってこうやってまわっていくのね☆☆☆ って。
いとえとしては、
「なんとなく、中間点和解点を。できるだけ全面否定はなるべくしたくない」人なので、なんとも複雑な感覚です。
今年の2年生は1年生と比べると少人数。
落ち着いた雰囲気の中でのセミナーでした。
だけど、夜は、、、
オリジナルルールで卓球を楽しんだり、
ビールを飲みながらゲームをしたりと、楽しみました♪♪
彼らの同期生で、妊娠のため途中で抜けた仲間への寄せ書きプレゼント。
みんなの手形をかき、それぞれに手を加えてアートに仕上げたのです。
みんな個性的ですてき♡
最後に初日にセットした発芽率テストのカウンティングをし、振り返りをして終了。
3泊4日のプログラムを終え、それぞれ帰路につきます。
長い人は7時間の運転(>_<)
それぞれのファームに戻り、学びを深めます。
また1月のセミナーで!!
みんなにバイバイをしたあとの谷。
なんだか、清々しいセミナー最終日でした。
さて、芽キャベツ!!
お待たせしました♪
どど~~ん!!!
てっぺんに、なりそこないの小さなソフトボール大のキャベツみたいのができていて、
その下にニョキニョキ伸びた茎に"神楽鈴"のようにくっついて芽キャベツはできるのです。
妙チクリンな野菜よね。ほんと。
なんか、宇宙からやってきたみたいな形してる、、、。
収穫したてはみずみずしくて、甘くて、最高においしい♪♪♪
つまぐいはやめられません♪♪
食べ比べって、味や食感の違いがダイレクトに伝わるから有効な手段ですよね。
穫れたての作物が食べられるなんて、ほんとに贅沢なことだよね。ニンジン美味そうだよなあ。いとえさんのフィールドでつくっているニンジンが一番美味しかった?(当然だよね!)
それにしても、スーパーで売っている野菜は、なんでこんなに味気ないのかな。
色や形などの維持を優先させることで、何かが、マイナスになるんだろうか。
その辺りの事情がまったくわからないので、何も家なんだけど、いつもそんなことを思ってしまう。
ところで、芽キャベツすげえ。かっこいいね。
アダンとかの裸子植物みたい。
芽キャベツが鈴なりになってるところ、初めて見ました。
芽キャベツは穫れたては、甘みがあるって聞いたことがあるけど、ホントおいしそう。
ん~~~。。。。っと。
NHK出版の「趣味の園芸 やさいの時間」の7月号の表紙が芽キャベツです☆
ご興味ございましたら、是非プロのカメラマンによる
「どど~~ン」とした写真をごらんくださいませ♪♪(笑)
ニンジン嫌いな近頃の子供たちには薄味のスーパーのニンジンの方が良いのかもしれませんけどねf(^_^;)
わたしはやっぱり、それらしいあじ&うまみ&あまみのある、「だってわたしニンジンだもん!!」って自己主張の激しい子たちの味が好きです☆
他の農場でトレーニングをしている子がそこのニンジンを持ってきていて、みんな親ばかね(笑)
「こっちがおいしい!」「いや、おれはこっちが好きだ!」って。
育てる人はやっぱり自分のところの野菜に愛情たっぷり!
私も、この村のニンジンの方が好きだったなぁ、、、(笑)