菅首相の伸子夫人が夫に与えた「潔く討ち死にしなさい」の叱咤から、小沢一郎前幹事長との一騎打ちに突入へ

2010年08月31日 20時47分00秒 | 政治
◆小沢一郎前幹事長が8月31日午後5時45分、民主党本部で記者会見で、代表選出馬を正式表明し、続いて菅直人首相も改めて出馬表明した。これで、民主党代表選は9月1日告示を前に事実上、火ぶたが切られた。菅直人、鳩山由紀夫、小沢一郎、輿石東の「トロイカ+1」構想は、脆くも崩壊した。
◆菅首相は30日、鳩山前首相との会談で「トロイカ+1」構想に賛同した。そもそも自分から「トロイカ体制に戻りたい」と泣きついたのが始まりだった。
 だが、小沢前幹事長側から提案された「幹事長ポストを小沢前幹事長に渡せ」に加え、さらに「法務大臣も小沢陣営に」(小沢前幹事長が東京地検特捜部と東京検察審査会の動きをいかに気にしてるかの表れ)という要求に対して、菅首相は、「嫌だ。幹事長は渡さない」と明確に突っぱねたという。
 一夜明けて、31日午後、鳩山前首相は、小沢前幹事長、輿石参院議員会長と会談して、菅首相の意向を伝えた。この結果、小沢前幹事長は、要求は拒否されたと受け止めて、「話し合いにならん」と折衝決裂を自覚したようである。「後は君に任せる」と鳩山前首相にいい残して会談の場を去った。その際、記者団から「菅さんとの会談はあるのか」との質問に、「ありません」と答えている。
◆舞台裏では、菅首相の伸子夫人が、政局に大きな影響を与えたようである。伝えられる情報によると、伸子夫人は「これまで支持してくれた仙谷さんや前原さん、枝野さんたち仲間を裏切って、小沢さんに付いてはいけない。妥協してよいことはない。ここは格好よく討ち死にしなさい。これは、代表選なんですよ。負けて意地を通しなさい」とアドバイスやら、ハッパやらをかけられたという。政治家にとって「筋」を通すということが命題であり、これまで「反小沢」でここまできたのなら、たとえ負けても最後まで「筋」を通すことが大事であり、ここは腹を括れということをキッパリ説いたようである。市民運動はいつも、敗北の連続であり、負けるのは屁でもない。負けることより、支援者を裏切ることのほうが命取りだということを、肝に銘じよと説いた伸子さんの力強さがにじみ出ている。まさに夫唱婦随の名言と言えよう。
 夫人の言葉に目が覚めた菅首相は、31日午前、周辺に「討ち死に覚悟で代表選を戦う。勝敗は時の運だ」と決意を披瀝した。この言葉がさらに菅首相支持の国会議員に伝わり、「菅さんはサムライだ」と感心する声がしきりに聞かれたという。
◆ところで余談ながら、菅首相は最近、アメリカ政府からいろいろ圧力をかけられて、既に総理の職が嫌になってきていたという。日本銀行が30日の臨時の金融政策決定会合で、追加緩和策の一つとして市場に超低金利で資金供給を行う新型オペ(公開市場操作)を、現在の20兆円から30兆円に増やす決定をすると、すぐにアメリカ政府(駐日米大使館ルース大使か?)からクレームがついたらしい。日銀の白川方明総裁が記者会見で、この追加緩和策に踏み切ったことについて「米経済の先行きと日本経済へ悪影響を熟慮したうえでの日本銀行独自の決断だった」と強調したからである。、菅首相が27日、視察先の東京都大田区の工場で行った談話がキッカケになり、日銀の決定を招いたと受け止めて、アメリカ政府が「アメリカ経済が2011年2月(新100ドル札発行)までは厳しいことは、知っているはずだろう。まったく余計なことを言ってくれたものだ」と不快感を露にしたようである。アメリカ政府は、1ドル=80円以上の「円高ドル安」に向けて誘導している最中で、菅首相に邪魔されたと感じたようである。
 ことほど左様に、アメリカ政府からことあるごとに圧力をかけられ、菅首相が辟易し、神経をすり減らしている様子が窺える。イラ菅は、そんな息苦しく、重苦しい総理大臣の重職にしがみつくよりは、ここは潔く討ち死にしようと覚悟を決めたようである。
 もうひとつ加えるなら、菅派の中にも「そろそろ菅を下ろすべき」という声も出始めていた。下ろすためには代表選に持ち込むのが一番の近道と、手打ちに持ち込もうとした「トロイカ+1」体制に異論を唱える者もいたという。
 しかし、菅首相サイドは、小沢前首相に関するスキャンダルの掘り起こしと、反撃キャンペーンの手を強めていくという。一方、これまで小沢前首相を追い詰め、政治生命を脅かす秘密工作・謀略作戦を行ってきた米国対日工作担当のマイケル・ジョナサン・グリーンは、読売新聞29日付け朝刊7面(国際面)に掲載された「ワールドビュー」の「『アジア重視』の迷走」(ワシントン支局・小川聡特派員)で述べた日本の外交姿勢についての談話が掲載された以外、このところ表立った動きを見せていないし、小沢叩きの指令ももちろん聞かれない。
 
*マイケル・グリーンに関する記事掲載部分「マイケル・グリーン元米国国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は、「鳩山外交は対米依存を減らしてアジアとより緊密になると言いながら、現実には、ほとんどの周辺国にとっての日本の価値を引き下げてしまった」と手厳しく総括する。そのうえで、「菅首相はより現実的だ。しかし、日本は米国やASEAN諸国との間で、中国とのバランスをどのように保っていくかという外交戦略の擦りあわせができなくなったままだ」と指摘する。


板垣英憲マスコミ事務所

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4 コメント

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右往左往した団塊の世代の情けなさ (毎日のちょびひげコンビ)
2010-08-31 21:43:03
一連の動きの中、小沢氏の一貫してぶれない態度は、やはり大人の態度だろう。菅の支離滅裂なへっぴり腰ダンスはいったい何なんだ?

マスコミは菅と一緒にダンスを踊っているので、その目には小沢がぶれているようにみえるのだろう。今日の決戦表明を聞いて、マスコミの質問の劣悪さ加減に腹がたった。

結局、「トロイカ+1」というのは、菅が負けても出て行けなんていわないでね・・・という保身だったのだ。け、やっぱり保身第一の団塊だね。
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思い通りの組閣 (ロス&ロック嫌い)
2010-08-31 21:59:54
よかったですね。これで小沢一郎は、自分の思い通りの組閣ができます。民主党内の反小沢議員を義理で飼う必要がなくなりました。小沢総理はわき見をせずにディビッド・ロックフェラーと渡り合い、国益を守り推進していくことが出来ますね。
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Unknown (やまさん)
2010-09-01 06:39:50
まあストーリーとしては面白いけど、

>市民運動はいつも、敗北の連続であり、負けるのは屁でもない。負けることより、
>支援者を裏切ることのほうが命取りだということを、肝に銘じよと説いた伸子さんの力強さがにじみ出ている

これは疑問。

菅直人ほど市民運動の人たちから評判悪い人はいない、自分のために仲間を裏切ることを何度もやってきた、なんて言われるくらいですから。

まあそこが菅の強さでもありますけれど。
今回もただでは負けないでしょうね。
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小沢さん貫録勝ち (くま)
2010-09-01 17:30:19
たった今、民主党代表選 共同記者会見を見終わりました。

小沢さんの堂々と述べる正論、そして国有資産の600兆円の三分の一、200兆円の証券化策(中国に買い占めらないか?ちと不安ですが…)など、圧倒的に勝利でした。

対する管総理は低レベルの個人攻撃。

普天間問題を本人の副総理立場での責任を、幹事長責任にすり替えて攻撃、すぐさま小沢さんは「幹事長時代は政府には一切の口を出さず」の事実を表明。

陸山会の政治資金問題では、強制捜査を現実的に適用された政治家が自分のみである事、政治資金のオープン化は過去から、他の政治家に先駆けて実践している事。これを明らかにしました。

※ 賤獄よ、西新橋の息子の事務所費問題を明らかにせよ!!!(腹が立つ!)

質疑応答では

管:落ち着きの無い(自信の無い)泳ぐ目線

小沢:泰然自若、風に吹かれて瞑想するの風

実に、器の違いを感じさせる記者会見でした。

トンチン管総理は、もう小沢さんと同席した公の場には出ないほうが良いのでは?と忠告申し上げたい。

小沢さんが昨日、「思い切った施策を打ち出す」と私的な場で発言したそうですが、確かに経済も判っているのだと、感心しました。

私は民主党サポーターとして”小沢さんに” 1票を投じます。
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