小沢一郎前幹事長が代表選出馬、離党し自民党と合流のどちらを選ぶかは、行動を共にする人数次第で決まる

2010年08月07日 18時49分41秒 | 政治
◆小沢一郎前幹事長はいま、民主党代表選に立候補するか、離党して自民党と合流するかの二つのカードを持っており、どちらでも選択できる立場にいる。
 代表選に立候補して当選する道に向けては、立候補者の乱立が最も望ましい。それは、菅直人首相陣営とそれを支持してきた派閥・グループを切り崩し、バラバラにできるからである。そこに小沢前幹事長が立候補すれば、相対的多数により当選可能となる。小沢陣営は、鉄の団結を誇る親衛隊「一新会」を中心に、新人議員の大多数を糾合し、民主党国会議員の最低でも三分の一を確保できるので、これまでにてこ入れしてきた地方議員や党員・サポーター当選は確実の情勢である。民主党の小沢一郎政権の誕生となる。次いで、自民党の一部・みんなの党・公明党・国民新党・新党大地・たちあがれ日本・新党改革との大連立へと向かうことになるかも知れない。
 この流れは、鳩山派の海江田万里衆院議員が8月4日代表選挙に立候補する意向を鳩山前首相と小沢前幹事長に近い議員に伝えていたと7日報じられており、早くも「菅首相支持グループ」の一角が崩れ始めていることが明らかになった。鳩山由紀夫前首相が「菅首相支持」を表明しているのに反しての行動である。
また、目下最も注目されているのが、前原誠司国土交通相の動向である。前原国交相自身も代表選に立候補するのではないかと見られている。実現すれば、小沢前幹事長を援護射撃する効果が発揮される。菅首相にとっては、大打撃となる。さらに川端派やリベラルの会なども独自候補者擁立の動きを示しており、乱立模様が濃厚になりつつある。
 もう一枚のカードは、一統を引き連れて離党し、自民党に復党し、まず自民・公明連立政権を復活する道である。みんなの党・国民新党・新党大地・たちあがれ日本・新党改革との大連立へと進める。このために、国民新党の亀井静香代表と新党大地の鈴木宗男代表が、水面下で自民党工作を続けている。とくに鈴木代表は、自民党に対する根回しを張り切って行っている。自民党時代にODA予算に食い込んでいたので、相当の政治資金を確保しており、70人~80人くらいの政治家の面倒を見ていた。その恩義に報いようとする者が自民党内に多数いる。また、鈴木代表は、小沢前幹事長に何かがあったときには、100億円くらいは提供するつもりでいる。
◆2つのカードのうち、マイケル・グリーンは、小沢前家事長が2枚目にカードを切ることをに期待している。自民党を復活させて欲しいと考えているからである。鳩山由紀夫政権が社会民主党の福島瑞穂代表に振り回されたことや、新左翼過激派の一派である「革マル」に密接な関係にあると見られている枝野幸男行政刷新担当相がおり、いまの菅直人政権下では幹事長の要職にあることを憂慮している。
 なお、枝野幹事長と「革マル」に密接な関係にあることについては、平沢勝栄衆院議員が8月3日の衆院予算委員会で取り上げて、菅首相らを追及した。さらに平沢衆院議員は、菅首相が、「君が代斉唱」を拒否したことがあると厳しく質した。
 こうした菅政権が「左翼政権色」が強いことについて、小沢前幹事長の息のかかった新聞記者たちが枝野幹事長に取材し、国会周辺のブラックジャーナリズムを誇る政界新聞に記事を寄稿、掲載紙は、衆参の議員会館などに配布されているという。小沢前幹事長が、左翼のなでも「新左翼」を嫌っていることを察してのことである。
 要するに、小沢前幹事長は、本音では「自民党に復党したい」と考えていることがよく窺える。それは、小沢前幹事長の周辺から漏れた「平成5年6月23日の自民党離党が、真剣に考えた末の行動ではなく『弾み』によって離党した」という後悔染みた言葉が暗示している。自民党の旧竹下派を引き継ぐ「額賀派」内には、かつての宿敵は、一人もいない。小沢前幹事長が、日増しに里心を募らせているのが感じられる。
 しかし、民主党を離党して、16年間の時間を巻き戻して自民党に復党しようとする場合、何人ついてくるかをはっきりさせなくてはならない。しかも、小沢前幹事長を迎え入れる自民党が、果たして小沢前幹事長を「総裁・総理」に選んでくれるかどうかは、不確定である。そうなると、小沢前幹事長は、離党した後、一旦新党を設立して、自民党・みんなの党・公明党・国民新党・新党大地・たちあがれ日本・新党改革の八党派(細川護熙連立政権と同じ数)により、国会での首班指名を受けて、連立政権を樹立することも念頭におかなくてはならない。
 小沢前幹事長が、2つのカードのち、どちらを切るのかは、鳩山前首相が19日、長野県 
軽井沢の別荘で開く研修会に出席したとき、はっきりしてくる。(ただし、代表選告示の9月1日のギリギリまで延ばす可能性もある)
◆ところで、前原誠司国土交通相、仙谷官房長官、枝野幹事長の3人は、「前原・枝野派」の同志として活動してきた。だが、前原国交相は、枝野幹事長と同様、自分が「左翼」と同類に見られることを嫌い枝野幹事長との距離をつくろうとしている。防衛政策では、自民党よりも右よりの立場を取ってきただけに迷惑がっているらしい。 また、前原国交相と仙谷官房長官との間でも、秋風が吹き始めている。

板垣英憲マスコミ事務所

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