民主党候補者や現職国会議員は、消費税アップをどう説明するのか、有権者には真贋を見分けるチャンス

2010年06月20日 00時51分49秒 | 政治
◆菅直人政権が、「消費税アップ」の姿勢を打ち出したのに対して、みんなの党、国民新党、社民党、共産党などが一斉に反対の狼煙を上げ、参院選最大の争点になってきた。民主党サイドでも選挙区に帰って演説している一年生議員らが、有権者から「消費税アップ」について聞かれて、「反対します」と菅首相が発表したマニフェストとは食い違う答えをしており、党内世論がねじれ現象を表している。おまけに菅首相がぶち上げた「成長戦略」について聞かれても、シドロモドロの有様である。それは、菅首相が、投資を成長につなげるメカニズムを明示しておらず、「強い経済」から「財政再建」への道筋を提示していないのであるから、現場の国会議員が迷うのは当たり前である。
◆仙谷由人官房長官は、「消費税アップ」が参院選の争点になってきたことを喜ぶ発言をしているけれど、どうも権力の座に就いてから、庶民感覚が鈍ってきているらしい。消費税アップを求めて強い圧力を加えてきているのは、主にアメリカ・オバマ政権であり、この背後にいて、リーマンショックで受けた打撃から回復できず、いまや経営難に陥ったままのディビッド・ロックフェラー率いるシティグループなどの企業群であるだけに、日本が消費税アップを実現すれば、直ぐにでも米国債を買わせて、これを公的資金としてシティグループなどの救済に使いたい。EUも国家破産したギリシャなどの救済に日本の支援が欲しく、それ故に日本には一刻も早く財政再建を実現して欲しいと懇願している。世界の各国が日本の財力をアテにしている状況なので、25日からカナダで始まるG8で、菅首相は、これらに応えて高い評価を得るべく、美味しい話を持って行きたいところであろう。
学芸会に出演する前の子どもの気分なのかも知れない。うまく演技しようと思って、「消費税アップするふり」をしているのかようである。だが、景気回復が本格的な上昇軌道にも乗っておらず、雇用情勢も依然として不安定なままであるなかで、国民の多くが、そうやすやすと消費税アップに理解を示すはずはない。その意味で菅首相は、国民生活軽視の極めて危険な道を歩んでいる。菅首相の口癖を借用するなら、「ある意味で国民を裏切る蛮行」とでも言えよう。
◆消費税アップが参院選の争点になり、与野党対立軸がはっきりしてきたのは、よいとしても、同時に、これが民主党内の主流VS非主流の対立軸になってきたのは、深刻である。しかも、消費税アップについて国民の信を問うために衆院解散・総選挙を菅首相が想定しているとなると、支持基盤が脆弱な民主党の若手、とくに当選一回組143人には、ただごとではない。小泉チルドレンのほとんどが、中央政界から姿を消してしまったように、次期総選挙で何人が再選を果たせるかはわからない。こうなると、党本部政策調査会の各部会に属してのんびりと議論回り、小沢一郎前幹事長直伝の「ドブ板選挙」に全力を上げなくてはならない。しかし、初出馬のときと違い、次は小沢前幹事長の「秘書軍団」の力を皆がみな、頼ることはできない。おそらくは、小沢前幹事長敵味方に仕分けされているだろうから、「秘書軍団」は、小沢前幹事長に忠誠を誓う者にしか、物心ともに支援の手は差し伸べず、最悪の場合は、刺客をぶつけられかねない。それん選挙のプロ中のプロと言われる所以というものである。
◆それだけに、衆議院議員にとって、参院選挙は、自らの支持基盤を強化する絶好のチャンスとなる。早い話が、候補者応援のついでに自分の名前も売るのである。その際、有権者から消費税アップについてどう答えるか、成長戦略について、何と説明するかが問われて、まさか心にもないウソをつくわけにもいかないだろう。有権者サイドからは、真贋を見分けるこれもまた絶好のチャンスとなる。

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