参院選挙は民主党「最小不幸社会」派VS自民党「最大幸福社会」派が激突

2010年06月10日 21時33分39秒 | 政治
◆政治家にも、犬派と猫派がいる。鳩山由紀夫前首相や小沢一郎前幹事長らは犬派の代表者であり、皇居で猫が可愛がられているという話を聞かないので、東宮で犬が飼われていることからすれば、皇室も犬派らしい。菅直人首相(戌年)は、猫派である。「捨て猫を路傍で見つけると家に連れて帰って育てる」というほど優しい心根の持ち主で、事実、菅家には猫がおり、伸子夫人が愛猫を抱いているのをテレビ映像でもよく見かけることがある。
◆野良犬は、狂犬病予防の側面から捕獲されて、保健所で殺される運命にある。もちろん野良猫も殺される可能性が高いが、野良犬ほどではないように感じる。その点、保健所の目から逃れた野良猫が菅首相のような猫好きに拾われるチャンスに恵まれやすい。かく言う私(戌年)の家にも、いまメス猫が二匹いる。以前は、オス猫三匹とメス猫一匹がいた。みんな野良猫出身である。猫派であることに関する点に限って、私は菅首相に親しみを感じている。猫は、人間に抱かれるとゴロゴロ、ゴロゴロと喉を振るわせる。この音は、イライラする気持ちや落ち込んだときの欝の気分を和らげてくれる効能があるので、むしろ人間の方が猫にお世話になっていると言える。神経質で胃腸を壊した夏目漱石も、猫を抱いて神経を休めていたとも言える。「イラ菅」と言われてきた菅首相も、愛猫に大いに助けられているのではなかろうか。
◆必ずしも断定はできないけれど、菅首相が提唱している「最小不幸社会」という概念は、ひょっとすると猫派と何か深い関係があるのかも知れない。菅首相は、高校時代に読んだオルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』の影響を受けたといい、自らの政治哲学として「最小不幸社会」の実現を掲げてきた。拙著「日本変革-菅直人+小沢一郎は政治をどう変えるか」(KKベストセラーズ刊)のなかで、私は「菅直人は『国民の不幸を最小限にしよう』と政治家を志した」と解説した。
◆ところで、自民党のトレードマークは、巨象である。猫ではないから、「最小不幸社会」という概念は、似つかわしくないらしい。自民党は、「最大幸福社会」を掲げて参院選挙を戦うという。
 「最大幸福社会」とは、「個人の幸福の総計が社会全体の幸福であり、社会全体の幸福を最大化すべきである」という意味である。19世紀の英国の法学者、経済学者、哲学者であるジェレミ・ベンサムが唱えた功利主義の中核をなす「最大多数の最大幸福」(the greatest happiness for the greatest number)という概念による。ベンサムは、正しい行為や政策とは「最大多数の最大幸福」をもたらすものであると論じた。もちろん、ベンサムは、少数者へのベンサムは多数者の利益のために少数者を犠牲にすることを支持してはいない。
 しかし、「最小不幸社会」と「最大幸福社会」とは、社会を表から見るのか、それとも裏から見るのかの違いがあるだけで、コインの裏表の関係にあり、同一の物である。とは言うものの、太陽と月、陽と陰のどちらが好きかと言えば、その選択は、根明か、根暗、躁か欝かの人それぞれに分かれる。ただし、犬派が躁で、猫派が欝であるというわけではないけれど、次期参院選挙は、日本人のなかの民主党「最小不幸社会」派(月、陰、根暗)VS自民党「最大幸福社会」派(太陽、陽、根明か)の激突構図となる。かく言う猫派の私は、いまの自民党を支持できないものの、欝に陥り勝ちな「最小不幸社会」派(月、陰、根暗)よりは、パーッと明るい「最大幸福社会」派(太陽、陽、根明か)の気分の方がよい。

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