年が明ければ気分一新、「小沢民主党」は安倍政権打倒に向けて、いよいよ目にものを見せる時がくる

2006年12月28日 19時31分04秒 | 政治
◆「年か明ければ、気分が一新する。年内に決着してよかった」と片山虎之助自民党幹事長が、ホッと胸を撫で下ろす発言をしている。佐田玄一郎行革担当相が辞任し、後任に渡辺喜美内閣府副大臣(衆院議員)が決ったからである。安倍首相は渡辺氏の「突破力」に期待しているという。総理大臣のポストを目の前にして「悔しいよ」と無念の声を残して亡くなった渡辺美智雄元蔵相の子息だけに、「金融政策」には精通している。
 確かに、渡辺氏は、若手政治家のなかでは、逸材であり、将来の「総理大臣候補者」の有力な一人である。この意味で安倍内閣も、ようやく「しまり」が出てきそうである。
 だが、いまの安倍内閣は、全体的に「しまり」がなく、いうなれば、「ゆるフン」なのである。褌を着用する男性が少ないから、さしずめパンツのゴムが緩んでいるのである。朝日新聞の12月28日付朝刊「2面」に、安倍内閣の「緩み」について解説記事が掲載されているが、驚くべき有様であるようだ。何でも、閣議室に入る前に集まる部屋に安倍首相が姿を現しても、「私語」が止まない。小泉前首相のときは、全閣僚が起立して迎え、私語もピタリと止み、緊張感が漂ったという。
◆安倍内閣では、仲間が失敗しても、困ったことになっていても、だれ一人として、助け船を出して手を貸そうという者は、一人もいないらしい。心のなかで「いい気味」とせせら笑っているようなのだ。今回の佐田氏の不祥事に対しても、みんな冷ややかだった。佐田氏を庇う者がいなかったばかりではない。安倍首相に対しても、「お手並み拝見」と横目で見る姿勢を示していた。
 これはどこか、エリート進学校の教室に似ている。勉強以外興味がない。学級委員や生徒会会長などの役員は、「雑用係り」と馬鹿にし、勉強の妨げになると打算してしたがらない。阪神淡路大地震のとき、被災者の高齢者に手を差し伸べて世話をしていたのが「茶髪の若者たち」で、その側を学習塾通いの少年少女たちが、何食わぬ顔して通り過ぎる光景が思い出され重なる。
◆安倍内閣の若手閣僚やスタッフたちは、どうも「ペーパー秀才」ばかりのようである。これでは、「安倍内閣」が危機に陥っても、汗水たらして身体を張って政権を守ろうとする者が一人もいないのは、当たり前である。安倍首相を「ガード」しているのが、井上秘書官ただ一人というのも、情けない話である。その井上秘書官が、旧国鉄のノンキャリア出身で、政界人脈もなく、知らず、選挙の修羅場をくぐった経験も浅い。このため、安倍首相と与党議員との調整を十分に果たしていない。というよりは、果たせないというのが、正確なところである。朝日新聞の解説記事は、閣僚やスタッフたちが、「わら人形」と呼ばれていることを明かしている。さもありなん。
 渡辺喜美氏が、入閣したからとて、「わら人形」がたちまちのうちに、「人間」に戻るとは考えられない。つまり、片山氏が「年が明ければ気分が変わる」というようには、簡単にはいきそうもないのである。
◆「気分が一新」しそうなのは、むしろ、小沢民主党の方である。小沢一郎代表、菅直人体表代行、鳩山由紀夫幹事長の3人が会談し、「佐田氏の議員辞職」を求めて、政権与党に揺さぶりをかけていくことで一致したという。素人代議士の永田英寿衆議院議員の「ニセメール疑惑問題」のときとは違い。今度は、小沢代表をはじめ超ベテラン、一癖も二癖もある政治家が、政府与党をギリギリ追い詰めていくことになるので、その結末がどうなるかが、楽しみである。「真綿で首を絞める」なり、「豪腕を振るう」なり、臨機応変に押したり、引いたりしながら、安倍政権を追い詰めていくいよいよ繰り広げられる。「小沢民主党」の底力を振り絞って、目にもの見せて欲しい。

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