出典:沖縄タイムス 2010年11月5日より
鳩間島の漂着ごみが燃料に 発泡スチロール油化装置初公開
【鳩間島=竹富】漂着ごみを燃料油へ変換することにより、離島を「宝の島」へ変えようという試み「鳩間島・宝の島プロジェクト」(主催・日本海難防止協会)の一環として、同協会が開発した車両移動式発泡スチロール油化装置が4日、同島で初めてお披露目され、公開稼働実験が行われた。来年4月以降、与那国島を含め漂着ごみ問題を抱える全国離島の海岸を広域的に巡回する。
この日は島民らでつくるNPO「南の島々(ふるさと)守り隊」(浦崎金雄理事長)メンバーや西表島で環境学習に取り組む子どもら約40人による海岸清掃が行われた後、移動式装置による公開実験を実施した。拾った発泡スチロール約40キロから精製した油で発電機を稼働させ、「エコ祭り」を開催。参加者へ綿菓子やかき氷がふるまわれた。
同協会は日本財団からの助成を受け、昨年11月以来、漂着ごみの40%を占めるとされる発泡スチロールから、給湯設備や焼却炉などで利用できるスチレン油を精製する固定式装置を同島に設置。同「守り隊」が管理、運営している。
一方、大型離島や複数の離島を抱える自治体では、固定式装置1台では処理できない可能性があるため、機動性や利便性、経済性の観点から、4トントラックと一体化した車両移動式装置による巡回が考案された。
移動式装置は3基あり、同協会の大貫伸主席研究員は「フェリーが就航していればどこへでも行ける」と説明。八重山、長崎県対馬周辺、新潟県佐渡島周辺の3地域を拠点とし、「離島キャラバン隊方式」で巡回させていく方針を示した。
「八重山3市町には移動式プラントをやりやすい方向で有効活用してほしい。竹富町はNPOと協働で鳩間を『前線基地』として、西表島や黒島の漂着ごみも処理する仕組みをつくってもらいたい」と期待した。
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