svabhaavapratibandha研究の見取り図
片岡 啓(九州大学准教授)
本発表の目的は,svabhaavapratibandha研究史の概観にある.ただし,各論者の意見を単に時系列的に並べるのは本発表の意図するところではない.どの時点でどのような問題が意識され始め,それが後に受け継がれ中心的な論点として議論されていったかという,論点の発芽・成長の跡に注目したい.したがって,新たな論点や視点を提示する論考を中心に配置する.また,それ自体の影響力は少なくとも,その時代での論点の成長過程をよく反映する論考を取り上げた.系譜の主脈を描き出すことで,本発表では論及できない論考も配置可能となるであろう.主要な論点は1980年代に登場するので,当然,その年代の論考が主考察対象となる.シュタインケルナー,松本,桂,福田ほかの論考を中心とする.
また,報告者の主な視点は,「何が正しいのか」という哲学者の視点ではなく,「何が議論されてきたのか」という思想史研究者の視点であり,さらに言えば,文化人類学者の視点である.この点で,「svabhaavapratibandhaに一家言あり」の他のパネラー(および一部の熱い会場参加者)とは根本的に態度が異なる.各論者の意図を取り上げるに際しては,できるだけ各論者の問題意識と視点に寄り添ったつもりである.その上で,各論考を系譜上に配置し,相対的に位置付けた.また,他の研究者の視点から見た場合に容易に指摘が予想される矛盾点・問題点は逐次指摘するつもりである.この作業により,svabhaavapratibandha研究の俯瞰図を手に入れることができる.第一義的には「自己の為」に作成した見取り図であるが,類似の詳しい見取り図が存在しない以上,「他者の為」にもなると考える.
片岡 啓(九州大学准教授)
本発表の目的は,svabhaavapratibandha研究史の概観にある.ただし,各論者の意見を単に時系列的に並べるのは本発表の意図するところではない.どの時点でどのような問題が意識され始め,それが後に受け継がれ中心的な論点として議論されていったかという,論点の発芽・成長の跡に注目したい.したがって,新たな論点や視点を提示する論考を中心に配置する.また,それ自体の影響力は少なくとも,その時代での論点の成長過程をよく反映する論考を取り上げた.系譜の主脈を描き出すことで,本発表では論及できない論考も配置可能となるであろう.主要な論点は1980年代に登場するので,当然,その年代の論考が主考察対象となる.シュタインケルナー,松本,桂,福田ほかの論考を中心とする.
また,報告者の主な視点は,「何が正しいのか」という哲学者の視点ではなく,「何が議論されてきたのか」という思想史研究者の視点であり,さらに言えば,文化人類学者の視点である.この点で,「svabhaavapratibandhaに一家言あり」の他のパネラー(および一部の熱い会場参加者)とは根本的に態度が異なる.各論者の意図を取り上げるに際しては,できるだけ各論者の問題意識と視点に寄り添ったつもりである.その上で,各論考を系譜上に配置し,相対的に位置付けた.また,他の研究者の視点から見た場合に容易に指摘が予想される矛盾点・問題点は逐次指摘するつもりである.この作業により,svabhaavapratibandha研究の俯瞰図を手に入れることができる.第一義的には「自己の為」に作成した見取り図であるが,類似の詳しい見取り図が存在しない以上,「他者の為」にもなると考える.
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