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センササイズとMTFについて

2022年06月27日 | 機材について
最近APS-Cサイズセンサの新製品が各社から発表されています。実は自分もEOS R10購入を考えています。なにしろ最上位機種R3と同様のAFが使え、メカ連写15コマ/秒のカメラがわずか430g、11万円ちょっとで買えてしまうのですから。まあよく考えてみると、EOS M kissからの大きなコストアップ要因は画処理エンジンのDIGIC Xぐらいなので、ここのコストダウンができれば不思議ではないのかも知れません。
あえて弱点といえば、専用レンズはわずか2本の標準ズームだけしかないことです。したがってフルサイズ用のレンズを使うしかないのですが、そのときの解像度について考えてみました。
レンズ解像度を表すのにMTFが良く使われます。こちらはニコンの説明ですが、各社ほぼ同じです。
MTF曲線とは | NIKKORレンズ | ニコンイメージング
よく使われるのが10本/mmと30本/mmです。(センサ上で10本/mmのピッチの濃淡のコントラストという意味)
これは(たぶんツァイスのエンジニアが)経験的に決めた数値だと思いますが、人間の視覚特性に合わせたものだと思います。人間の視覚特性は周波数特性があり、あまりにピッチの高い変化も、緩やかな変化も検知できず、あるピッチでもっとも敏感に見ることができます。10本/mmはほぼこの周波数特性の最も敏感な部分に対応し、30本/mmは高いピッチでの限界に対応すると考えられます。
APS-C用のレンズでもMTFはこの10本/mmと30本/mmが使われていますが、これは少しおかしいです。というのはレンズとして比較するためには最終的に見る状態で同じ画像でなくては意味がありません。同じピッチではAPS-Cの方が拡大したピッチでのMTFを表示していることになります。ちなみにμ43のOMDSのレンズでは2倍の20本/mmと60本/mmのMTFを表示しています。これと同じ考え方であれば、APS-Cセンサで使うレンズの解像度は15本/mmと45本/mm(キヤノンの場合は16本/mmと48本/mm)で比較しないと、正しい比較となりません。
16本と48本のMTFは公表されていませんが、ある程度想像はできます。MTFは一般的に本数が増えると数値が下がります。なので16本のMTFは10本と30本の間にあると考えられます。今所有している最も高解像度なRF70-200mmのMTFチャートに想像で16本と48本を書いてみました。

正確なところはわかりませんが、このレンズではワイド端でもテレ端では16本のMTFは十分良好な範囲です。48本はさらに不明ですが、テレ端での30本に比べ、ワイド端での30本はやや低い数値なので、ワイド端の48本は平凡な値が予想されます。つまりこのレンズはAPS-Cで使ってもヌケの良いレンズですが、ワイド側の解像度は平凡なレンズになる可能性があります。ただし4隅の解像度はもともと高くないのですが、ここは使わなくなるので画面の均一性は良くなると思われます。
つまりこのレンズ以上に30本/mmのMTFが良いレンズでは、APS-Cサイズで使っても画質低下はあまりなさそうですが、それ以外のレンズではそれなりに解像度は低下すると思われます。目安として30本/mmのMTFが80%以上であれば、16本/mmも当然80%以上なので、十分ヌケの良いレンズと言えるはずです。
以上のようにフルサイズ用レンズをAPS-Cで使うと画質(解像度)が低下します。元々解像が非常に良いレンズであれば、ほとんど差はわからないはずですがそうでない場合は注意が必要です。



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