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ジカ熱 リオデジャネイロ五輪 

2020年03月13日 15時59分38秒 | 東京オリンピック
ジカ熱、WHO、緊急事態宣言 新生児に小頭症の懸念
 2016年2月1日、ブラジルや中南米を中心に蚊が媒介する感染症「ジカ熱」の拡大を受けて、世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言した。新生児の小頭症との関連が疑われており、妊婦の感染に強く注意を促している。 
 そしてこれから夏を迎える北半球にも感染地域が広がるリスクがあると警告をした。
 ジカ熱は感染者に手足のまひや筋力低下をもたらす神経疾患「ギラン・バレー症候群」を発症させる可能性がある。さらに深刻なのは、ジカ熱に感染した妊婦が出産すると、生まれて生きた新生児が小頭症になる可能性が疑われていることだ。これらの病気とジカ熱の関わりを科学的に証明するのは未だにできないままでいる。WHOは今後1年で最大400万人の感染者が出ると警告している。ワクチンや治療法、簡易な診断法もまだない。
 ブラジルでは昨年からジカ熱の流行が拡大。同時に小頭症の新生児が相次いで生まれるようになった。小頭症と確認されたり疑いがあるとされたりしたのは、2015年10月以降だけで北東部ペルナンブコ州の州都レシフェではブラジル国内で最も多くの感染者が発生されているが、ペルナンブコ州では小頭症と確認されたり疑いがあるとされたりした症例が、2015年10月以降だけで国内最多の1312件に上り、ブラジル国内全体では4000件以上とされている。
 レシフェ市内のある病院では、昨年以降、小頭症の新生児約300人が運び込まれた。レシフェはブラジルでも有数の大都市で、この病院には各地から患者がやってくる。担当医師よると、小頭症の新生児が特に増えたのは昨年9月ごろから。それまで州全体でも小頭症の新生児は年に10人ほどだったが、一時は2週間で30人に達した。1日4人が運ばれたこともあったという。
 ジカ熱が原因とみられる小頭症には、これまでなかった特徴が明らかになり、「従来の小頭症は妊娠5カ月で診断できたが、8カ月になって初めてわかる場合もある。1度の検査だけで安全と言えなくなった」と担当医師は述べているという。

 広く感染が報告されている中南米では、リオデジャネイロ五輪開催を控えるブラジルやホンジュラスが非常事態を宣言するなど、世界各国が対策に動き出している。
 米疾病対策センター(CDC)は専門家チームを現地に派遣し、調査を開始したが。まだ断定はできないが、「ウイルス感染と小頭症の関連が強く示唆される」という。
 CDCによると、米国本土で確認されたジカ熱の発症者は今年1月時点で30人を超え、その後も増え続けている。ほとんどが中南米などで感染し、帰国後に感染が確認された。CDCは流行地域への渡航注意を発令し、特に妊婦は旅行を控えるよう呼びかけている。
 ジカ熱は、感染者との性交渉や輸血でも感染する可能性があることが指摘されている。CDCは、特に妊婦は、感染した可能性がある男性と性交渉する際には、コンドームの使用などを求めている。米赤十字社は、輸血の安全を確保するため、中南米などから帰国した人に対し、旅行後28日間は献血を控えるよう呼びかけている。

 一方、タイ保健省疾病対策局は2日、バンコクの病院でジカ熱に感染した22歳の男性が治療を受けていたことを明らかにした。またロイター通信によると、オーストラリアでも、ハイチから帰国した2人がジカ熱に感染していることが分かった。ニューサウスウェールズ州保健当局が2日、明らかにした。いずれも「感染の拡大はない」と冷静な対応を呼びかけている。

 2月5日に始まったリオデジャネイロのカーニバルでは、世界中から多くの人が集まることから感染拡大が危惧されている。8月には五輪開催も控え、ルセフ・ブラジル大統領は「蚊との戦争」を宣言。軍を動員して蚊の駆除にあたるなど、拡大阻止に全力を挙げている。

リオ五輪の延期を カナダの公衆衛生学の専門家
 こうした中で、カナダ・オタワ大のアミール・アタラン教授(公衆衛生学)は、ブラジルのリオデジャネイロ五輪は「延期するか、開催地を変更するべきだ」とする意見を、2016年5月、米学術誌「ハーバード・パブリックヘルス・レビュー」に寄稿した。
 ジカ熱は、妊婦が感染すると小頭症の赤ちゃんが生まれる原因になるとされ、大人にも手足のまひを起こすと考えられている。アタラン教授は「五輪で世界からさらに50万人の旅行者が訪れ、感染してウイルスを自国に持ち帰れば、世界的な大惨事になりかねない」と警告した。
 教授は過去に比べて2015年以降の流行では重症例が増え、「少し以前に考えられていたよりも危険な病気だ」と指摘。感染が深刻なのはブラジル北東部だとされているが、最新統計によれば、リオデジャネイロでの人口当たりの感染者数は全国で4番目に多く「中心的な流行地域だ」とした。


リオデジャネイロ五輪 ゴルフコース バラ地区 出典 Rio2016

ジカ熱感染拡大でゴルフ選手やテニス選手が不参加を表明
 ブラジルで流行するジカ熱への懸念から、ゴルフなどの競技でトップ選手が8月のリオデジャネイロ五輪への不参加を表明するケースが相次いだ。米国の競泳チームが7月の強化合宿を感染拡大地域のプエルトリコから変更するなど、各国選手団の直前の日程に影響を与えつつある。
 2016年6月、世界ランク4位のロリー・マキロイ選手(アイルランド)が、8月に開催されるリオ五輪に出場しない意向を表明した。マキロイは声明で「熟考を重ねた結果、リオデジャネイロで開催される夏のオリンピックから辞退することを決断した」とコメント。「近親者と話し、自分と家族の健康がなによりも優先されることを認識するにいたった。ジカ熱に感染するリスクは低いとされているが、それでもそれはリスクであり、そのリスクは取りたくない」と述べた。
 一方、松山英樹選手(日本)もブラジルなどで感染が拡大しているジカ熱などへの懸念を理由に、出場を辞退することを明らかにした。
 この中で松山選手は「ジカ熱もあるし、虫に刺されたときのアレルギー反応のしかたがまだよくなっていない。治安の問題もあるし、不安があるところではまだプレーは避けたほうがいいと思った」と、出場辞退の理由を説明した。
 この他 ジカ熱を理由にリオ五輪への不参加を表明したのは、アダム・スコット選手(オーストラリア)、ルイ・ウーストハイゼン選手(南アフリカ)、シャール・シュワルツェル選手(南アフリカ)、マーク・レイシュマン選手(オーストラリア)、ビジェイ・シン選手(フィジー)が、過密日程やジカ熱への懸念などを理由に五輪辞退を表明している。
 ジカ熱は新生児の小頭症や、感染者本人に手足のまひを伴う病気「ギラン・バレー症候群」を引き起こす可能性が指摘されている。ブラジル当局によれば、リオデジャネイロ州の感染者数は全国でも最上位クラス。WHOは妊婦のリオへの渡航を控えるよう警告しており、特に各国代表の女子選手の動向に影響を与えそうだ。
 陸上女子七種競技でロンドン五輪金メダルの英国のジェシカ・エニス・ヒル(30)も、ブラジルでの直前合宿の中止を計画。コーチは「今後も子供が欲しいと思っている」と報道陣に理由を説明した。
 ロイター通信によると、米当局は米国内で279人の妊婦がジカ熱に感染していると発表。うち122人は米自治領プエルトリコで、米競泳代表チームは予定していた直前合宿先をアトランタに変更した。
 テニスのトップ選手の出場辞退も相次いでいる。
 ウィンブルドンで自身初の決勝進出を果たしたラオニッチ(カナダ)や、女子で世界ランク5位のハレプ(ルーマニア)はジカ熱への懸念を理由に出場辞退を発表した。
 またウィンブルドンでベスト4進出したベルディヒは、3大会連続で五輪に出場していたが今回は出場を辞退した。
 その他ティエムやイズナー(アメリカ)、キリオス(オーストラリア)、ガスケ(フランス)も不参加を表明した。

ジカ熱、感染疑い12万人に 
 2016年5月、ブラジル保健省によると、今年1~4月下旬までにジカウイルス感染症(ジカ熱)に感染した疑いがある人が約12万人に達したことを明らかにした。人口10万人あたりで58・8人の感染者数となるという。
 ブラジル国内で感染者が最も多いのは北東部バイーア州で約3万4000人。8月に五輪が開催されるリオデジャネイロ州は、2番目に多い約3万2000となっている。保健省によると、2015年10月以降に小頭症と確認されたのは1434人、3257人が小頭症の疑いがあるとして検査されている。
 しかし、リオ州によると、今年のジカ熱による死者数は5月末時点でゼロ。冬に入って発生件数も激減した。リオ市の調べでは、今年1月に7747件あったジカ熱の感染件数は、6月には510件に減り、ジカ熱の流行は終息に向かっているとした。
 一方、世界保健機関(WHO)は6月14日、リオ五輪について「現時点での評価では、(五輪を)中止したり開催地を変更したりしても、ジカ熱の国際的な流行にはほとんど変化を与えない」との声明を発表し、開催を容認する姿勢を明らかにした。

 南半球は今が冬で、最も気温が下がる季節だ。ブラジルのウイルスの専門家によると、「冬のリオは気温が低く、乾燥するため、蚊は少ない。感染の可能性はほとんどない」と話す。統計によると、リオで今年1月のジカ熱に感染者は7733人。気温が下がるに従って減少し、6月は510人に減った。
 五輪期間中にリオを訪れると予想される外国選手団や観光客は約50万人とされている。感染の仕組みを数学的に分析してきた専門家は、同じく蚊が媒介するデング熱感染者の過去の統計をもとに、「ジカ熱に感染する可能性があるのは、50万人のうちの25人。実際に症状が出るのは5人ほどだ」という。
 「確率的には、リオの街ではジカ熱に感染するよりも、銃撃戦の流れ弾で死亡したり、性的暴行を受けたりする可能性の方が高い」と述べている。(出典 2016年7月31日 朝日新聞)



新型肺炎感染拡大 東京五輪大会に危機



2020年3月10日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
President
E-mail
thiroya@r03.itscom.net
imssr@a09.itscom.net
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