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台湾の友人のベトナム工場について Ⅴ

2006年05月20日 | アパレル放談
ベトナムの生産工場の問題点は物流です。
ベトナム国内の原料(素材)のインフラがないので、原料調達を海外に求めざるを得ない。
副資材関係の調達も海外が中心となります。

船便数や航空便数の少なさだけでなく、通関手続きや国内輸送の未整備もあり、短納期生産、小ロット生産などの日本の市場の要求に応えることが出来ず、ベトナム生産が増えない原因と思われます。

ベトナムに工場建設をした台湾のK氏やニットメーカーの氏の友人も、このことは事前に判っていました。

彼らはこの物流について、いろいろ工夫し対応しています。

素材の多くは日本やヨーロッパからの輸入が中心で、すべて台北の本社に集結し、副資材、パターン、指示書などを一括パックで船積みします。
船積みはアジアのハブ港の高雄港の優位性を生かしています。

特に遠隔地生産で問題になるのはサンプル生産や確認修正などの作業です。
ファーストサンプル縫製を台湾で行い、日本のアパレルのようにサンプル確認のため、サンプルを行き来することがありません。
(日本の海外生産はこの前作業が多く煩雑過ぎると思います)

特殊なやり方ですが、台湾のニットメーカーが行っているのは、依頼を受けた展示会用サンプルを台湾の自社工場にベトナムの工場から工員を台湾に長期出張させ、サンプル作成を行っています。

サンプル作成をまとめて台湾の自社工場(サンプルだけの設備)で行い、その後ベトナムに帰って自分達が台湾で造ったサンプルをベトナムの工場で本生産します。
台湾で研修してきた技術を自分達の生産ラインに指導して生産しています。

サンプル作成が技術指導も兼ねています。
経費的にもこの方が安く済むと言っていました。
よいアイデアと感心しました。

遠隔地のため無理した短納期の生産は行わず、逆にじっくり造り込む商品に集中しています。

中国のように生産効率至上主義(水揚げ)ではなく品質中心の物つくりに向いています。

ヨーロッパのアパレルもコートやジャケットなどの生産を行っています。
日本の著名な百貨店アパレルもイタリアの生地を使った、本格的なコートの生産現場を見たことがあります。
常夏の国で汗を流しながら分厚いコートを縫製している光景が印象に残っています。

中国で、店頭展開中心の商品の短納期生産と進化する中国素材を使った価格対応の商品の生産を行い。
ベトナムでのヨーロッパの素材を使用した手の込んだ商品をジックリ造り込む棲み分けする方法が考えられます。

技術指導を行えば中国より学習効果は発揮すると思います。

我々側の姿勢次第と思います。
それほどベトナムは労働の質が高いと思います。
少しベトナムに入れ込みすぎかもしれませんが、昔のから感じていたことをブログしてみました。
当時の日本航空とベトナム航空のシェアー便の時にベトナム航空の機内食のガーリックトーストが日航の運行のときのパンより数段美味しかったのが懐かしい。
最近の味はどうなっているか、機会があれば行きたいと思います。

ベトナム工場の雑感はこれで終了します。


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