射水市聴覚障害者協会

障害者もあたりまえに地域で暮らしていけるまちをめざして…
日々の取り組みや聴覚障害者に必要な情報をお伝えしていきます。

障害者差別292件 解消法施行1年も浸透不十分(東京新聞)

2017年06月10日 | 法・条例・制度

以下引用 東京新聞 2017年6月6日 朝刊  http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201706/CK2017060602000131.html

 障害者差別解消法が二〇一六年四月に施行された後の一年間に、障害者や家族から寄せられた差別に関する訴えのうち、法務省が人権侵犯事件として救済手続きを行った件数が二百九十二件に上ることが分かった。同法は障害を理由とする不当な差別を禁止したが、法律が守られていない実態が浮き彫りになった。 (城島建治)

 視覚障害者が盲導犬を連れて行くことを理由にホテルから宿泊を拒否されたケースでは、法務局の職員がホテルから事情を聴いた。ホテル側は宿泊を申し込んだ人から詳しい事情を聴かず、盲導犬の同伴を拒否していた。これは法律が禁止する不当な差別にあたるため、職員は同じ行為を繰り返さないようホテル経営者を説得した。

 法務省が現在、対応中のケースは二十四件に上る。

 人権を侵害された場合、被害者は法務省の出先機関である全国五十の法務局に電話などで相談できる。法務局は、深刻な人権侵害の疑いがある人権侵犯事件と判断すれば被害者だけでなく、加害者からも聞き取り調査などを行い、相手方を注意したり説得したりして、差別解消を進める。

 同法は障害のある人もない人も共に暮らせる社会を目指し、障害を理由とした差別を禁止した。

 日本盲導犬協会が法施行後一年を機に全国の盲導犬利用者にアンケートしたところ、この一年間で55%が受け入れ拒否を経験。レストランやバスだけでなく、同法に差別解消を進める役割が規定された市役所が会議室への入室を拒否した事例もあった。

 政府に法律制定を働きかけた十三の障害者団体でつくる「日本障害フォーラム」は「法律の理解は進んでいるが、まだ不十分。差別が起きないよう、多くの人に理解してほしい」と話す。


理解、進んだか 障害者差別解消法施行1年 九州では相談窓口開設や条例制定(西日本新聞)

2017年06月10日 | 法・条例・制度

以下引用 西日本新聞 朝刊 2017年05月18日   https://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/329175/

 障害者への不当な差別を禁じる「障害者差別解消法」が昨年4月に施行されて1年が過ぎた。九州では障害者の声が現状を変えるきっかけになった例がある一方、法律の浸透が不十分で、誰もが排除されない社会の実現は道半ばだ。

 同法は、差別を禁止するとともに、自治体などの公的機関には、健常者と同等の権利を保障する「合理的配慮」を義務付ける。民間事業者には合理的配慮提供の努力を求めている。

 「突然大きな声を出すことがあるが、図書館でゆっくり本を読めるスペースが欲しい」。宮崎県が開設した相談窓口には、障害がある子どもを持つ親からこんな声が寄せられ、県が図書館に働き掛けて申し出れば個室を利用できるようになった。2016年度の相談19件中9件で県が改善に向けて対応し、「民間企業の関心も高まっている」(担当者)という。

 長崎県では「車いす利用者が公園でふたのない側溝にはまってけがをした」との相談があり、管理する市がすぐにふたを設置。差別に関する相談は2件にとどまったが、障害福祉課は「障害者が直接、関係者と話し合うケースも増えているのではないか」とみる。

 ただ、「発達障害がある子どもが飲食店で入店拒否された」(大分県)、「盲導犬と一緒だと、賃貸住宅入居を拒否された」(熊本市)、「バスツアーに申し込んだら、車椅子利用者は介助者が必要と言われた」(鹿児島県)など、法の理解が進んだとは言い難い例もあった。各県・市とも「さらに周知を進めたい」と話す。

 一方、差別解消を進める条例がなかった福岡県や福岡市、北九州市では条例制定の動きが加速。福岡市は障害者団体や企業などでつくる条例検討会議を8回重ね、18年度中の施行を目指す。検討委員でもある「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」の向井公太副代表は「法施行で障害者が『おかしい』と声を上げやすくなった。当事者の声をきっかけに話し合う機会を大事にしながら、障害者への理解をじわじわと深めたい」としている。