JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「銀座カンカン娘」

2009-03-21 | 映画(DVD)
60周年記念
新東宝大全集~60年60日60作品+α~

「銀座カンカン娘」1949年 新東宝 監督:島耕ニ デジタル上映
貧乏でも夢を持ちながら、前向きに生きて行く男女を描いたミュージカル・コメディの傑作。服部良一の同名曲はこの作品の主題歌として作られた。

今回の特集の間、シネマート六本木では「上海帰りのリル」や「買い物ブギ」「テネシー・ワルツ」「東京キッド」などナツメロがかかっている。その中でも取り分け「銀座カンカン娘」。このモダンな楽曲にあらためて魅了されてしまった。以前から一度は観ておきたい映画だったけど、この曲を何度も繰り返し聴いて思いはますます募るばかり。

ミュージカルと言ってもミュージカルらしさ(日常会話を歌に乗せる)はほんの前半部。あとはキャバレーで流しをする「銀座カンカン娘」の歌。歌謡映画といったところ。この曲が映画のために作られたとは知らなかった。ヒット曲の映画化だとばかり勝手な思い込みをしていた。

ここでは「銀座カンカン娘」ブギ調、ハワイアン調とスタイルを変え、高峰秀子、笠置シズ子、岸井明、灰田勝彦と4人4様の歌が聴ける。

それにしても何とも幸せな気分にさせてくれる、「これぞ映画」という感じ。
豪華さは決してなく、お手軽に作られた感は否めないが観ていてとても気持ちよい。

灰田勝彦と高峰秀子が女の子を小学校まで送る道。それぞれがあちこちのものに気を取られながら行く様子。

大きな洋画ポスターの前での高峰秀子と灰田勝彦のシーン。高峰秀子の美しさ。銀幕スターです。

「野球小僧」(大好きです)の灰田勝彦を初めてまともに見た。サンタルチアの替え歌。しかも灰田勝彦アクションまで。

この映画のお目当てはもう一つ。古今亭志ん生の出演。

おぉ!1週間のうちに文楽、志ん生をスクリーンで見れるとは・・・
こんな若い志ん生の動く姿を見たのは初めて。貴重ですね。
志ん生(役名:新笑)は「疝気の虫」を家で稽古している。
ぞろっぺいな芸というが、蕎麦の食べ方の大袈裟な事。この人にしてみればリアリズムなんて屁みたいなもの?
つくづく文楽、志ん生と同時代を共有した先輩方を羨ましく思うね。

おかみさん役は浦辺粂子。ちょっと江戸前のおかみさん役にどうかと思ったけど、まだ若いし、志ん生に充分張り合っていい感じでした。

身内でのささやかな結婚披露の席でおしゃべりから「替り目」に入る。
女房がおでんを買いに行く所で高峰秀子と灰田勝彦に目配せをして旅立たせる。
エンディングは何と追い出しの寄席太鼓。

カンカン娘のモダンさと寄席太鼓の妙なバランスが可笑しくて良い。

DVD所有の価値あり。安くはならんだろうが・・・

シネマート六本木

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