ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の話他、幕末〜明治維新の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮などの話も。

ブリューゲル「バベルの塔」展

2017年08月06日 | 文学・歴史・美術および書評
その昔
人類は同じ1つの言語を喋っていたが
神にも届く塔を作ろうとしたせいで
神の怒りを買い、言語はバラバラになった。
塔の建設はストップしてしまった

というバベルの塔、
大阪国立国際に回ってきたので見てきました。
ブリューゲルのほかにボス派のもありますが
少々「ベルギー奇想の系譜」とかぶったかな。


解説ナレーションが森川智之さん。
さすが、声優のナレーションはやっぱ違うわ…と思ってしまいました。
ただ解説すりゃええってもんじゃないんだよ!という
声優根性のようなものを目一杯ぶつけられてしまいます。
これからの方はガイド借りたがいいですよ絶対。



バベルの塔は推定510メートルだそうで
まあ…もうあれから500年足らずで
スカイツリーはこれを抜いてますけど
重機もない時代にこれほどの塔を思い描くというのは
現代で言うと月まで届くエレベーターを作るくらいの規模かも!


ブリューゲルというと版画のこれ


着想元はヒエロニムス・ボス
キャラクターデザインがボスで、人気があったので
ブリューゲルの時代の版元がそれを利用して制作していたのです。
ネームバリューを使ったプロデュースをやってる。

オランダ画商は版権二次創作でガンガン稼いでるではないか。
ちなみにボス先生自身は、版画の制作はしてません。


足ある魚に「タラ夫」て命名したのか…


もうタラ夫以外の何でもないわw
すね毛つけんなよ;
GJ日本人センス。

大友克洋さんの描いたバベルの塔の輪切り(内部構造)
は外に展示してあります。

CGで立体的に研究してるチームがあったり
いつかドラクエかなんかのダンジョンで攻略できたら面白いのに。
モンスターは「タラ夫」で
ボスキャラは「ヒエロニムス」=ボスでw


「言語はバラバラでも大きな目的を持つことで再び言葉を交わし」
と意味付けてしまうと
とある思想に行き着いてしまいそうなので、そこは保留します。

実は大きな塔の全体なんかは誰も(神様しか)見えていなくて
大きな野望のようなものすら、ろくになく、
ただそこに働き暮らす豆粒サイズの人間が何とか日々を生きるべく
右往左往してるだけだったりしてね。

塔を見上げては描いてない。
一体どこから見て描いた図なのか。
天と地の間。
ブリューゲルという画家の居場所はそこなんだなと思います。

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