Web-Rail BLOG

鉄道と都市のサイト「Web-Rail.com」、その模型サイト「Web-Rail MODELS」の管理者「ワシ」によるブログです。

MODEMOの江ノ電500形はR150ミリでも曲がれないぞぉ!!

2005-05-16 16:26:06 | Weblog
久々に、ワシの趣味的平和な話である。

土日の時間を使って、Nゲージの路面電車レイアウトを建設中。3月末に廃止となった名鉄美濃町線に、廃止ぎりぎりで出かけていったのがエラくきっかけとなり、どうしても手近に「路面区間のある地方鉄道」といった内容のレイアウトが欲しくなってしまった。
正確には、きっかけはもう一つあり、いつの間にやら買い揃えてしまったNゲージ路面系電車群である。数年前、MODEMOの東急世田谷線300や江ノ電1000形をえらく気に入ってしまって、以来かなりのコレクションとなってきてしまったのだ。
市販のレイアウトパネル上に建設しているのだが、こういう類の車両の天下ともなれば、行ったり来たりのくだらんレイアウトセクションではなく、フツーの鉄道車両では無理めな急カーブの連続で、エンドレスが幾重かに重なったものとなるのは必然というべき事。

そうしたレイアウトのレール敷設途中で直面した、あらら・トホホの事実とは…件の路面系Nゲージ車両たちが、意外にも情けないくらい、ことごとく急カーブを曲がれないという驚愕の事実であった。

そもそも、雑誌「RMモデルズ」が定める「路面モジュール」規格の中で、コーナーモジュールなどで使うカーブの最小半径は、かつて120㎜であった。このカーブはフレキシブルレールでないと作れない急カーブなのだが、編集部で各種路面電車モデルを実走行テストした結果、ほとんどの代表車種は通過可能という事で定めたというもの。そこは流石、路面モジュールらしい感じがする。もっとも、現在はもっとお気楽なモジュール参加を狙ってか、市販の道床付きレールを組み合わせたコーナーモジュールの規格の方を推奨しているようだが…
フレキシブルレールの扱いには手馴れたワシはトーゼン、120㎜の規格に注目。ワシのは路面モジュールではないものの、倣っておけば間違いないと踏んだのであった。

ご存知かと思うが、路面系車両には普通のボギー車の他、連接車がかなりの比率を占める。結論から言ってしまうと、ボギー車はほぼ、急カーブなど全く苦もなく走行する。問題となるのは連接車の方である。それでも、連接車がことごとく駄目かというとさに在らずで、知る人ぞ知るトラムウェイ製品の広島電鉄5000形グリーンムーバーなどは、5車体連接というあれほどの複雑な構造をもってして、R120を苦もなく走破してしまう。
意外に情け無いのがMODOMO製品。R120を全く苦にしないのは台車間の短い東急300ぐらいで、江ノ電1000や300はモーター音も苦しげになんとか通過という感じ。
許せないと思ったのが同じ江ノ電でも500形で、R120はおろかR150でも全く走らない。江ノ電連接車の中では台車間が広めであるという事実が不利に働くのは理解できるが、まだ物理的には屈曲する余裕がありそうなのに、なんと電気的にショートを起こして止まってしまうのである。じゃいったい、どの位ならカーブ曲がれるの?と思うのだが、TOMIX最急カーブのR243はとにかく走った。でもこれじゃ、フツーの鉄道車両並みにエラそーな限界値!
ちなみに、路面系でも変り種としてTOMIXの熊本電鉄5000形を走らせて見た。そう!ご存知、東急青ガエルである。ところが、これが難なくR120をクリア!!2両連結したまま見事に身をくねらせていった…いよいよ立場の無いMODEMO江ノ電500なのであった。
なお、このレイアウトはまもなく全線の敷設を終える。ストラクチャー設置まで終えたら報告します。

さらにJR西日本に感じること、評論家に感じること

2005-05-10 19:00:59 | Weblog
とにかく、あまりに痛ましい事故である。日常、こうした事故で自分が命を落したら、絶対に納得が行かないと思うし、残された人々の計り知れない悲しみを考え合わせれば、その後のJR西日本の対応ぶりには怒り心頭に達する思いだ。
時が経つにつれ思うことは、JR西日本という会社では広報担当というポジションが機能していないに等しい。記者会見で相変わらず続く不用意なコメント、失言、そして遺族への対応、更には労働組合への対処など、余計な心配だがこの会社には危機管理とか、企業防衛とかいう概念は存在しないのかと不思議に思う。
もういい加減、対処のノウハウが無いのだったら、どこかにアドバイスを求めてはどうだろうか?

更に余計なことを言わせてもらえば、労働組合にも腹が立つ。彼等の記者会見での「いやはや皆さん、こんなにひどい会社なんですよ」的な発言を聞いていいたくなるのは、「あんたらも当事者の一部なんだよ」という事。そう、事故を起こしたのはあんたらが勤務している会社なんだよ。第三者のような顔はしないでもらいたい。単純な要因ではないにせよ、運転士ご本人も気の毒ではあるにせよ、オーバースピードでカーブに突っ込んで行ったのはあなた達の同僚なんだよ。現場から「仕方なく」立ち去って出勤した運転士にしろ、ボウリング大会⇒宴会に「仕方なく」出席した車掌さんにしろ、あんたらの行動は全て不可抗力で許される事なのかい?人間として!!


そして、TV引っ張りだこの某評論家に言いたい事…あなたは、自分の著書で、津々浦々の鉄道を「もっと便利にしろ」と言いまくっているヒトではありませんか?これまでのJR西日本は、あなたのセオリーにそんなに酷く距離がある会社でしたか?むしろ、快速列車網「アーバンネットワーク」には、あなたも一定の評価は与えていたのではありませんか?
ある区間の最高速度を見直して、停車駅を増やし、所要時分を不変にしたり、短縮したりするという事が、一般に言って全て「無理のあるダイヤの組み方」になってしまうのですか?ある意味、あなた自身も推奨してきた改善方法ではないのでしょうか?今回のダイヤに無理があったとしても、全国的に行われている同様のことが、あたかも全て神業的に危険なことと言ってしまっては、誰も改善しなくなってしまいませんか?

ボルスタレス台車、イコール危険な構造、或いは欠陥のある台車ですか?ステンレス軽量車体は、イコール危険この上ない車体構造ですか?この事故は、103系だったら犠牲者が減ったと、あなたは断言してしまうのでしょうか?

とにかく、これほど痛ましい事故に際して、単にマスコミ受けするコメントを、然るべき論点の整理もせずに、乱発し続ける某評論家のあなた…あなたの著書はかなり読ませてもらってますが、今回の行動にはかなりの部分、賛成できません。

さらに、尼崎脱線事故に思うこと

2005-05-06 18:52:07 | Weblog
それにしても…本当にJR西日本の対応の悪さ(というか、「まずさ」)は、日が経つにつれて際立ってきているようにも思える。それと、当日のボウリング大会の事にせよ、ああいう事実が小出しに、少しずつリークされてきているように思えるのは、ワシだけだろうか?

207系の最高速度の事だが、今回報道されている「120キロ以上は出ない」という事実は明らかに違うのではないだろうか?単に、設計上「安全に安定して走行できる事が確認されている速度」が120キロの筈である。報道関係にも公開された運転台を見ると、速度計は150km/hまで目盛られているような…平坦線での均衡速度は恐らく、140キロを超えるのではないかと想像する。
TVのワイドショーで、技術評論家と称するコメンテーターなどが、あまりにも想像で喋っているのはどうかと思うが、それにしても問題の列車の車掌が脱線直前の時点で、「激しい揺れだ、脱線しそうだ」などと無線で話していたとすれば、それは繰り返しの激しい横揺れと思われ、台車の蛇行動が原因かも知れない。120キロ以下の常用速度域では発生し難いように設計されていても、速度がそれを上回っていたとすれば、発生していたかも知れない。車掌や乗客がいつもと違うと感じていたとすれば、そういう揺れと速度の両方に対して…だった可能性はあると思う。

カーブ進入時での速度超過はどうやら間違いないようだが、それにしても、最初のJRの会見を想い起こすと、なんと馬鹿なことを言ったものだろうと思う。「133キロまでは計算上、脱線しない」という話である。
現場の制限70キロは70キロでしょう!業務上は100キロはおろか、80キロでも、違反行為だと思う。それを、会社の姿勢として「133キロまでは大丈夫なはずだ」と平気で言ってしまう神経が信じられない。これは「制限70だが、現実には速度超過も容認していた」と思われかねない会見であったと思う。
確かに、カーブでの速度制限は物理的理論値ではなく、乗客が不快に感じたり転倒しない程度を目処に設定されているのが実態だと思われ、速度超過⇒即・脱線ではない事は重要な事実だが、未だにこうした基本的な事も全く説明されないまま、報道がなされて来ていると思えるのだ。

尼崎事故とJR西日本

2005-04-28 15:40:07 | Weblog
尼崎事故の凄惨な現場をテレビやWebで見る度、ワシのJR西日本に対するイメージが少しずつ変わっていく…今はそんな状態である。そもそも、「アーバンネットワーク」と称する快速列車網を初めとした本業での積極策は、JRグループの中では際立っていると思っていたし、1鉄道ファンとしてJR西日本の列車に乗っているのは楽しいという印象が強かった。

「新快速」に乗って東海道線を疾走する、あの爽快感。上りで芦屋の駅が近づくと、先行していた「快速」をジリジリと追い上げ、同時にホームへ進入し停車。これが新快速と快速の接続となる。次に停車する尼崎もそう。
ところが尼崎は東海道線に加え、福知山線からJR東西線へのラインも合流し、ともすれば3列車同時進入で接続をとる事もある。こうした、文字通り「寸分違わぬ」列車ダイヤをスマートに利用できた時の爽快感は、まるで「義経の八艘飛び」を味わったかのようなもの。が、こうしたダイヤがある意味、今回の悲劇に加担したと言えなくは無い。

何故、今度の事故を起こした運転士は、問題のカーブで速度超過をしてしまったのか…その理由として、まさに次の尼崎での接続に遅れを生じさせたくないという意識は、間違いなくあったのではなかろうか。そう考えると、ある一面利用者には爽快なJR西日本の現行ダイヤが、もしJR東日本的な「余裕のヨッチャン的ユルユルダイヤ」であったなら、起こり得なかった悲劇なのかも知れない。

そうは言っても、ワシ的には、問題の本質は他にあると思いたい。
一つ手前の停車駅である伊丹で、問題の列車は40mものオーバーランをしている。2車体分もの距離のオーバーランを考えると、運転士は居眠りをしていた可能性が無いとは言えない。この運転士は過去に3度の処分暦があると報道されているが、驚くのはそれだけではない。前日から途中の小休止を挟みながら20時間もの連続勤務中であったそうで、当日は朝から既に3本目の列車を運転しており、まさに事故を起こした列車で京橋まで乗務すればその日は終わりだったという。

伊丹を出ると、問題のカーブ直前までは制限120キロの直線がちなコース。加速を終えて次の制動まで、しばしウトウトしていた可能性もある。脱線の原因としてカーブ途中の非常制動が挙げられ始めたが、はっきり意識して100キロ以上でカーブに入ったとすれば、そこで非常制動を掛けるのは通常の意識下ではないだろう。カーブ進入時の横動に驚き、目を覚ますと同時に非常制動を掛けたのかも知れない。このあたり、あまり想像だけで発言してはいけないだろうが…

いずれにしても、運転士が眠気を感じていたとすれば、そうした勤務実態の方がダイヤよりも問題ではないだろうか。更に、この4月からは秒単位で遅れを申告する制度も始まっていたらしい。ダイヤを守らせる事自体は、安全性を重視する事とは矛盾しない。しかし、勤務実態が現実離れしている中で、ダイヤ上の遅れを頻発させた者に精神論で再教育したり、果ては給与カットまでされてしまうのでは、本来、鉄道マンとしてのプライドや誇りで確保すべき乗客の安全を守る事が不可能になってしまう。

鉄道界全体に衝撃を与えたこの事故が、JR西日本自体に与える影響は甚大であろう。しかし、ワシは思う。どうかJR西日本最大の旅客サービスであり、ビジネス的積極策としての列車ダイヤ自体が、誤った認識の下でその良い面までも失わないようにと…