この内容は、ライフプランセミナーで実施予定だった内容を、ブログにて「オンラインライフプランセミナー」として開催いたします。
さて今回は2回目という事で、来年2024年から制度変更される「新NISA」について解説していきます。
さて、前回の記事では、「NISA」には3種類あるとお話して、その中の「一般NISA」と「つみたてNISA」について取り上げてお話しました。
2024年からの「新NISA」では、一般NISAとつみたてNISAを合わせたような制度となっています。
3.新NISAとは
(1)新NISAの変更点
(金融庁ウェブサイトより引用)
要点をまとめると、
①非課税保有期間の無期限化
②口座開設期間の恒久化
③つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
④年間投資枠の拡大
(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。)
⑤非課税保有限度額は、全体で1,800万円。
(成長投資枠は、1,200万円。また、枠の再利用が可能。)
※ジュニアNISA制度は廃止
となります。現行制度より使いやすさがアップしています。
それでは、1つずつ変更点を見ていきましょう。
①非課税保有期間の無期限化
NISAは本来投資で得られた利益や配当金にかかる税金「20.315%」が非課税になる制度です。
現行のNISA制度では、購入してから5年間(一般NISA)又は20年間(つみたてNISA)の期間に限り非課税の対象となっていて、その後は売却か課税口座への移行が必要でした。
「新NISA」ではこの非課税期間が無期限となり、購入してからずっと非課税が継続する事となりました。
(現在保有している、現行制度で購入した商品の非課税期間は一般NISAが5年、つみたてNISAが20年でNISA改正後も変わりません。)
②口座開設期間の恒久化
現行制度は2023年までの買付となっており、2023年までしか口座開設ができませんでした。ですが、「新NISA」では制度が恒久化となり、いつでも期限を気にすることなく口座開設する事が可能となりました。
③つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
「新NISA」では制度が1本化され、制度の中につみたてNISAと同様の「つみたて投資枠」、一般NISAと同様の「成長投資枠」の2つの枠が用意されています。
現行制度では一般NISAとつみたてNISAの併用はできませんでしたが、「新NISA」では枠の併用が可能となっています。
④年間投資枠の拡大
現行制度ではつみたてNISAが年40万円、一般NISAが年120万円までの年間投資上限額がありました。
これが「新NISA」では「つみたて投資枠」で年120万円、「成長投資枠」で年240万円、合計で年間360万円まで投資が可能になります。
⑤非課税保有限度額は、全体で1,800万円。
「新NISA」では、新しく「非課税保有限度額(生涯投資枠)」という生涯で投資できる上限額が設けられます。「非課税保有限度額」の上限は1,800万円で、そのうち「成長投資枠」は1,200万円の上限があります。
ただし、「非課税保有限度額」は保有商品の売却の翌年に復活する為、売却の翌年以降に新たな投資を始めることができます。
(2)現行制度での保有分(購入分)はどうなるの?
新制度が始まると、現行制度で保有している商品はどうなるのか気になりますね。
2024年からは、一般NISA・つみたてNISAともに新規で商品の購入はできなくなります。ですが、保有分については現行制度の一般NISAが5年、つみたてNISAが20年の非課税期間は変わらず、運用が可能です。
①一般NISAの場合
非課税投資期間は5年間なので、2023年中に投資した分は2027年まで利益が非課税になります。一般NISAでは「ロールオーバー」という資産を翌年の非課税投資枠に移す仕組みがありましたが、新NISAでは廃止となった為、新NISAへのロールオーバーはできません。
2027年までに売却しなければ。2028年に課税口座に移管され、その後に発生する運用益は課税対象になります。
②つみたてNISAの場合
つみたてNISA保有している資産は、2024年以降の新NISAの生涯投資枠(1,800万円)とは別枠で、現行の非課税期間で運用を継続できます。
その為、2023年につみたてNISAで投資した40万円は、2042年まで新NISAの生涯投資枠1,800万円とは別に保有でき、2042年まで運用を続けても利益には税金がかからないという事です。
ただし、現行制度であるつみたてNISAの資産は、20年経過後に非課税期間が終了します。資産を売却しない場合は2043年になると課税口座に移されることとなります。
4.始めるのはいつからが良いのか?
さて、2024年から新制度が始まるNISAですが、いつから始めるのが良いのでしょうか。
タイミングは皆さんご自身で判断して頂きたいのが前提ですが、1つ言えるのは、現行制度の内に始めても問題ないという事です。
気軽に始められるNISAではありますが、
投資は必ず儲かるわけではありません。また、生活資金を切り詰めて行うものでもないと思います。
始める際にはご自身でも制度をお調べになって理解した上で始めましょう。