つきなみな備忘録

個人的な備忘録です

『天地明察』を読んだ

2011-05-29 16:20:20 | 
お城の碁打ち衆である渋川晴海は、定石を繰り返すような囲碁の決まり切った世界にあきたらず、算術の世界にはまり込む。

そんな晴海に、会津藩主、保科雅之が目をとめ、天測のメンバーに加える

晴海はそこでの働きを認められ、暦の創設を命じられる。しかし、そこで起こる守旧派の妨害。


普段、暦なんて重要なものだと認識していなかったが、政治・経済・宗教の要となる大きな存在だということを知って興味深かった。

しかも、歴史の教科書でしか名前を知らないような有名人(関孝和、保科雅之、水戸光圀など)が晴海を通して大きく係わっていたということも。

ちょっと漫画的な描かれ方もあるが、渋川晴海の人物像が爽やかで、魅力的だ。


冲方 丁(うぶかた とう)『天地明察』(角川書店 H21.11)

『ちょちょら』を読んだ

2011-05-29 16:07:13 | 
新米の江戸留守居役、間野新之介。彼は兄が自死したために江戸留守居役となった。仕事に慣れてもいなく、人がよいので、周りの留守居役達にも手荒くかわいがられる。

そんな時、幕府は印旛沼の干拓を命じようとする。それをたまたまいち早く知った新之介はその計画を阻止しようとする。

おさなじみの千穂や、妹の作るお菓子にも助けられ、新之介は粘り強く取り組み、ついに幕府の顔も立てつつ、丸く収める。

頼りなげな主人公が、人の良さと潜在能力と運と周りの人々の助けを得ながら、難事を達成するところが魅力です。

畠中 恵『ちょちょら』(新潮社 2011.3)

『百年の孤独』を読んだ

2011-05-12 06:34:49 | 
 ラテンアメリカのコロンビアのあたりに設定したと思われる、マコンドという村の、百年にわたる生々流転。特に、ホセアルカディオを始祖とするブエンディア家の一族の繁栄と没落を描いた作品。7代にまたがる壮大な一族の物語。

 登場人物達がみな、性、愛、恋、政治、文明、といったそれぞれの面で、葛藤しながら「人並み外れ」ているというか、「過剰」な生き方をしています。


ガブリエル・ガルシア=マルケス著 鼓直訳『百年の孤独』(新潮社 2006.12)
1967年初出。日本語訳は1972年、新潮社より。