諸角さんのレポートは、今回で終了です。詳細なレポートありがとうございました。
私が見た素晴らしいこと(4):今井信子さんは凄い!
「今井信子さんは凄い!」などと何を今さらという読者の反応を重々承知の上で敢えて、「小樽ヴィオラマスタークラス2017を振り返って~私が見た素晴らしいこと」の最後に「今井信子さんは凄い!」で締めくくりたいと思います。
1月9日小樽市民センター・マリンホールで開催されたニューイヤーコンサートで、今井信子さんはブラームス:チェロソナタ 第1番 (Lionel Tertis編曲)を演奏されました。今井信子さんから、この演奏を録画したビデオも見たいと言われました。多忙な今井さんは、ホテルのレストランのルームサービスでイタリア風サンドイッチを注文されました。私はパソコンを彼女のお部屋に持って行き、彼女の部屋でランチをご一緒させていただきながら彼女の演奏をお見せしました。今井信子さんは、自分の音と草さんのピアノの音の大きさを比較されて、ビデオで確認すると演奏中自分が聴いている自分の音の大きさと草さんのピアノの音の大きさが違う等チェックされていました。
その際にご本人から伺ったのですが、ボストンで名誉博士号をいただいて、マスタークラスのレッスンで受講生の一人が今まで自分が演奏したことのないブラームスのチェロソナタを演奏した話をされました。それで小樽ヴィオラマスタークラスのニューイヤーコンサートで、そのブラームスのチェロソナタをご自分の演奏曲目に選ばれたようです。 アマティー事務所で今井信子さんのマネジャーをなさっている荒木晴子さんに確認したところ、今井信子さんは,2015年の11月にボストンのニューイングランド音楽院で名誉博士号を授与され、名誉博士号の授与式の後にマスタークラスがあり、そこで受講生の一人がブラームスのチェロ・ソナタ第1番のヴィオラ版(Roger Tapping編曲)を演奏したそうです。
数年前今井信子さんから、新しい作品を演奏する時に若い時の5倍のおさらいをしないとだめだと聞いたことがあります。レッスンの受講生が演奏した作品で、今まで自分が弾いたことのない作品に敢えてチャレンジされる今井信子さんは、本当に「「ノー・リスク、ノー・グローリー」という信念を持っているのですね。やはり、「今井信子は凄い!」
今井信子さんは、小樽ヴィオラマスタークラスの後、オランダ・アムステルダムとイギリス・バーミンガムでブラームスのチェロ・ソナタ第1番を演奏される予定だとおっしゃっていました。
(完)