新年度が始まり,ゼミも新しい顔ぶれとなりました。
今年度は3年生4名,4年生4名の大所帯となりました。
(私は大学が私立だったので,ゼミは1学年14人くらいでしたが,国立は少ないのです…)
静大教育学部,教育心理学専修では3年次に「教育心理学実践研究」という授業が組まれています。
この授業は学校や施設など,子どもの教育に関係する現場で1年を通して実習し,その中で自分が決めたテーマについて心理学的な実践を行い,研究として発表するというものです。
「ミニ卒論」と言われるほど,学生にとっては面白いし,やりがいを感じるだろうけれど,ハードルの高い授業かもしれません。
井出ゼミでは毎年,児童養護施設や適応指導教室など,学校以外の現場で子どもたちに関わる実習をしてきました。
今年度は学生の数も多いですし,ずっと以前から実習させてもらえるといいなと思っていた,「子どもの貧困」の問題に取り組む「一般社団法人 てのひら」を学生と一緒に尋ねてきました。
代表の川口さんから子どもの貧困の現状や「てのひら」の活動についてのお話を伺いました。
「てのひら」は生活保護家庭やひとり親家庭の子どもとその家族を対象に,生活の支援と学びの機会を提供する活動をされています。
平成25年に子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行されました。
この法律は「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう,貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに,教育の機会均等を図るため,子どもの貧困対策に関し,基本理念を定め,国等の責務を明らかにし,及び子どもの貧困対策の基本となる事項を定めることにより,子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とする」とされています。具体的には教育の支援,生活の支援,就労の支援,経済的支援等の施策を推進することが求められています。
そもそも日本で「貧困」と言われてもピンとこない人も多いかもしれません。
貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。絶対的貧困とは,アフリカなどで栄養失調になっていたり,ワクチンの接種ができないでいたりする子どもたちの状況を指し,誰がどう見ても貧困の状態にあるよね,という状態を指します。世界銀行では1日の所得が1.25ドル以下を基準としています。対して,「相対的貧困」とは,その社会における「当たり前」とされる生活が保てない状況のことを指します。大雑把に言うと,所得の中央値の50%以下で暮らしている状況を指します。従来,日本では「格差」とも表現されてきましたが,OECDの調査では日本の相対的貧困の割合は約16%であり,日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあると言われています。
こうした貧困は虐待や精神的健康,身体的健康,社会的孤立,搾取など様々な問題と隣り合わせにあるものであり,単に生活が貧しいというだけではなく,自尊感情が低いこと,進学や就職の限定,性産業への従事の強要,貧困の世代間連鎖などとも密接に関係します。
教員養成課程ではなかなか福祉領域との接点について学ぶ機会がありません。
学生たちにとっては目から鱗が落ちる話がたくさんあったと思います。
1年間の実習を経て,社会的に弱い立場にある児童生徒,様々な困難に直面する児童生徒と向き合う力をつけてほしいなと思います。
今年度は3年生4名,4年生4名の大所帯となりました。
(私は大学が私立だったので,ゼミは1学年14人くらいでしたが,国立は少ないのです…)
静大教育学部,教育心理学専修では3年次に「教育心理学実践研究」という授業が組まれています。
この授業は学校や施設など,子どもの教育に関係する現場で1年を通して実習し,その中で自分が決めたテーマについて心理学的な実践を行い,研究として発表するというものです。
「ミニ卒論」と言われるほど,学生にとっては面白いし,やりがいを感じるだろうけれど,ハードルの高い授業かもしれません。
井出ゼミでは毎年,児童養護施設や適応指導教室など,学校以外の現場で子どもたちに関わる実習をしてきました。
今年度は学生の数も多いですし,ずっと以前から実習させてもらえるといいなと思っていた,「子どもの貧困」の問題に取り組む「一般社団法人 てのひら」を学生と一緒に尋ねてきました。
代表の川口さんから子どもの貧困の現状や「てのひら」の活動についてのお話を伺いました。
「てのひら」は生活保護家庭やひとり親家庭の子どもとその家族を対象に,生活の支援と学びの機会を提供する活動をされています。
平成25年に子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行されました。
この法律は「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう,貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに,教育の機会均等を図るため,子どもの貧困対策に関し,基本理念を定め,国等の責務を明らかにし,及び子どもの貧困対策の基本となる事項を定めることにより,子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とする」とされています。具体的には教育の支援,生活の支援,就労の支援,経済的支援等の施策を推進することが求められています。
そもそも日本で「貧困」と言われてもピンとこない人も多いかもしれません。
貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。絶対的貧困とは,アフリカなどで栄養失調になっていたり,ワクチンの接種ができないでいたりする子どもたちの状況を指し,誰がどう見ても貧困の状態にあるよね,という状態を指します。世界銀行では1日の所得が1.25ドル以下を基準としています。対して,「相対的貧困」とは,その社会における「当たり前」とされる生活が保てない状況のことを指します。大雑把に言うと,所得の中央値の50%以下で暮らしている状況を指します。従来,日本では「格差」とも表現されてきましたが,OECDの調査では日本の相対的貧困の割合は約16%であり,日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあると言われています。
こうした貧困は虐待や精神的健康,身体的健康,社会的孤立,搾取など様々な問題と隣り合わせにあるものであり,単に生活が貧しいというだけではなく,自尊感情が低いこと,進学や就職の限定,性産業への従事の強要,貧困の世代間連鎖などとも密接に関係します。
教員養成課程ではなかなか福祉領域との接点について学ぶ機会がありません。
学生たちにとっては目から鱗が落ちる話がたくさんあったと思います。
1年間の実習を経て,社会的に弱い立場にある児童生徒,様々な困難に直面する児童生徒と向き合う力をつけてほしいなと思います。