猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

情報後進国日本―警察、NTT、生保などでもWinnyで情報流出

2006-03-08 22:20:32 | 情報化社会
 情報交換ソフトWinnyを通じた情報流出問題。日本全国に拡散して、我が国が少なくとも情報管理面では「後進国」であることが露呈した感がある。IT最先進国である米国では10年も前から、情報インフラと防護を車の両輪として果敢に開発を進めてきた。官民の連携も密であった。日本は対照的にインフラ偏重で、そのツケがあらわになったということであろう。日本でようやく去年始まったハッキングの模擬実験も米国では10年も前に実施されたものである。我が国は「電子政府」の構築も視野に入れているようだが、現時点では、そんなことは夢のまた夢であるとしかいいようがない。私は、基本的に国民総背番号制を核とするIT化された効率のよい政府というものに大賛成なのだが、今のような状態では脆弱すぎてお話にならない。
 ずらずらと並べた記事の中でとりわけ呆れたのが、セキュリティ担当者の手から情報流出した岡山県警の例とか、危険承知でウィニー使用を続けたとされる愛媛県警の例である。前者などはブラックユーモアそのものである。


(参考エントリー)
『情報流出、陸海空自衛隊全てに拡大』

(参考記事1)
[危険承知でウィニー使用か 再インストール繰り返す]
 愛媛県警捜査1課の警部(42)の私物パソコンから捜査資料が大量に流出した問題で、警部が少なくとも2003年夏から05年夏ごろにかけ、数回にわたりファイル交換ソフト「ウィニー」のインストールや削除を繰り返していたことが8日、県警監察官室の調べで分かった。
 警部は、県警が公用での使用を認めた私物のパソコンからファイル交換ソフトを削除するよう指導した04年3月以降も、ウィニーを再インストールして使っていた疑いがあるといい、監察官室はウイルス感染の危険性を知りながらウィニーを使い続けていた可能性が高いとみて調べている。
 監察官室によると、警部は「03年夏にウィニーを私物パソコンにインストールした」と説明。パソコンを調べた結果、ウイルス感染が確認された05年夏以前にも複数回、感染した痕跡があった。
(共同通信) - 3月8日21時26分更新

(参考記事2)
<ウィニー>顧客情報と73社の企業情報流出 NTT東西
 NTT東日本、西日本両社は8日、全国の顧客164人の個人情報と73社の企業情報がインターネット上に流出したと発表した。ファイル交換ソフト「ウィニー」を使用していたNTT西日本社員が自宅に持ち帰ったパソコンを通じて流出した。
 情報は氏名(社名)、住所、電話番号、メールアドレスなどを含む。今月1日に一般の顧客からの指摘を受け、社内調査をした結果、判明した。
 流出したのはNTT分割前で1社体制だった98年にADSL(非対称デジタル加入者線)事業関連と、分割後の04年のNTT西日本管内の販売促進事業関連でそれぞれ使われた顧客データ。
 このほか、ウィニーを通じてNTTグループ社員約2000人分の氏名、所属組織、役職、社内で使うメールアドレスと電話番号も流出しており、詳細を確認している。
(毎日新聞) - 3月8日12時11分更新

(参考記事3)
[ウイルス感染は昨年夏 捜査資料流出のPC]
 愛媛県警捜査1課の警部(42)の私物パソコンから個人情報を含む捜査資料がネット上に流出した問題で、県警監察官室は8日、パソコンのハードディスクなどの解析の結果、ウイルスに感染したのは昨年夏ごろだったと断定した。
 警部はウイルス感染の認識がないまま使用を続けており、県警はパソコンに保存されていたデータがこの間に流出した可能性があるとみて、特定作業を続けている。
 監察官室のこれまでの調査では、特定されている流出データが警部のパソコンで作成されたのは1997-2005年4月ごろ。警部がファイル交換ソフト「ウィニー」をインストールしたのは03年5月ごろといい、ウイルスへの感染はそれから2年以上後だったことになる。
(共同通信) - 3月8日12時57分更新

(参考記事4)
<岡山県警情報流出>巡査長はセキュリティー担当者
 岡山県警倉敷署の巡査長が所有する私用パソコンから約1500人分の個人情報を含む捜査資料がインターネット上に流出した問題で、巡査長が署内でパソコンの情報管理などを担当するセキュリティー指導員だったことが8日、分かった。県警監察課は、巡査長がファイル交換ソフト「ウィニー」の情報流出の危険性を熟知しながら、通達に違反して再三使用していたことを重視、巡査長から連日、事情聴取をしている。
 同課の調べでは、巡査長は02年ごろから「ウィニー」を私用パソコンにインストールして使用していた。県警では昨年6月以降、再三にわたりファイル交換ソフトのインストールや使用を禁ずる通達を出し、巡査長も一時使用をやめていたが、今年1月から再開していた。この結果、2月末ごろ、暴露ウイルスに感染し、犯罪被害者の実名や国会議員の後援会名簿など大量の捜査資料がネット上に流出した。
 巡査長は同課の調べに対し「県民の皆様に多大な不安、ご迷惑をかけ、大変申し訳ない」と反省しているという。【傳田賢史】
(毎日新聞) - 3月8日11時10分更新

(参考記事5)
[情報流出で警察庁、ウィニー使用禁止などの緊急対策]
 ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のウイルスが原因で、岡山、愛媛両県警の捜査員のパソコンから捜査資料などが流出した問題を受け、警察庁は7日、全国の警察本部に対し、公用だけでなく、自宅で使う私物パソコンについても、ウィニーの使用の有無などを点検するよう緊急対策を指示した。
 私物のパソコンであってもウィニーの使用を禁じ、警察情報やウィニーが入っている場合は、すぐに削除するよう指示。点検結果を今月末までに報告するよう求めた。
(読売新聞) - 3月7日23時39分更新


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2 コメント

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情けない (PJ)
2006-03-09 13:33:15
佐藤さんのブログを読んで自衛隊も大変なんだなと思い、コリアン・ザ・サードを読んでは対策は結構簡単なのかもしれないと思い・・・。それにしても日本はお粗末です。

表立って言わないだけで、大事なものはそれなりに対策してるんだろうと思ってました。最近、戦後日本の情けなさに涙が出ます。

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PJさまへ (猫研究員。(高峰康修))
2006-03-09 19:06:42
「危機意識の欠如」とか「たるんでいる」といった抽象的な表現は、精神論の領域に留めてしまって具体策を考える妨げとなりかねないとの思いから、できるだけ使わないでおきたいと思ったのですが、そうとしか言いようがありません。自衛隊と警察の件は特に唖然です。今後制度や仕組みをきちんと作っても使う人間の心がけが伴っていなければ、効果は十全には発揮できないでしょうね…。精神論の問題となると、長期戦ということになります。
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