今回の記事は『荒野の用心棒』(1964年、監督:セルジオ・レオーネ)です。
若き日のクリント・イーストウッドを一躍スターダムへとのし上げた西部劇の傑作であり、以降に続くマカロニ・ウェスタンブームの火付け役となった作品。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
ニューメキシコ州のとある街に凄腕のガンマン・ジョー(C・イーストウッド)がやってくる。
そこはふたつの勢力が日夜無法を働く荒んだ所だった。
ジョーはロホ兄弟が率いる勢力に身を寄せ、ふたつの勢力を対立させることで始末しようと決心する。
だが、その企みがロホ兄弟に知られ、ジョーは重傷を負ってしまう。
なんとかロホ家を抜け出したジョーは、棺桶屋の主人の助けを得て、ふたたびロホ兄弟に立ち向かう。
46年ぶりの国内公開!マカロニウエスタンの原点、ついに日本凱旋。
■感想
この映画は黒澤明監督の傑作『用心棒』を西部劇に翻案した作品であり、まだ無名だったクリント・イーストウッドを一躍トップスターへと押し上げたマカロニ・ウェスタンの傑作として有名な作品です。
マカロニ・ウェスタン。言葉は聞いたことはあったけどその意味は正直なところ知らなかった。
wikipediaで調べてみると、1960年から1970年代にかけて作られたイタリア製西部劇を指す言葉ということです。
なおマカロニ・ウェスタンという言葉はそれらの映画が日本へ入ってきた時に作られた日本独自の呼称であり、本場イギリス・アメリカ・イタリアではスパゲッティ・ウェスタンと呼ばれる。
『荒野の用心棒』はそのマカロニ・ウェスタンの火付け役となった作品であり、この映画の大ヒットを受けマカロニ作品が量産されていくこととなる。
『荒野の用心棒』は、おそらく多くの人が想像する西部劇の王道のストーリー展開を地で行く映画だと思う。
流れ者のアンチヒーロー的な凄腕のガンマンが街に現れ、悪党達と対峙して街を救い、見返りを求めず去っていく。
まさにこれぞ西部劇だというイメージです。
オープニングの口笛のテーマにのって流れるシルエット・アニメーション。
かなり時代を感じる古臭さも正直感じてしまいますが、胸高鳴るかっこ良さもあります。
物語の流れは上述した通りの王道の西部劇でシンプル。
ただ対立するロホ兄弟とバクスター家の間を行き来するジョーを中心にストーリーは進むのですが、時々「あれ、こいつロホだっけ、バクスターだっけ」とどっちがどっちだか分からなくなってくる。
良くも悪くもこの2大勢力の個性というものがあまりない。
中盤の展開は少しマンネリ気味で眠くなってしまった。
とは言え、ラストの対決のシーンはひたすら圧巻です。
ラストのジョーがラモンの前に一人で現れてからはすっかり映画に釘付けにされてしまいます。
ピリッとした空気感といい、撃ち合いが始まるまでの絶妙ともいえる間、そしてジョーのセリフひとつひとつをとっても抜群にかっこ良くて本当に痺れてしまう。
ジョーの「心臓を狙え」というセリフ、煽っているようでいて実は巧みな作戦だったのですね。
これには笑みがこぼれてしまう。
映画で注目すべき点はやはり若き日のクリント・イーストウッド。
『ダーティハリー』よりさらに若いクリント・イーストウッドを見れる。
こんな男くさい役なのに、何だろうか、この爽やかなカッコ良さは。
演じている役はアウトローなのに荒んだ印象を感じさせないところも凄い。
硬派とも軟派とも違う男らしさにはスタイリッシュな魅力が溢れています。
若き日のクリント監督、本当にカッコ良かったんですねー。
↓貼り残しIMG
⇒img1(ジョー=クリント・イーストウッド)
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒荒野の用心棒 - goo 映画
+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧
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若き日のクリント・イーストウッドを一躍スターダムへとのし上げた西部劇の傑作であり、以降に続くマカロニ・ウェスタンブームの火付け役となった作品。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
ニューメキシコ州のとある街に凄腕のガンマン・ジョー(C・イーストウッド)がやってくる。
そこはふたつの勢力が日夜無法を働く荒んだ所だった。
ジョーはロホ兄弟が率いる勢力に身を寄せ、ふたつの勢力を対立させることで始末しようと決心する。
だが、その企みがロホ兄弟に知られ、ジョーは重傷を負ってしまう。
なんとかロホ家を抜け出したジョーは、棺桶屋の主人の助けを得て、ふたたびロホ兄弟に立ち向かう。
46年ぶりの国内公開!マカロニウエスタンの原点、ついに日本凱旋。
■感想
この映画は黒澤明監督の傑作『用心棒』を西部劇に翻案した作品であり、まだ無名だったクリント・イーストウッドを一躍トップスターへと押し上げたマカロニ・ウェスタンの傑作として有名な作品です。
マカロニ・ウェスタン。言葉は聞いたことはあったけどその意味は正直なところ知らなかった。
wikipediaで調べてみると、1960年から1970年代にかけて作られたイタリア製西部劇を指す言葉ということです。
なおマカロニ・ウェスタンという言葉はそれらの映画が日本へ入ってきた時に作られた日本独自の呼称であり、本場イギリス・アメリカ・イタリアではスパゲッティ・ウェスタンと呼ばれる。
『荒野の用心棒』はそのマカロニ・ウェスタンの火付け役となった作品であり、この映画の大ヒットを受けマカロニ作品が量産されていくこととなる。
『荒野の用心棒』は、おそらく多くの人が想像する西部劇の王道のストーリー展開を地で行く映画だと思う。
流れ者のアンチヒーロー的な凄腕のガンマンが街に現れ、悪党達と対峙して街を救い、見返りを求めず去っていく。
まさにこれぞ西部劇だというイメージです。
オープニングの口笛のテーマにのって流れるシルエット・アニメーション。
かなり時代を感じる古臭さも正直感じてしまいますが、胸高鳴るかっこ良さもあります。
物語の流れは上述した通りの王道の西部劇でシンプル。
ただ対立するロホ兄弟とバクスター家の間を行き来するジョーを中心にストーリーは進むのですが、時々「あれ、こいつロホだっけ、バクスターだっけ」とどっちがどっちだか分からなくなってくる。
良くも悪くもこの2大勢力の個性というものがあまりない。
中盤の展開は少しマンネリ気味で眠くなってしまった。
とは言え、ラストの対決のシーンはひたすら圧巻です。
ラストのジョーがラモンの前に一人で現れてからはすっかり映画に釘付けにされてしまいます。
ピリッとした空気感といい、撃ち合いが始まるまでの絶妙ともいえる間、そしてジョーのセリフひとつひとつをとっても抜群にかっこ良くて本当に痺れてしまう。
ジョーの「心臓を狙え」というセリフ、煽っているようでいて実は巧みな作戦だったのですね。
これには笑みがこぼれてしまう。
映画で注目すべき点はやはり若き日のクリント・イーストウッド。
『ダーティハリー』よりさらに若いクリント・イーストウッドを見れる。
こんな男くさい役なのに、何だろうか、この爽やかなカッコ良さは。
演じている役はアウトローなのに荒んだ印象を感じさせないところも凄い。
硬派とも軟派とも違う男らしさにはスタイリッシュな魅力が溢れています。
若き日のクリント監督、本当にカッコ良かったんですねー。
↓貼り残しIMG
⇒img1(ジョー=クリント・イーストウッド)
映画データ | |
---|---|
題名 | 荒野の用心棒 |
製作年/製作国 | 1964年/イタリア |
ジャンル | 西部劇/アクション |
監督 | セルジオ・レオーネ |
出演者 | クリント・イーストウッド ジャン・マリア・ヴォロンテ マリアンネ・コッホ ヨゼフ・エッガー マルガリータ・ロサーノ、他 |
メモ・特記 | 第2回午前十時の映画祭上映作品 原案:黒澤明『用心棒』 |
おすすめ度 | ★★★☆ |
■Link
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わたしも敵の見分けがつかなくなって混乱した覚えがあります。
ついこの間、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを観直したんですけど、この作品へのオマージュ(簡易防弾具のアイデアで助かる)があって、なんだか嬉しかったです。マカロニ好きにはすぐわかるシーンなんでしょうね~。
僕は黒澤明監督の用心棒は観たことないんです。
加えてマカロニウエスタン版用心棒からそのオリジナル版の内容の想像がまったくつかないので何とも返せません。
いつか黒澤明監督の映画は観たいなとは思ってますがなかなか実行できなくて…。
やはり敵は似ているんですね。
同じような印象を持たれている方がいるとちょっと安心。
僕は途中眠くなってしまったので混乱したのにはそのせいもあったのかなぁと思っていたので。