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今回の記事は『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年、監督:マット・リーヴス)です。
製作は「LOST」や「エイリアス」を生み出したJ・J・エイブラムス。
謎が謎を呼んだ予告編は大変話題になった作品。
全編ハンディカムで撮影されたホームビデオ風という斬新な映像は、臨場感とリアリティーが増す効果を得ていました。
■内容紹介
私の名はロバート・ホーキンス。およそ7時間前、この街は“何か”に攻撃された
その一部始終を記録した
これを見つけたら…
あなたの方が僕より知っているはず…
真相の解明に役立てて欲しい
“クローバーフィールド事件”を記録したビデオ映像
かつて「セントラルパーク N.Y.」と呼ばれた場所で回収
ビデオには、ニューヨークに突如訪れた未曾有の大惨事に巻き込まれ、渦中に放り込まれたゆえに全体像を掴めず、理由も分からぬままただ逃げまどうことを余儀なくされた一般市民たちの映像が残されている。
その時、何が起きたのか?


■感想
※カッコ内空白はネタバレ反転です。注意!
『クローバーフィール~』は予告編を見た段階で何だか気になっていた映画です。
断片的な映像、意味深なロブの独白、吹っ飛んでくる自由の女神の頭…。
予告編を見ただけでは意味不明で内容の想像ができない。
けれど、謎が多いからなのか、かえって気になってしょうがなかったです。
(ちなみに上記の予告編の公開前にさらに意味不明なものが流れていたらしいですが、僕はそっちは知らないです)
最近の映画の予告編は凝ってるなぁとつくづく思います。
では、『クローバーフィールド~』の感想です。
クローバーフィールドは全編、ハンディカムで撮られたホームビデオ風の映像で進行していきます。
画面は揺れまくるし、撮影者が逃げているシーンでは足元しか映ってなかったり…。
しかも昔の映像に重ね撮りをしているらしく、何らかの理由で録画されてない箇所は昔の映像が唐突に流れます。
映像としてはかなりお粗末。
果たしてこれを映画といっていいもののかとも思った。
ただし、それは最初だけです。
この映画を観ているうちに段々と内容に引き込まれ、いつしか夢中になっていました。
この乱れた映像だったからこそよりリアルな臨場感を感じたんだと今では思っています。
ノンストップで撮られた絶叫マシンのような映画でした。
考えてみると、クローバーフィールドは途切れることのない長回し(シーンチェンジなどのカットが入らない)で撮られていたんですね。
(厳密には昔の映像に切り替わったりするシーンもあるので、ずっとというわけではありません)
『トゥモロー・ワールド』の10分弱の長回しよりもはるかに長い。
これで臨場感を感じないわけがなかったんですね。
たとえ意識していなくても、後になればなるほど、カットの全く無い映像に魅了されていくんじゃないかと思います。
一見、素人撮影風の映像の中に、実は巧みな工夫が施されていたんだなあ、と今はつくづく感心しています。
ストーリー面も良かったです。
パニックものの映画では、映像は凄いけど内容がない、ということがよくあるんですが、クローバーフィールドには内容はきちんとあったと思います。
ただ逃げ惑うだけの人を描くのではなく、人間のドラマがきちんと描かれていた。
主役のロブはもちろん、撮影者という役柄上、ほとんど映像に映らないハッドですらも、内面がしっかりと描かれていて、とても魅力を感じました。
ロブの誠実さにはベタ惚れものでした。
序盤でベスとケンカをして別れているのですが、彼女からのSOSを聞いてからは、危険をかえりみず彼女を助けに向かいます。
母親に(ジェイソンの死)を告げるシーンは涙ものでした。
(ベスに別れ際に酷いことを言ってしまったと悔やんでいるロブ。「私もジェイソンに酷いことを言った」と落ち込むリリーに、ロブは「君のには愛があったさ」と言ってあげ、ハッドがやられてしまった時には心底悲しんでいます。)
彼の行動やセリフの端々から、友達や恋人を気遣う優しさが感じられました。
ラストまで観ても、謎はたくさん残った。
破壊者の正体は一体なんだったのか?
その後のNYは?
でも、不思議とスッキリしないというものではなかった。
ラストシーンに重なるように切り替わる対比的な昔の映像。
これが切なさを募らせ、ラストはしんみりと悲しくなります。
映画データ | |
---|---|
題名 | クローバーフィールド/HAKAISHA |
製作年/製作国 | 2008年/アメリカ |
ジャンル | SF/サスペンス/パニック |
監督 | マット・リーヴス |
出演者 | マイケル・スタール=デヴィッド オデット・ユーストマン ジェシカ・ルーカス リジー・キャプラン T・J・ミラー マイク・ヴォーゲル ベン・フェルドマン ライザ・ラピラ クリス・マルケイ、他 |
メモ・特記 | 製作:J・J・エイブラムス PG-12指定 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese/English)
+⇒クローバーフィールド/HAKAISHA - goo 映画
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ラストを迎えても、謎は残りますが、確かにスッキリしないというものでは、なかったですね。
でも、続編も作られるとの話もあり、怪物の正体やNYのその後、今度は、どんな手法で撮られるのかなども気になるところではありますね。
ハリウッドも、続編を作るか作らないかは、興行収入次第ってことなのかもしれませんね。ハリウッド映画の制作費は尋常じゃないですものね
気になると言えば、『ジャンパー』の続編はどうなるんでしょうね?
TB&コメント、ありがとうございました。
興行収入次第ってのは厳しいですけども、やっぱりそれが現実なんでしょうね。
何はともあれ、一度見た映画の続編が決まったら観に行っちゃうだろうな、きっと。
『ジャンパー』は観た人の評判がイマイチなんですよね。続編はどうなるのかな? 気になる終わり方だったので、『ジャンパー2』がもし製作させるならぜひとも観たいです。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』ゆうべ、ドキドキしながら楽しんできました!辛口評価ブログ(ストーリーやCGの精度?に対して)が多かったので、自分に自信を失いかけたけど。
そんな中、ichi-kaさんの記事に救われました;;ボク個人的には、いい意味で「謎」を残したって感じの満足いく作品です。もともとCG多用・SFモノが好きですし。愛・友情シーンも切なく感じ取れました。やたら検索しましたが、やっぱり続編なり謎が明かされるなり、そんなウワサにまだまだ期待がいっぱいです!
映画館鑑賞は、ふた月に一度くらいの素人ですが、どの作品でも素直に楽しめる単純な脳を武器に、もっと足を運んでみますです!ichi-kaさんの過去記事も拝見しましたが、評価にとても共感できるのでまたコッソリ遊びにきます~。他 辛口ブログにビビってるだけかもしれませんが;
例え少数派でも自分と同じ意見を持っている人って探せばきっと何処かにいると思います。なので自分の感想に自信を持ってても平気ですよ。「俺はこうだぞ」ってぐらいに。
クローバーフィールドについては面白いと感じた人はけっこう多いんじゃないかなと思います。僕もクローバーフィールドは満足のいく作品でした。
ウチのブログは基本的には甘口でやってます。…と言いつつ、結構酷いこと書いてる記事もあるんですけどね。
またいつでも遊びに来てください。
あしあとから、何回かお邪魔させていただいています。
よろしくお願いします。
「クローバーフィールド」は私もかなりハマった作品で、
久しぶりにこの手の手法の映画を観た!という感じで嬉しかったです。
何年か前に公開された「ブレアウィッチ・プロジェクト」が、同様の手法を用いた作品でしたが、
それを観たときの衝撃が甦ってきましたよ。
ここのところあまり映画を観なくなってしまっているということもあるのですが
物凄く新鮮な感じでした。
勝手ながらTBさせていただきますね。
レス、大変遅れました。
クローバーフィールドは面白かったですよね。あのハンディカム風の映像が臨場感を盛り上げてました。
ブレアウィッチは見たことがないんですがいつか見てみたいです。