今回の記事は『震源』(真保裕一、講談社文庫)です。
地震観測から始まり、国家の陰謀へと繋がっていく『震源』は読み応えのある小説でした。
■内容紹介 ※裏表紙より
地震で津波が発生し、警報が遅れる事故が起こった。
地震火山研究官の江坂は、ミスをした森本を鹿児島に訪ねるが、彼はすでに退職し姿を消していた。
同じ頃、森本と同窓の大学教授も地震の観測データを持ったまま行方不明に。
そこには国家的陰謀が渦巻いていた!
■感想
初期の頃の真保裕一さんは一般ではあまり馴染みのない公務員を主人公にミステリーを書いてます。
一作目の『連鎖』は検疫所の職員、二作目『取引』では公正取引委員会の審査官、そして三作目に当たる今作では気象庁の地震研究官が主人公です。
ふだん馴染みのない世界なので大変興味深くて、加えて真保さんの物語の描き方の巧さから、長めの小説なのですが、最後までノンストップで読み進められる面白さがあります。
真保さんの小説を読むと毎回思うことなのですが、真保さんは大人の男性主人公を魅力的に書くのが上手い。
今作の主人公の江坂もとっても魅力的です。
思考はとても冷静なのですが行動は熱く、自分に厳しいその姿勢は心を打つ。
男の理想的な姿がそこには絶対にある。
ただかっこいいだけじゃない、ただ大人な行動ができるだけじゃない、そんな大人には憧れてしまう。
また今回はこの江坂サイドとは別に、もうひとつ、国家的陰謀なサイドのストーリーも同時進行で描かれています。
そちらのサイドの主人公(あえて名前はあげません)は江坂とはまた違った魅力を持っている。
冷酷で冷たい印象を受けるのですが、それはこの上ない程の責務がその肩に伸しかかっているため。そしてある想いのため。
自他共にとことん厳しい彼は、物語終盤までその胸の内が明かされることはない。
物語を最後まで読んだ時に彼の想いを知ることが出来ます。
江坂もかっこよかったけど、この男もまたかっこいい。
ハードボイルドな世界だ。
地震観測から始まり、国家の陰謀へと繋がっていく『震源』は読み応えのある小説でした。
どこか福井晴敏さんにも通じる国家的サスペンスな展開を感じます。
けど、真保裕一さんが描くとまたひと味違う雰囲気が出ます。
飽きるところなんてどこにも無いほどサスペンスフルで、終盤の展開も実に意外。
まさか彼が・・・だったなんてまったく思いもしなかった。
大どんでん返しとは違い、正統的な手法なのですが驚いたな。
とても秀作な長編サスペンス・ミステリーでした。
オススメです。
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地震観測から始まり、国家の陰謀へと繋がっていく『震源』は読み応えのある小説でした。
■内容紹介 ※裏表紙より
地震で津波が発生し、警報が遅れる事故が起こった。
地震火山研究官の江坂は、ミスをした森本を鹿児島に訪ねるが、彼はすでに退職し姿を消していた。
同じ頃、森本と同窓の大学教授も地震の観測データを持ったまま行方不明に。
そこには国家的陰謀が渦巻いていた!
■感想
初期の頃の真保裕一さんは一般ではあまり馴染みのない公務員を主人公にミステリーを書いてます。
一作目の『連鎖』は検疫所の職員、二作目『取引』では公正取引委員会の審査官、そして三作目に当たる今作では気象庁の地震研究官が主人公です。
ふだん馴染みのない世界なので大変興味深くて、加えて真保さんの物語の描き方の巧さから、長めの小説なのですが、最後までノンストップで読み進められる面白さがあります。
真保さんの小説を読むと毎回思うことなのですが、真保さんは大人の男性主人公を魅力的に書くのが上手い。
今作の主人公の江坂もとっても魅力的です。
思考はとても冷静なのですが行動は熱く、自分に厳しいその姿勢は心を打つ。
男の理想的な姿がそこには絶対にある。
ただかっこいいだけじゃない、ただ大人な行動ができるだけじゃない、そんな大人には憧れてしまう。
また今回はこの江坂サイドとは別に、もうひとつ、国家的陰謀なサイドのストーリーも同時進行で描かれています。
そちらのサイドの主人公(あえて名前はあげません)は江坂とはまた違った魅力を持っている。
冷酷で冷たい印象を受けるのですが、それはこの上ない程の責務がその肩に伸しかかっているため。そしてある想いのため。
自他共にとことん厳しい彼は、物語終盤までその胸の内が明かされることはない。
物語を最後まで読んだ時に彼の想いを知ることが出来ます。
江坂もかっこよかったけど、この男もまたかっこいい。
ハードボイルドな世界だ。
地震観測から始まり、国家の陰謀へと繋がっていく『震源』は読み応えのある小説でした。
どこか福井晴敏さんにも通じる国家的サスペンスな展開を感じます。
けど、真保裕一さんが描くとまたひと味違う雰囲気が出ます。
飽きるところなんてどこにも無いほどサスペンスフルで、終盤の展開も実に意外。
まさか彼が・・・だったなんてまったく思いもしなかった。
大どんでん返しとは違い、正統的な手法なのですが驚いたな。
とても秀作な長編サスペンス・ミステリーでした。
オススメです。
書名 | :震源 |
著者 | :真保裕一 |
ジャンル | :小説(ハードボイルド/サスペンス/ミステリ/国家的陰謀) |
メモ | :特になし |
おすすめ度 | :★★★★ |
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職業の人
しかもあまり仕事内容も
解らない人って
興味ありますね
それが小説になっていれば
なおさらです
さらに
ハードボイドなんですよね~
面白そう
自分が知らない世界の話は興味深いですよ。
加えて真保さんのハードボイルドものは熱いんです! 面白いのでオススメです。