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二重奏(小説)

2008-02-04 01:58:06 | 読書
今回の記事は『二重奏(デュオ)』(赤川次郎著、講談社文庫)です。
赤川次郎作品はこれが初読みです。こんな大御所を今まで読んでなかったなんて書評系ブログ(一応)としては、失格に近いかもしれない。


■内容紹介
18歳の香子は、「人の死を予知してしまう」不思議な能力の持ち主。
両親の死後、その能力を封じ込めようと入院させられていたが、ある雨の夜に自力で病院から脱出した。
その時から「新しい運命の扉」が開いた!
幽霊と知り合い、不幸な予感が次々と現実となっていく中で、香子の傷ついた空っぽの心にも変化が生まれ……。
(文庫版裏表紙より)


■感想
赤川次郎さんというと、ミステリ作家として知らない人はいないだろうというぐらい有名な作家さんです。
著作の『三姉妹探偵団』はドラマ化されて現在(2008.2)放送中です。(ドラマでは4姉妹探偵団になっていてオリジナル要素が強そうですね。…ちなみに僕はこのドラマは見てませんので詳しいことは知りません。だって同時間帯にやっているネコナデの方が心惹かれたもので)

この『二重奏』は僕が初めて読む赤川次郎作品です。

とまぁ、前置きはこの辺までにして、メインの感想に入ります。

この小説を読んでいて思ったことは、先の展開が全く予想がつかないということでした。
読んでいて物語がどこへ向かうのか全く予想をさせなかった。
僕の場合、先の展開をあれこれ想像しながら本を読み進める事が多いんですが、この二重奏にはそれがなかった。

今まで読んだ事がなかった種の小説だったのかもしれない。
これが王道ミステリというやつなのだろうか。

物語の方はふつうに面白かったです。
女性が活躍する(というよりは物語のストーリーを構成する登場人物はほぼ女性)物語で、特に香子・栄江さん・君枝さんの3人の女性は印象が強く残ります。
この3人は、序盤と終盤で受けるイメージがガラッと変わります。
そんな物語の展開を楽しむのも、この小説の読み所なのかもしれません。

中でも、主人公・香子の成長物語は読ませる内容でした。
前半と後半を比べると、この娘、びっくりするほど強くなります。
あんなことされたら、絶対に栄江さんは許せないと思うんだけどな。
それを許してしまえるんだから、かなりの器の大きさの女性に成長しています。
何より、とても行動力溢れる娘に成長してくれているのが嬉しいですね。

物語の登場人物で一番好きになれたのは、君枝さんです。
冷静沈着で、精神的にもとても強い、素敵なメイドさんです。(メイドとは呼ばないのかも)
キリッとした姿が目に浮かびそうです。


『二重奏(デュオ)』/ 赤川次郎 / 講談社文庫
ジャンル:小説(ミステリ)
メモ:特になし
おすすめ度★★★

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