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パピヨン(映画)

2010-08-02 01:30:00 | 映画
今回の記事は『パピヨン』(1973年、監督:フランクリン・J・シャフナー)です。
スティーヴ・マックィーン、ダスティン・ホフマン主演で贈る超重厚なるヒューマン・ドラマ。
これほどまでに鮮烈に生への執着を描いた映画はそうはなく、ただただ圧倒されるばかり。
午前十時の映画祭上映作品。

■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
胸に蝶の刺青があることから「パピヨン」(S.マックィーン)と呼ばれる男がいた。
彼は無実の罪で殺人犯の汚名を着せられ、仏領ギアナの監獄での終身刑を宣告される。
ギアナへ向かう船のなかで彼は、ルイ・ドガ(D.ホフマン)と呼ばれる書類偽造屋と出会う。
そして、地獄のような強制労働の日々。
いつしかパピヨンとドガとの間には奇妙な絆ができていた。

燃え尽きることのない人の自由への闘志と生への執着

パピヨン

パピヨン


■感想
この映画はすごい!
観終わった後の第一声はもうこれしかない。
衝撃度という点について言えば、午前十時の映画祭上映作品の中でも随一なのではないだろうか。
(『パピヨン』鑑賞時点で午前十時の映画祭上映リストの半分にも達していないのでまだ断言はできませんが)
これほどまでに人の自由への闘志、生への執着を描いた映画を今までに観たことがない。

映画『パピヨン』では、パピヨン(主人公のあだ名です)とドガが地獄のような島へと投獄されてからの13年間という歳月のドラマが描かれます。
確実に時の流れを感じる映画です。
最初はまだ若々しかった彼らもラストシーンでは白髪頭になっています。
それだけに最後には確実に何とも言えない大作感を感じる大変見ごたえのある映画として完成されています。

内容の方は非常に重苦しい内容が描かれています。
二人が投獄される島はまさに地獄のような場所で、過酷な重労働が囚人には科せられる。
その過酷さに命を落とす囚人達は後を絶たない。
脱獄を企てた囚人は独房へと送られる。
独房へ閉じ込められる期間は1か月とか2か月じゃない。
5年とか8年です。
それだけの期間、何もない真っ暗な独房へと閉じ込められ、食事もわずかしか与えられない。
多くの囚人はこの独房で精神も体力も削られ、やつれ果てて死んでいく。

スティーヴ・マックィーン演じるパピヨンはこの独房へ2回送られてしまいます。
独房のシーンの過酷さは凄まじく圧倒されてしまう。
極限状態の人間を見事に演じきったマックイーンの演技力には脱帽してしまいます。
パピヨンが1回目に独房から出てきた時に、ドガ(ダスティン・ホフマン)に迎え入れられるシーンは胸が熱くなってしまいたまらなかった。
2回目にパピヨンが独房から出てくる時も、一緒に独房へと送られた仲間の一人が、かすれかすれに「パピ…」という言葉を最後に残すシーンで、やり切れない気持ちで一杯になってしまいもうダメだった。
これほどまでに人の感情深くを激しく揺さぶってくる映画はそうはない。
感動とかそういうものをも超越した極限のシーンとも言える凄まじいシーンだと思う。

13年もの長い期間、自由への闘志を決して失うことなく燃やし続けた主人公には圧倒されてしまいます。
人はこれほどまでに逞しい執念を持てるものなのだと熱いものを感じずにはいられない。
人が持つ強さの一面には、決して折れない意志の強さというものが絶対にあるのだと強く思った。
生ぬるい日々の中で、何か障害があるとすぐに諦めたり妥協してしまう自分なんかは、こういう力強い生き方は見習わないといけない。

『パピヨン』は名画だと間違いなく言えるでしょう。
2回目の脱獄での楽園のシーンとか疑問点の残る箇所もあるにはあるのですが、
(あれは幻だったの? でもそうではないような描かれ方になってるし…)
一生のうちに一度は観ておいた方が良い名画だと自信を持って押せます。
(ただし重い映画です。それだけは覚悟しておいた方が良いです)

映画データ 
題名 パピヨン 
製作年/製作国 1973年/フランス 
ジャンル ドラマ 
監督 フランクリン・J・シャフナー 
出演者 スティーヴ・マックィーン
ダスティン・ホフマン
ヴィクター・ジョリイ
アンソニー・ザーブ
ドン・ゴードン
ロバート・デマン
ウッドロウ・パーフレイ
ラトナ・アッサン
ウィリアム・スミサーズ
バーバラ・モリソン
ビル・マミー
ヴァル・アヴェリー
グレゴリー・シエラ
ヴィク・タイバック、他 
メモ・特記 午前十時の映画祭上映作品
原作:『パピヨン』(アンリ・シャリエール、河出書房新社) 
おすすめ度★★★★☆
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒パピヨン(1973) - goo 映画

+⇒午前十時の映画祭レビュー索引



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