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指 / 栗本薫

2005-10-17 20:46:02 | 読書
栗本薫さんの『指』です。
まずは簡単に内容紹介を。

小学校5年の夏、河津祐市は学校の行事で林間学校へ行くことになる。
出発の日の朝、不機嫌な母親に見送られ家を出る。
祐市は自分の家が嫌いだった。
だから、祐市はこの林間学校を楽しみにしていた。
しかしこの林間学校は祐市を恐怖の世界へと引きずりこんでいく…。
始まりは祐市が泊まる部屋のベッドで見つけた「指」だった。

物語は主人公・祐市の視点で描かれています。
祐市は劣等感のかたまりのような少年です。
前半は読んでいて気がめいってくるような感じでした。
「なんてかわいそうな子なんだ」
と本気で思えます。
次々起こる奇怪な出来事にひとりで悩みまくる
祐市の心理がとてもリアルに描かれていて
だんだんと気分は落ち込み、悲しくなってくる。
ここまで主人公の辛さを実感できる本も珍しいように思います。
後半、追い詰められた祐市がある行動をとるんですが
その辺りから「この後どうなるんだ!」
という気持ちが強まり、止まらなくなり最後までいっきに読みました。
後半はけっこうすごい内容。

ただし、この『指』は
全ての人におススメというわけではありません。
追い詰められていく悲しい少年の心理が痛いほど伝わってくる悲しい話です。
読んでて落ち込むし、話の内容的に感動するってわけでもないんです。
もし読むのなら、その辺は覚悟しておいてほしい。


『指』 / 栗本薫 / 角川ホラー文庫
ジャンル:小説(ホラー/学校/怪奇)
おすすめ度:★★★
は最大で5つです)


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