今回の記事は『ブラッド・ダイヤモンド』(2006年、監督:エドワード・ズウィック)です。
最初から最後まで映画にすっかり引き込まされました。社会派映画なのにこれはすごいことです。
■内容紹介
ダイヤの価値を決める“4つのC”──
color(色) cut(カット) clarity(透明度) carat(カラット)
しかし、実は5つめのC<conflict>(争い)が存在することを、あなたは知る──
激しい内戦が続く90年代のアフリカ、シエラレオネ。
反政府集団・RUFは残虐行為の限りを尽くし、人々は悲しみにくれていた。
村々は襲われ、住民たちは虐殺された。
誘拐された少年達は、麻薬漬けにされた上に戦闘マシーンとして前線で戦わされた。
RUFは採掘したダイヤモンドを元に豊富な資金と武器を確保していた。
ダイヤモンドは紛争を激化させ、たくさんの人の命を失わせる。
そうした悲しい因縁を持つダイヤは「血のダイヤモンド」(Blood Diamond)と呼ばれた。
愛する家族と質素でありながらも満ち足りた生活を送る漁師ソロモン。
ソロモンには自慢の息子がいた。息子は頭がいい。いつか息子を医者にすることをソロモンは夢見ていた。
しかしある日、反政府軍RUFに村を襲撃され、ソロモンは家族と引き離されてしまう。
ダイヤモンド採掘場へ連れて行かれたソロモンは強制労働を強いられた。
採掘場では逆らった者は容赦なく殺された。
従うしかない辛い日々。家族の安否も分からないままの不安な日々が続く。
そんな中でソロモンは大粒のピンク・ダイヤを発見する。
その直後、政府軍による来襲が起こり採掘場は混乱に包まれる。
ソロモンは混乱に紛れてダイヤを秘密の場所に隠すのだった・・・・・・。
人の行為を、神は赦すのだろうか……。
■感想
『ブラッド・ダイヤモンド』は、紛争ダイヤモンドの問題を根底に据えた社会派映画です。
これは僕の勝手なイメージかもしれませんが、社会派映画ってものは大きな衝撃や時に感動を受けるけれども、全体としてはやや退屈な部分が多いものだと思っていました。
しかし、です!
この『ブラッド・ダイヤモンド』はそんな僕のイメージを壊してくれました。
最初から最後まで、退屈に思えるシーンはまるで無し。
気が付けば、約2時間半の上映時間はあっという間に過ぎてしまっていました。
ここまで映画に引き込まれたのは久しぶりな気がします。
映画の内容としてはとてもシリアスです。
RUFの残虐行為は衝撃的で、見ているのが辛い。
少年達に人殺しを教え込んでいくシーンなんては悲しいとしか言えない。
こんな悲しい世界、日本でのうのうと暮らしている僕はまるで知らなかった。
上記の内容紹介に映画序盤の内容をざっと書きました。(ほぼ公式HPの引用ですが)
が、映画として盛り上がりを見せて行くのはこの後からです。
なんてったってアーチャー(レオナルド・ディカプリオ=主演)についてまるで触れてないですから。
今回のディカプリオはとても魅せてくれます。
人生の暗部を知った冷めた印象の役柄でありながら、どこか純粋な少年みたいなイメージも受けました。
すごく魅力的でかっこいいです。
(メタルギアソリッド2のプリスキン中尉を彷彿させました)
最初は欲望のために動いていた彼ですが、少しずつ変わっていくんですね。
人種の違うのソロモンと少しずつ絆を深め、理解していく様は心を打ちました。
女性ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)もかっこいい女性として魅力的でした。
信念を持ったとても強い女性です。
悲しくても悲しいと言わないことは辛いことなのだろう。
ソロモン(ジャイモン・フンスー)の親父っぷりも感動を呼びます。
彼の心の叫びは胸を打ち、純粋さは何だか安心感を抱きます。
(荒んだ悪人が多いですから、この映画)
映画のラストは感動シーンがたくさんあります。
その中でも一番印象的だったものについて少しだけ書きます。
それは、アーチャーとソロモンの関係。
ラストではしんみりとしたさわやかな感動を受けました。
そして切なかった。
とても満足できた映画です。かなりの良作です。
映画データ | |
---|---|
題名 | ブラッド・ダイヤモンド |
製作年/製作国 | 2006年/アメリカ |
ジャンル | ドラマ/サスペンス/アクション/社会派/シリアス |
監督 | エドワード・ズウィック |
出演者 | レオナルド・ディカプリオ ジャイモン・フンスー ジェニファー・コネリー カギソ・クイパーズ マイケル・シーン アーノルド・ヴォスルー デヴィッド・ヘアウッド ベイジル・ウォレス ンタレ・ムワイン スティーヴン・コリンズ マリウス・ウェイヤーズ、他 |
メモ・特記 | 2006年度アカデミー賞5部門ノミネート |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
■Link
+⇒公式HP(日本)
+⇒ブラッド・ダイヤモンド - goo 映画
ブラッド・ダイヤモンド | エキサイト:シネマ(映画)
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なぜ取れないのか・・って考えてみると、
やっぱ●んじゃう役だからじゃないかなぁ・・・って、想像しちゃいます。
もっといい役選んで頑張って、欲しいですねっ。
今まで持ってた彼のイメージとはだいぶ違った印象の役柄でしたが、全然ありでした。
主演男優賞をディカプリオが取っててもおかしくはないとも思うんですが、世間は厳しいって事か。
(と、ブラッド・ダイヤモンドと幸せのちからしか観たことない僕が言ってみます)
コメ&トラバ、アリガトです。
このGWイチオシの映画になりました。
『レジェンド・オブ・フォール』の頃から
ズウイック監督の映画は肌にあって好きなのですが、
この『ブラッド・ダイヤモンド』が、
こんなに出来のよい映画とは思いませんでした。
エンターテイメントと社会派のバランスが
見事に取れた秀作だと思います。
ズウィック監督か。僕はズウィック監督の作品は他には『ラストサムライ』ぐらいしか見たことないんですが、2作の時点で僕の肌にも合ってそうな監督だなと思います。