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きみにしか聞こえない / 乙一

2006-08-19 15:39:34 | 読書
今回の記事は『きみにしか聞こえない -CALLING YOU-』、乙一さんの小説です。
3つの作品(短編)を収録したこの本、そのどれもが切なすぎる。
でも、ただ切ないだけの話ではない。確実に何か希望みたいなものが心に残る。
そんな作品です。


内容紹介
「Calling You」
わたしはおそらくこの高校で唯一の、携帯電話を持っていない女子高生だ。
わたしには友達が、いないから。
教室ではいつだって
一人でいることなんて平気だぞ
と、平静をよそおっている。けれど、
わたしは本当は憧れていた。友達と楽しくおしゃべりをして過ごす日々を。
そんな孤独な冬のある日、わたしは携帯電話の着信音を聞いた。
その音はわたしにしか聞こえていないようだった。
わたしは意を決して、その電話に出てみることにした。その電話は…。

上記表題作のほか、「傷-KIZ/KIDS-」「華歌」を収録。
切なさ募る珠玉の短編集。


感想
乙一さんの小説のすごさには毎回うならされます。
今回もとことん、打ちのめされました。

まず、「Calling You」
この話の切なさは尋常じゃない。
ものすごく切ない。
ひとりぼっちの寂しさ
きっと誰もが一度は感じたことのあるその思いが心に沁みります。
切なすぎる話に胸が震える。
読み終わり、切なさは残るけど
勇気ももらえたような気がします。

「傷-KIZ/KIDS-」
タイトル、ギャクですかい?
という感じですが、内容はギャクじゃない。
どの話も良かったですが、個人的にこの話が収録作品の中で
一番良かったな、と思っています。
(最初のイラストも見開きだし、力も入っている?)
厳しい世の中を生きる少年2人の話。
話最後の病院屋上での2人の絵を見たとき、心の底から嬉しくなりました。

「華歌」
この話もまた、心に傷を持った人の物語。
そしてやっぱり切ない。
話の最後には乙一さん得意の大どんでん返しが仕込まれていて
え!?
と、なりました。
だけどこういうのは乙一さんらしくも思います。

この本はライトノベルに分類される本のため、
年が上がるほどに(特に男だと)
買いにくい。
だけどそんなの気にしちゃいけません。
本当にものすごくよい本です。
子供にも大人にも読んでもらいたい。
そんなおススメの本。
最近発刊された、「失はれる物語」(文庫です。)
にも、「Calling You」「傷」は収録されています。
こっちの本は誰にだって買いやすい。
だけど
できる限り、角川スニーカー文庫『きみにしか聞こえない』で読んでほしい。
特に「傷」はぜひともイラスト付きのこの本で読むことをすすめます。



『きみにしか聞こえない -CALLING YOU-』 
/ 乙一 / 角川スニーカー文庫
ジャンル:小説(現代/ドラマ/ライトノベル)
メモ:漫画版あり。2007年映画化予定
おすすめ度:★★★★★
は最大で5つです)



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1 コメント

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Unknown ()
2012-01-13 13:44:14
おもしろくなかったでも一応読んであげた感謝しろよ
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