パッシブデザインハウス

2020年09月03日 22時06分17秒 | 徒然日記
こんばんは。
ものすごい勢力の台風10号が日本に近づいておりますが、幸いにして(といってもよいのかどうか...)
幸いにして松江はまたしても大きな影響は免れそうな感じではあります。
そういえば昨年ままともに直撃したのに...
ど真ん中を通ったはずなのに気が付いたら過ぎていた、ということがありました。
恐るべし出雲大社はじめ寺社仏閣の皆様方!!

さて!
今回は弊社で14年前に建てさせていただいた家のご紹介です。



弊社唯一のパンフレット、きわめてレアなパンフレットの表紙を飾るこの家です。

「自然と調和する家」

いつの間にかもう14年も経つんですね(^^;
この家は弊社にとって非常に大きな意義をもつ家です。
今でこそ今風の(笑)家がほとんどですが昔はほんとに地元の工務店が建てる田舎の家、という感じでした。
屋根は瓦(もちろん瓦がダメということでは全くありません!瓦は耐久性に優れたとてもよい屋根材です)
破風板は反っている、断熱材は入れない(当時は「ある信念のもと、あえていれなかったようです)
など、デザイン性はほぼ皆無、実用重視?という感じの家ばかりでした。

この家はそれから大きくシフトチェンジできた節目の家だったのです。
設計当初、社長(故会長)からいろいろ横やり(^^;が入ったことを覚えています。
瓦ではない、モルタルの壁でない、ユニットバスの採用!?等々
それを当時はついつい社長に気を使ってしまいがちだった設計担当のI氏をなだめすかしながら(笑)
面従腹背で突っ走ったのがこの家です。

断熱性能に力を入れた第1棟目であったと記憶しています。
断熱材はLIXILのスーパーウォールではなく、快間パネル。
断熱性と耐震性を兼ね備えたなかなか優れた材料ではありましたが、それでも今と比べたらかなり見劣りはしてしまいます。

実はここ最近、この家がにわかに再評価されてきてまして。
きっかけは3月末にお引渡しをさせていただいた「くるり亭」


このくるり亭に先日お伺いしてお話を伺ったのですが、そもそも弊社に着目していただいたきっかけがこの「自然と調和する家」
だったのだそうです。
こちらとしては正直意外でした。
写真も当時はデジタルカメラに移行したばかりのころで、RicohGX-100導入前のSONY cybershotでした。
内観写真もあまりよいのがなくアピールするにはちょっと弱いかなぁと思ってはおりました。

ただ、作品としては非常に気に入っていました。
ほぼ真南に面した建物ですが、大きく伸ばした庇、たくさんの光を取り込むべく配した窓、当時の社長が「切ってしまえ!」といっていたのを何とか乗り切って残したケヤキの木。法面に大きくせり出したウッドデッキ等々...
とても14年前の家とは思えないくらい素敵な家だと今でも思っています。

まさにパッシブデザインの走りとなるような家であったと自負しているこの家に今日、設計担当のI氏が訪問してまいりました。
今まで大きなメンテナンスもなく来たわけですがどんな生活をされておられるのか非常に興味をそそられたのですが。

とにかく!
非常に快適だそうです。
ただただ快適!

夏は朝のちょっとの間だけ東から朝日が差し込むもののあとは大きな軒のでとケヤキの木、西側にある栗の木その他雑木がうまく日射を遮ってくれるそうです。



冬は逆にケヤキの葉も落ち大きな窓からめいっぱい日の光が入り、とても暖かいそうです。
早朝だけは寒いのでファンヒーターを一時的につけるそうですが、天気の良い日はまずエアコンつけることはないそうです💦



さらに驚いたのが電気代!
さすがに断熱性能、気密性能とも今と比べても見劣りはしますが、夏で家全体で20,000円くらい、逆に冬は夏より安いくらいだそうです!
日照時間の短いといわれる山陰ですが、上手に設計、利用すればここまで快適にできる良い事例だと思います。
断熱性能、気密性能とも数値で比較すると今よりはどうしても見劣りしてしまいますが、そもそも何のために性能を追求するかといえば
「生活をより快適にするため」です。
「建てたあとの生活が大事」
これに尽きるといつもお話させていただいておりますが今回まさにそれを実感しました。

現在の写真やより詳しい内容については近々弊社HPのお客様の声に上がるとは思いますのでそちらをご覧ください。

しかし、今回このお客様の声をきかせていただいて、やはりパッシブデザインは必須であるなと思いました。
弊社では日ごろ、お越しいただく皆様方に「まず性能!」とお話させていただいております。
が、今回認識をあらためました。

まずはパッシブデザイン!

「建物のあり方に工夫して、​

建物の周りにある自然エネルギーを最大限に​

活用・調節できるようにし、​

高い質の室内環境を実現させながら、​

省エネルギーに寄与しようとする、​

建築設計の考え方とその実践的手法」

もちろん地域によってこれらすべてを

取り入れることができない場合もあると思います。

ただまずはこれらを念頭において設計していくことが大事なのだと思いますが皆様はいかがでしょうか?









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