たのかぜ 2号店

こっそりこっそり

6.1

2005年11月05日 06時13分00秒 | Weblog
「あなた『せいか』ね」
「へ?」


彼女はちょっと唐突だと思った。



「いやね。私も思ったんだけど」
アンニュイな表情をまといつつ、ふっと遠くを眺める『彼女』。
何を思って、『せいか』なのか。

――その前に、『せいか』ってなに?

盛夏? 特に夏ってわけでもない。
成果? 来たばっかりでんなもん上げれるかい。
製菓? あぁ、そういえばチョコパイ食べかけだったような……

「はい、毎度毎度思考そらさない」
スパーン!と小気味よい音とともに、スリッパで頭をはたかれる。

「痛いよ……」
「まじめに話してるんだから、聞きなさい」

私の涙目の抗議は、自己中心的極まりないセリフで敢え無く敗れ去ったようだ。
それはともかく、なにやらキリリとした表情をしているので、話を聞いてやることにする。
…決してスリッパが思ったより痛かったわけでも、『スリーピーホテル トイレ』と書いてあったわけでもない。

「『せいか』ってのは、あなたの名前ね」
「……はぁ?」

や、だから。
唐突だろ。

「あの」
「なにかしら」

そんな一人ですっきりした顔されましても、ねぇ?

「なんで外伝で私の名前が決まっちゃうんでしょうか………?」
「これ以上中身薄くなって、更新が滞るのもイヤだからでしょ」

ズバッと。
ああもうなんていうか。

「はぃ、『せいか』でいいです……」
「ちょ、何泣いてるのよ?」



いいから今はほっといて。