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映画批評etc

映画の感想ではなく批評
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いま、会いに行きます

2009年06月24日 | 映画(ア行)
監督
土井裕泰

キャスト
竹内結子
中村獅童
武井証

原作 市川拓司 『いま、会いにゆきます』
脚本 岡田惠和

あらすじ
秋穂巧(中村獅童)は妻の澪(竹内結子)に先立たれ、1人息子の佑司(武井証)とつつましく暮らしていた。ある雨の日、妻にそっくりの女性が現れるが、彼女は記憶喪失だという。それから家族の生活がまた始まるが・・・

寸評
ドラマ、映画ともにスマッシュヒットを飛ばし、その後主演が結婚、出産、浮気、離婚という、泥を塗られた作品。

が、作品自体には何の影響も与えていないと信じたい。
センセーショナルに報道された影響もあり、誰もが事実を知る事になってしまっているが、この事実は後には忘れられ作品だけが残るわけだ。
そうなると、作品自体の評価は現在とは違う結果になるのかも知れない。

それはさておき、作品自体は練られた複雑な構成をしている。
2部構成と言ってもいい。
巧の部、澪の部の2つ。
これが前半を見ているだけだと
「あれ」
と思う様な伏線が2部で
「これだったのか」
と回収されていく。

至極順調に回収されていく。
この伏線だが、1部を観ただけでは何のことだか、絶対に解らない。
なので、ネタが「こういうことじゃねーの?」「やっぱりどーじゃねーか」
とはならないので、なかなか面白い。

そして映像だが、この手の作品だと美しさが必要だが、しっかりと答えている。
東京や首都圏を避けてロケをしているためか、緑と水が豊富で目に優しい。
そして、出演者陣も優しい丹念な芝居で、たおやかである。
季節が初夏ということもあり、実に爽やかな印象を与える。

ついでなので演技について。
この作品での中村獅童は、フラットに丁寧に演技している。
役柄も作品にも素直に没入し、他作品にある様な変に気張ったり浮く様な癖が無い。
彼の資質からすると意外だが、向いているのかもしれない。
かなり意外ではある。
竹内結子は文句の付けどころがない。
透明感のある美しさはイメージ通り。
だが、幻想的な役でもあり、ストレートに演じると逆にリアリティが損なわれる。
リアルと幻想の境界線ギリギリの演出を繊細に演じている。
一種棒読みっぽくなるわけだ。
下手に見えかねない。だがそんな役者ではないことは別の場面を見れば分かる。
これは技術的には相当高いものである。

他にはオレンジレンジの歌。
どうだろう。
賛否両論ありそうだ。
どこかでウッスラ流しておけばよかったんじゃないか。
ラストで流してしまうとどうもなぁ。
契約でそれは無理か。


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