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がその理由です。3巻までが11名の調査隊員たちの実録体験記録です。
◎ヒマラヤ聖者の生活探究 第二巻 第十一章 治病の原理--ジャストの説法 P173~176
《注》ジャストとは、アセンデッドマスターであるエミール師の弟子でマスターの一人。
・・・。ニセものの信仰を消せば病も消え去るのです。これこそ、イエスが常に頼ったところの唯一の治病方法だったのであります。イエスは相手の意識の中に巣喰っている偽象を消し去ったのです。イエスは先ず御自分の身体のヴァイブレーションを高めてその想念を神のみ心に繋ぎ、人間に対する神の完全なる考え方と一致させ、じっとその状態を把持し続ける、するとイエスの身体のヴァイブレーションは神の心のヴァイブレーションと等しくなる。
このようにして、神の完全さのみをしっかりと思い続けて御自分の体のヴァイブレーションを高めた時、腕の萎えた病人の体のヴァイブレーションも高まり、或る程度まで来ると、彼の意識から腕萎えという意識が消え去るのであります。その時イエスは病人に『汝の腕を伸ばせ』と言い、その時病人の腕は伸び、かくて全き癒しが得られたのであります。
こうしてイエスは神から来るすべての完全なる相を観ることによってその体のヴァイブレーションを高め、病人のヴァイブレーションを高めて、かくて不完全な心象を全く消し去ることができ、かくて瞬間的に完全になり、癒しも又全きものとなったのです。自分の想念と注意とを、何時も神と神の完全性に向けることによって自分の体のヴァイブレーションを高め、神の完全性より発するヴァイブレーションと同調融合し、神の完全性と全く一つになり、ひいては神自身と一つになることが間もなく分かります。
やがてあなた方が接触する人々の体のヴァイブレーションに感化を与え、その人々もあなたと同じように完全のみを見るようになります。かくしてあなた方は自分の使命を果たし、あなた方の役割は完全となるのであります。また一方、不完全さを見て自分のヴァイブレーションを低下させ、その結果として不完全を招来することもできます。もしそうとすれば、自分の蒔いた種子を苅り入れることは免れません。
神はその完全なるプランを実行するために一切を通じて働き給います。一切のハートより不断に流れ出づる完全な美しい想念は、神の子等に対する神自らのメッセージです。この美しい想念によってわたしたちの体のヴァイブレーションは、神の神聖且つ完全なるヴァイブレーションと直接に接触を保つのであります。この種子が『神の言葉』であって、それは自らの神聖なる性質を悟ると否とに拘わらず、感受性のあるあらゆるハートに根をおろす。
わたしたちが神の為し給うように自分やあらゆる人々の本来の聖なる完全性をのみ徹底的に思い続け、その結果、わたしたちの体のヴァイブレーションが神の御心より発せられる聖なるヴァイブレーションと直接調和し、且つ一つとなる時、初めて神よりの遺伝により接近したことになるのです。
しかしながら、霊的悟りから豊かな収獲を得るためには、わたしたちの想念は神の心よりその愛ぐし子たる人間に発せられる完全なる調和に満てる想念と共に、常に振動し、常にそれを把握しなければならない。わたしたちは自分の身口意の三業により、又三業によって全世界に放射したヴァイブレーションによって、全人類のすべての罪を許す力は勿論、わたしたち自身を解放する力も奴隷にする力も自分にあることに間もなく気づく。
こうして一旦、一定の線に沿うて想念を起こすことにした以上は、全能の力そのものがわたしたちを支え給うこと、又このような考え方を常に起こせるようになるために必要な訓練をしているうちに、自ずから神催しの想念が起こるようになって、自分自身と同胞達を束縛より解き放つこの力が、自分達に与えられた光栄ある特権であることが分かるようになります。イエスの治病方法の根本は、すべて心にある原因を除き去ることにありました。
従ってわたしたちはイエスの唯心論を実地に証明する必要があるし、又そうして見れば、たしかにイエスの言われた通りであることが分かる。暗い観念の中にまず数条の光を射し込むだけで多くの罪が消え、又意識の中に深く根をおろしている罪でも、根気よく光を射し続けておれば遂には克服されるのです。キリストの赦しの愛を妨げることなく十分に発露させるならば、必ずやいたるところでイエスの赦しの愛が見られるようになるでしょう。
真の赦しはすべてを浄化し祝福する。それは先ず個人のハートの中に於いて始まる。それは初めのうちは考え方の革命である、その故に又甦りである。神が唯一の『心』であり、この『心』が純粋且つ神聖なることが分かれば、キリストの心が自分の内にあって完全に働き給うという真理を崇め且つ把持し続けてゆく上に大きな力になり、又、この調和に満ちた建設的な想念の流れの中に絶えずあるようになります。
あなた方は『考える人』の世界の住人となる時期に速やかに近づきつつあること、想念こそ宇宙における最も強力なるものであることが間もなく分かるようになるでしょう。想念は神の心と肉体の病、或は世上の不調和との間の仲介者であります。不調和なことが起こったら直ちに神の心即ち内なる王国を観ずるようにすれば、すぐに神の想念と一つになり、神の愛は求むる者にその純愛の癒しの香りを常に与えようとしておられること――を知るでしょう。
イエスは人間の意識の中から罪とその結果とを抹殺するために、今なお生きておられるのであります。人と神との関係を悟り、神の愛の真只中から新しく出現し給うたのであります。神の霊のみが唯一の力であるという大胆、且つ無礙なる認識の上に立って、イエスは神の法則――(それさえ把握して日常生活のあらゆる面に応用すれば、悩める者も光り輝く存在と変貌し、完全なる人々によって構成される唯一真実の王国、即ち地上に天国をもたらす神の法則)――が万物に優越することを宣言し給うたのであります」。ここでジャストはその話を閉じた。