ヒロシマ平和映画祭 Hiroshima Peace Film Festival

2013年12月、第5回開催!

今回は、過去上映作品のなかから、「今こそ、もう一度」な作品プラスαを上映予定。

ヒロシマ平和映画祭2013 12月に開催

2013年12月、第5回開催。 今年のテーマは「異郷の記憶」。 毎回50本近い作品を上映してきて第5回なので、今回は過去上映作品のなかから、「今こそ、もう一度」な作品を20本程度にプラスαな企画をしようともぞもぞしています。 一部プログラムの隠れテーマは「日本を取り戻す!」です(笑)。

大牟田幻視行(2)

2009-06-30 00:29:20 | 日記
気になる場所には、やはり実際に行ってみること。
あらためて、それが重要だなと思ったのは、まず単純に、九州北部の比較的知られているだろう地名の配置がなんとなくわかった(体感できた)こと。
でも、そのタイミングを私は焦らない。
もちろん、すぐに行くこともあるが、自分が油断しているようなタイミングをわざとつくるか、妄想や知識をたくわえじわじわと待つか。
今回は、中途半端にその両方のような感じだった。

ちなみに、こちらに帰ってきて何人かからおもしろい反応。
うちの委員のひとりの方は、「あ、私は(福岡と久留米の途中の)二日市に住んでいたんですよ」。
母は「まあ、炭鉱の。大牟田からねー、炭鉱がダメになってたくさんマツダに移って来た人がうちの近くに住んでたのよ」とか。

福岡天神から久留米を過ぎる。ここまでが西鉄の特急で25分ぐらい。
さらに、水路の美しさで知られる柳川までが約15分。
柳川から20分ほどすると大牟田だ。

「九州で一人勝ち」などといわれる福岡(市)の賑わいのシンボルのような天神、美しい水路をはじめとしたノスタルジックな映像で多くの人びとに知られる柳川、日本近現代史の証言者であるかのような大牟田。
久留米はちょっと前に訪れていたのだが、JRで行ったから、この辺の配置がよくわかっていなかった。
さらに、勝手なイメージなのだが、柳川のイメージと大牟田のイメージが私のなかではまったくかけ離れていたのだ。

この間、西鉄は、遠くに山並みがみえる平野・盆地が、住宅街から田畠に代わっていく風景のなかを進んでいく。
柳川をすぎて、一度、ぐっと山が近づいて来て、きれると大牟田になる。
空の感じからか、海は見えないが、ぱーんと視界が広がるような感じがしたのだ。
あとで地図で確認すると、大きな平野が南で切れ、山が近づいてくるようなところに大牟田は位置している。

まったく何の準備もしていない。
いろいろな本で読んだ知識だけ。これは妄想に近い。
つまり、旅に必要な実際的な知識はゼロで、地図すら持たず、私は大牟田に着いてしまったのだった。

*写真は、石炭産業科学館の前から山側を見た風景。携帯写真なので、諏訪川から見た有明海同様、実際に見た感じは伝わりにくいか。低い山にかかる雲が神秘的。ちなみに、手前の白い建物は建設中のイオンのショッピングモール。重ね書きされる近現代の残骸をはさみ包み込む、山と海、そして雲に幻惑される。

(ひがし)

『ブライアンと仲間たち』広島上映会案内

2009-06-29 22:34:32 | 主催イベント
『ブライアンと仲間たち』広島上映会

(1)英語版上映
7/18(土)
17時、開場
17時半、開映
英語字幕版による上映
会場:ワールドフレンドシップセンター
入場無料、ただし先着20名なので、以下にお申し込みを!
info@brianandco.uk

(2)日本語版上映
7/20(月、祝)
会場:広島平和資料館東館会議室1
2回上映
1)10:10開場、10:30開映
2)14:10開場、14:30開映
予約不要
500円(高校生以下無料)

(2)の方は、ヒロシマ平和映画祭が協力になっています。

8/5のオールナイトには行けない、それまで待てない方はぜひ!
写真は、1シーン。ブライアンの英国国会議事堂前の家です。

(事務局)

大牟田幻視行(1)

2009-06-29 22:17:31 | 日記
長年、東京で暮らして来て、いくつかの土地と浅からぬ縁が出来たが、広島に帰ってくることで、馴染みのある場所が少しずつ変わってきた感じがする。
20代半ばまではもぞもぞと這い回るばかり。
20代終わりから30代にかけてはさかんに海外に行っていた。
30代後半からは沖縄と、きわめて限定された国内諸都市に、もっぱら仕事絡みで通ってきている。

そんななかで、最近、徐々に馴染みつつあるのが福岡だ。
東京時代から、福岡出身の友人は多かったし、本の上でなどとても気になるところではあった。
だが、高校の修学旅行以来、行ったことがなかったのだ。
これは、九州全体がそう。

距離や空間の感覚は、実のところ、一様ではない。
地図のうえでは、沖縄への距離は、東京からより広島の方が近いが、現実には遠い。
実際の交通などのインフラによって起こる/起こされる距離・時間感覚は、このように実際の地理とは異なるものなのだ。
広島南部にいる私にとっては広島空港自体が遠すぎる。空港もその道すがらも楽しくない。
シャトル便のように沖縄とつながっている東京、関西、福岡に比べると、広島はハブではなく単なる地方都市だ。
そのように、地方と地方は、交通でも分断されているという面もあるのだ。
すべての道はローマにしかつながっていないのだ。
それも吸い上げるためだけに。

とはいえ、博多までバスで行き、地下鉄で二駅の福岡空港へ、さらに那覇へ。
こうした感覚は、住んでいる場所と今から行く場所の地続きの遠さみたいなものをカラダで確認していくのにもいいかもとも感じている。

沖縄に行くのにも便利、というのと、西南学院大学の田村さんに知己をえて、また、広島絡みでの畏友といいたい直野章子さんに福岡で会うのも楽しい。

ということもあり、長年、気になっていた大牟田にはじめて行くことにしたのだ。
どこ? という人もあれば、なぜ? という人もいるかもしれない。
三井三池の本拠として、その名を響かせて来た大牟田。
福岡天神から西鉄で一時間片道千円で行けることを知ったので、つい行ってみたくなったのだ。
取材とかというものでもなく、さりとて観光でもない。
取材としても観光としても、まったくなんの準備もなく、とりあえず行く。
そんな旅である。
とりあえず、資料や文字のみで知る地名としての土地に、自分の身体を置いてみるとこと。
そうすると、地名は徐々に土地になっていく。
という感じで、徐々に大牟田に向かっていくことにする。

*写真は、中州の路地。ここも川好きにはたまらない街です。

(ひがし)

『土徳』アンコール!

2009-06-29 18:26:36 | 関連イベント
当委員会代表でもある青原さとし監督『土徳』が故郷でアンコール上映されます。
よろしくお願いいたします。

英語版上映もありますので、まわりの外国人のご友人などにもお声かけよろしくです。

(事務局)

━━━━━━━━━以下、転送大歓迎!━━━━━━━━━━━━

Japan Film Festival Los Angeles 2009凱旋アンコール上映
『土徳-焼跡地に生かされて』(2003年・青原さとし監督) 

2003年、広島を中心に全国で草の根的に上映が展開している
『土徳-焼跡地に生かされて』(監督:青原さとし)が
今年、4月に“Japan Film Festival Los Angeles 2009”に招待されました。
それを記念して、実に6年ぶりのアンコール上映が開催されます。

2009年7月4日(土)~10日(金)
 16:30 英語版(5日は休映)
11日(土)
 9:50 日本語版
 17:00  〃
 19:00 凱旋アンコール上映記念トークショー
      「安芸門徒と戦争…そして土徳」  
       信楽峻麿楽氏×東琢磨氏×青原さとし氏
 20:00頃 終了予定
12日~17日(金)
 9:50 日本語版
 16:30 英語版

「土徳の世界」公式サイト   http://dotoku.net

■料金:一般1700円 大学生1500円 シニア&高校生以下1000円
■問い合わせ 横川シネマ!!
■住所:733-0011 広島市西区横川町3-1-12 横川商店街ビルA棟1階
■電話&ファックス:082-231-1001 

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『土徳』凱旋アンコール上映記念トークショー 
安芸門徒と戦争…そして土徳

2009年7月11日(土)  横川シネマ
 09:50 『土徳-焼跡地に生かされて』日本語版上映
 17:00 『土徳-焼跡地に生かされて』日本語版上映
 19:00 上映記念トークショー
       信楽峻麿楽氏×東琢磨氏×青原さとし氏   
20:00頃 終了予定
    ※『土徳』再上映期間中、映画をご覧頂いた方は無料。
トークショーのみご覧の方は500円。

安芸門徒によって育まれ、培われた人生観・土徳。
土徳は変化し、やがてなくなると、青原監督の父・淳信は言った。
高度経済成長、バブル、宅地造成化、郊外化、中心部の空洞化。
国際平和都市と謳われ、変貌に変貌をとげた
今のヒロシマのいったいどこに土徳があるのか?
「戦争と真宗」を問い続ける真宗教学の大家・信楽峻麿楽氏。
「平和構築」の虚像を抉り出し、真のヒロシマを問い続ける気鋭の評論家・東琢磨氏。
二人の論客を迎え、いま「土徳」の蘇りを願い語りつくす!

信楽峻麿
1926(大正15)年、広島県賀茂郡豊栄町(現:東広島市)教円寺に生まれる。1945年、学徒徴兵により北海道旭川部隊に入隊。龍谷大学教授を経て、1989年より1995年まで、龍谷大学学長。文学博士。専門は真宗学。仏教伝道協会前理事長。呉市安楽寺前住職。親鸞思想の現代化に取り組みつつ、脳死臓器移植問題、靖国問題、「念仏者9条の会」(代表)など、現代の様々の問題に積極的な発言と行動を続ける仏教界のオピニオンリーダーである。 著書に、『浄土教における信の研究』、『真宗教団論』(以上、永田文昌堂)、『宗教と現代社会』、『仏教の生命観』、『教行証文類講義全九巻』『信楽峻麿著作集』第1巻―第7巻(以上、法蔵館)など多数。

東琢磨
1964(昭和39)年、広島市生まれ。音楽・文化批評家。音楽文化論、文化批評、アメリカスの音楽文化 ラティーノアメリカ研究。2005年に本拠を東京から故郷広島に移す。連続ティーチ・イン沖縄実行委員、ヒロシマ平和映画祭実行委員会事務局長。著書に『全-世界音楽論』(青土社、2003)、『おんなうた』(インパクト出版会、2004)、『違和感感受装置』(冬弓社、2004)、『ヒロシマ独立論』(青土社、2007)『広島で性暴力を考える』(編著・ひろしま女性学研究所、2009年)『「子猫殺し」を語る』(共著・双風舎、2009)『残傷の音』(共著・岩波書店2009)など。

青原さとし
1961(昭和36)年 広島のお寺・真光寺に生まれる。1985年 龍谷大学仏教学科卒業。1987年イメージ・フォーラム付属映像研究所卒。1988年 民族文化映像研究所入所。多くの庶民の生活文化の映像記録作業に関わる。2002年よりフリー。2003年『土徳-焼跡地に生かされて』を自主制作。同作、全国を巡回上映。2004年、広島に居を移し次回作を準備撮影開始。ヒロシマ平和映画祭を企画、実行委員会をたちあげる。(同委員会・代表2005、2007に開催。今年も開催予定)。以下監督作品:2005年『雪国木羽物語』。『山踏み-森林再生への道』。2006年、『望郷-広瀬小学校原爆犠牲者をさがして』。2008年、『筑紫哲也のNEWS23 マンデー+ 海を越えて大地に生きる』。『人形のまち岩槻』。2009年、『土徳』がJapan Film Festival Los Angeles2009に正式招待。
 

横川シネマ!!
■住所:733-0011 広島市西区横川町3-1-12 横川商店街ビルA棟1階
■電話&ファックス:082-231-1001 

福岡にて。

2009-06-28 10:59:21 | この映画祭は・・・。
福岡に来ている。
昨日、西南学院大学で開かれた「森口カフェ in Fukuoka with イトー・ターリ」という豪華な企画に参加するため。
このおふたりには、本祭に参加していていただく予定だ。
若い映像作家・高嶺朝太さんのショートムーヴィ(アニメーション)も上映された。メディア社会を強烈に批判した作品。こちらもなかなかよかった。

森口さんの作品四本は、どれも既に見ていたものだったが、飲み会も含めていろいろな話を聞くことができて、とてもよかった。
副代表が紹介している藤本監督のお仕事とも共振する部分がある。
11月の本祭期間に、ふたたび「森口カフェ」を、それも似島で開催予定だが、ここでは、以下のようなラインアップにしようかなと。
(1)『一幕一場 沖縄人類館』
(2)『かたき土を破りて』
(3)『海が哭いている』
など。

(1)は沖縄の歴史を、ある個人、事実、演劇作品を通して描き出したもの。(2)は、コザ民衆蜂起(1970年)と「復帰」(1972年)のあいだの沖縄を活写したもの。(3)は石垣の空港建設に反対する運動を記録したもの。
今の広島の、さまざまな状況と重なるはずだろう。

従軍慰安婦をテーマとしたパフォーマンスに挑んで来たターリさんの今回のパフォーマンスは、前日から学生たちの協力も得て、非常に力の入ったものとなっていた。
慰安婦をテーマにしたものから、後半は沖縄米兵の性暴力事件を扱ったものへ。

彼女自身の身体、映像、釘、女性の下着…。
限りなく続く性暴力事件の記録を記したテープが、ポリスラインのように会場にはられる。あるいは、暴力を封印する結界か、はたまた、暴力そのものか。

本祭期間中、森口さんが来広される翌週あたりに、ターリさんに来広していただく予定。関連作品上映と組み合わせて、パフォーマンスやトーク(修道大学にいたこともある鄭暎惠さんと対談をお願いする方向)を予定している。

(ひがし)

赤い立小便。

2009-06-28 03:20:57 | 主催イベント
先日、藤本幸久監督とお会いする機会があり、
映画『Marines Go Home』2005年版を編集しなおした
という最新版をいただいたので、
ヒロシマ平和映画祭のメンバーと試写。

映画は、沖縄・辺野古地区で
米軍飛行場移設反対運動を続ける人たちを中心に、
韓国・梅香里(メ・ヒャン・ニ)、北海道・矢臼別の
反基地運動にかける人々を収めたドキュメンタリー。

梅香里。
梅の花の香りがあたり一面に香るのが地名の由来。
カキの季節になるとおばさんたちのカキ打ち姿が並ぶ。
広島でも観られるおなじみの光景がスクリーンに映る。

しかし、ここには米空軍射爆場があったのだ。

穏やかな浜辺から臨む
ノン島射爆場には、米軍機の撃ち込むナパーム弾が打ち込まれ、
当時誤爆などで、妊婦や子供を含む12人の村人が殺された。

薄暗闇の中、
いかつい空軍機から、真っ赤なナパーム弾が
島すそにある標的に、延々とそそがる姿は、
まるで、だらだらと血のおしっこをたれている風だ。

小さな小さなノン島は、
爆発の衝撃にカラダを震わせ、
ただじーっと、おしっこが終わるのを耐えて待つ。

誰だって、自分ちの庭や家先、
ましてや己に立小便をかけ続けられれば、
頭にくるだろう。

最後に、沖縄・辺野古で、
ジュゴンが遊ぶ海と人間の暮らしを守ろうと
活動する人たちの数が
だんだんと減っている現状も伝えられた。

国は、こうして小さな抵抗勢力が
自滅するのを待っているだけでよいのだ。

先日祝島関連の作品上映会で
鎌仲ひとみ監督がおっしゃっていたが、
「抗議活動の現場に直接カラダを運ぶことだけが
 大事なことではありません。
 自分がやりたいと思っていることを
 すでに活動している人たちのために
 小額でもお金を送って、彼らに続けてもらうよう
「応援する」という参加も、かなり大事なこと。」だと。

活動、というと活動家のイメージもあるかもしれませんが、
実は、普通のおじちゃん&おばちゃんの集まりだったりする。

辺野古では、泳げなかったおばあちゃんが
カヌーを覚え、巣もぐりできるように練習し、
沖のさんご礁をぶっこわして立つ
ボーリングの足場に座り込んで、
これ以上工事が進まないように阻止し続けている。

一番驚いたのは、撮影期間に、
梅香里の人たちの地道で長くつらい活動が見事結実、
演習場は2005年に閉鎖されている。

しかし今も、閉鎖という裏側で移設、組織改変、
・・・私たちのすぐ隣で、着々と次の戦争の準備が整えられている。

ヒロシマ平和映画祭2009プレイベントは
2009年8月5日19時~6日朝まで
オールナイト上映会を、横川シネマで開催。
藤本幸久監督作品
『Marines Go Home』2008年版の上映&トーク
このほか、パクポウさんのライブとか
ネットラジオ生中継とかで、 盛り上がります。

ぜひ、全国からご参加ください~

*写真は、『マリーンズ・ゴー・ホーム2008年版』から。梅香里の海岸に残る米軍の砲弾。

(副代表/ふじいしょうこ)