くらげのうきわ

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ゴールドラッシュ

2006-02-05 18:26:48 |   ■ JP両陣営協同イベント
Winterspring への移住が決まり、荷造りのため押入れを整理していると、一冊の古いアルバムにふと目が止まった。
開いてはいけないと頭ではわかりつつも、つい、埃のつもったページに手を入れてしまう。



若い日の中間達と、そして、一体の人間の死骸。

そう、20年前にも、私は一度移住を決意したことがあった。
雪の降る Winterspring ではなく、灼熱の砂漠地帯 Tanaris へであったが・・・


◆ ◆ ◆ ◆ ◆




Camp Narache の青年達は、若いエネルギーを持て余していた。
コンビニなんてない時代、溜まり場はいつも窯の上。
立ち上る煙にビーフジャーキーを気取っては、「なんか面白いことない?」と尋ね合うのが日常だった。
田舎暮らしに飽き飽きしながらも、目新しいことが空から降って来るのをただ待っている
僕らはみんな、刺激に飢えていた。

そんな僕らに、転機の時は訪れた。

ある日届いた、一通の求人広告。



はるか南の地、Tanaris は Gadgetzan という町で、
Gadgetzan Water Company という会社が働き手を募集しているらしい。

様々な旅人が訪れるという、ゴブリンが治める中立の交易都市、Gadgetzan。
そして Tanaris には、小さいながら港もあるという。

僕達はまだ、海を見たことがなかった。


皆の意見はすぐにまとまった。

南へ、南へ。

途中、見知らぬ猛獣に命を落とす仲間もいたが、
僕達は走り続けた。

広大な Barrens の荒野を駆け抜け、千本の針と名付けられた奇石地帯で道に迷い、
塩田のレースクイーンに心奪われながら、

僕らはついに、Gadgetzan に到着した。



消耗しきった僕らを迎えてくれたのは、一杯の水でもなく、ねぎらいの言葉でもなく、
念の入った健康診断だった。

望診、触診、検温、そして血液検査。
異常プリオンというのが見つからなければ合格らしい。

幸いにも、僕らは全員パスすることが出来た。


「Follow Me!」
検査を終えたゴブリンは、僕達を立たせ、町の中央へと導いた。
いよいよ仕事の内容についての説明があるんだな、と僕は思った。


僕らが入るよう言われた、金網で囲まれた区画には、大きなカギがかけられていた。
カギをかけるということは、それだけ重要なものがあるということだ。

田舎から出て来てよかった、と思った。
Mulgore には、そもそもカギをかけるためのドアがない。

そんなことを考えながら、ぼんやりと説明を待ったが、
一向に係のゴブリンが現れる気配はなかった。

と、突然仲間の一人が鋭い悲鳴を上げ、砂煙をあげ崩れ落ちた。


なんと、いつの間にか現れた一人の人間が、仲間に攻撃を仕掛けているではないか。

どういうことだ!?

僕は、僕達を案内したゴブリンの姿を探した。

「悪く思うなよ、Friends! この町じゃ、ロクな肉が手に入らないんだ」

なんということだ。彼らは最初から、僕らを雇うためではなく・・・


と化した金網の中、次々と凶刃に倒れる仲間たち。

このまま、むざむざと食い物にされていいのか?

僕達は、立ち向かった。

レベル1や2の僕らから見ると、相手は神の様な力を持っていたけれど、
僕達は一人じゃない。

覚えたての Stomp で砂地をゆるがし、生え変わったばかりのツノをがむしゃらに突き立てた。

そして・・・


僕達は勝った。

戦いの興奮が覚めやらず、知らず知らずのうちに故郷のステップをふみ、慣れ親しんだ歌に声を張り上げる。

食えない奴らだと思ったのか、ゴブリン達は黙ってカギをはずし、
それぞれの商いへと戻っていった。


さあ、帰ろう、Mulgore へ。

力を合わせて出来ることが、故郷にもきっとあるはずだ・・・


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


いつまで写真を眺めてるの、とたしなめる妻の声で、一気に意識が引き戻された。

そうだ、Winterspring への引越しの準備をしているんだった。

アルバムを閉じ、軽く埃を拭き取ってから麻袋の底にしまいなおす。
Winterspring では、ユキヒョウやクマの肉が簡単に手に入り、僕達の体が狙われる心配はないらしい。
泉質調査の人手が不足している、という手紙が来たので、今回 Everlook という町に働きに行くことになったのだ。


今になって思えば、僕はこのとき、もう少しきちんと調べるべきだった。

Everlook は、あの強欲なゴブリン達が支配する町で、
そしてその町では、寒さをしのぐための皮製の衣料が、常に不足しているんだということを。


こうして、僕のアルバムに新たなページが加えられることになるんだけれども、
それはまた、別のお話。


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回を追うごとに長ったらしくなっていきます、Moonrunner 両陣営合同イベントのレポートですが、
2月4日(土)に無事4回目のイベントを終えることが出来ました。
今回は総勢24名の方が参加してくださり、大変にぎやかなイベントとなりました。
ご参加いただいた皆さん、本当に有り難うございます。

長くなりすぎちゃったので、レース詳細は別記事とさせて頂きます。


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