hoppenの韓的な日々♪

2004年・夏、イ・ビョンホンssiに出会ってから韓流へ~韓国映画&ドラマで刺激的になった日々を綴ります。

シネマコリア2007in東京、見応えありの4作品でした!

2007-08-21 19:48:56 | シネマコリア&ショーケース

シネマコリア2007in東京が、8月18日(土)19日(日)に開催されました。
今年のシネコリは、『ホリディ』『ラジオ・スター』『青燕』『懐かしの庭』の4本を上映。
今よりも少し前の時代の韓国に、スポットが当てられた作品が並びました。
いわば「韓国の近現代を知る4本」と言えるかも。
どれも、その時代に生きた人々の息遣いを感じられる映画で、期待通り、見ごたえたっぷりでした。
やっぱ、シネコリは、いいな~!
4本の映画を、より深く味わうためには、韓国の近現代の流れを知っておくと、GOOD!です。
せっかくなので、私なりに、まとめておこうかと思います。
すでに見てしまった人も、これから、名古屋や大阪で見ようと思っている方も、
参考までに、覗いてみてください。


シネコリ2007のパンフレット(500円)には、実にわかりやすい年表が掲載されていました。
そちらを参考に、さらっと、まとめてみますね。


<韓国の近現代史と、今回の上映作品の時代>

1906~1945年:日本植民地時代 → 『青燕』(1910~1931年まで)

1950~1953年:朝鮮戦争

1960~1979年:パク・チョンヒ大統領時代
(軍事政権)

1979~1988年:チョン・ドゥファン大統領時代(軍事政権)

     1980年:光州事件がおきる → 『懐かしの庭』(1980~2000年)
          (軍が民主化運動を弾圧し、多数の死傷者を出しながらも
           当時は報道されなかった事件)

     1980年:保護監護法、制定 → 『ホリディ』(1980~1988年)
          (再犯者に、懲役とは別に監察期間を設け、服役させるという法律。
           万引き3回で14年間服役、となる訳です)

    ~1988年:ソウル五輪のため、貧民街の強制撤去が行われる
                      → 『ホリディ』(1980~1988年)
          
1988~1993年:ノ・テウ大統領時代(民主化宣言) 
                     → 『ラジオ・スター』(1998~2007年)

1993~1998年:キム・ヨンサム大統領時代
    
      1997年:IMF経済危機

1998~2003年:キム・デジュン大統領時代
         
(日本大衆文化の解禁などをすすめる)
     
          2002年:サッカーワールドカップ日韓共催

2003 ~  現在:ノ・ムヒョン大統領時代

     2005年:保護監護法、廃止


こうやって、韓国の歴史を見てみると、韓国の民主化時代は、20年くらいなんですね。
最近になって、ようやく、自由な表現が許される時代になったわけです。
軍事政権下で民主化運動を見てきた学生たちが、今、映像文化の担い手となり、
過去に封印された歴史や、埋もれている人たちに、光を当て始めているように感じます。
今回上映された中の3本も、実際に起こった事件や、実際に存在した人物を描いた映画でした。

『青燕』は、日本植民地時代に、飛行士になるために必死に生きた女性を描いています。

『懐かしの庭』
は、光州事件のころ、活動家だった男性の半生を描いています。

『ホリディ』
は、ソウルオリンピックのときに強制撤去させられた貧民街の男性が主人公です。
保護監護法のために、貧困で軽犯罪を犯した人たちが、苦汁の人生を送る姿を描いています。

『ラジオ・スター』は、上記3本とは違い、フィクションの人物を描いています。
でも、文化の開放時代の韓国音楽業界という、やはり、韓国現代史を描いた映画ともいえます。
音楽業界にも弾圧の時代があり、そこからロックが生まれ、
民主化へ移行する中で、今のダンスミュージックや、バラードミュージックへと発展しているみたいです。
今の音楽業界では、ロックは過去のもので、その哀愁を描いたのが、この映画です。

どれも、特定の時代や事件を描いていますが、あくまでも、重点は、そのときに生きていた人たち。
何を感じ、どうやって生きていたのかが描かれていました。
だからこそ、よりリアルに、その時代を感じることができるのだと思います。
ここが、韓国映画の面白いところだな~。

今回のシネコリでは、韓国の近現代史に触れ、韓国映画のパワーの源を感じることができました。
娯楽満載の韓国映画も、もちろん面白いですが、
これからは、自分たちの歴史を見つめなおす映画が、新しく生まれてきそうな気がしますね。
やっぱり、韓国映画界は、目が離せません。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ワクワク((o( ̄ー ̄)o)) (猫野トクコ)
2007-08-22 20:36:46
hoppenさんは相変わらず
読み応えのある記事をお書きになりますねぇ。

分かりやすいし、もともとシネマコリアには、
行くつもりでしたけど、ますます興味も期待も
グングン高まりました(*´∇`*)

トラックバック頂きますね♪

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>トクコさん (hoppen)
2007-08-23 01:59:21
コメント&TB、ありがとうございました。
4作品とも、韓国を堪能できる映画でした。
多少の難はあっても、突っ込める楽しさを残していてくれてると思えば、また、楽しい!

『ホリディ』の、イ・ソンジェのかっこよさと、やりすぎチェ・ミンス。
『青燕』の前半の飛行大会。
この二つが、特にオススメです。

トクコさんのレビューも、楽しみにしてますね~!
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青燕 (JJJ)
2007-08-24 01:33:00
こんばんは、おはよ~・・・

歴史との対比、ありがとう。

そうなんだ・・・、と納得しています。
『青燕』は是非、見たいのだけれど、未見ですぅ。。。

やっと20年、凄い加速よね。
だから、あんなに元気がある国なのかしら。

hoppenちゃんの解説を聞いたら、「ホリディ」も
見たくなりました。
日本だったら、棚ボタ?みたいに逆に、良い所に
住めそうな気がすのにね。。。
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>JJJちゃん (hoppen)
2007-08-24 23:19:03
元気してますか?^^

韓国では、まだまだ、伝えたい知りたい題材が、いっぱいあるんでしょうね。

以前、シネカノンの李鳳宇代表が行ってたんですが。
韓国では、朝鮮半島の分断という、非日常的な状況が、日常にある。
だから、ドラマや映画で、非日常的な設定でも、リアリティを持って表現できるのではないか、と。
死んだと思っていた初恋の人が、突然現れたり・・・。
これは、韓国では、日常生活で起きうる出来事なわけです。
そう言えば、今回見た映画でも、
歴史的な出来事の中にも、自分たちのリアルな感情がビシバシ込もっていましたから。

歴史的な背景と映画の関係って、突き詰めると、いろんなことが見えてくるんですね~。
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よかったよね~ (よんみ)
2007-08-25 00:27:26
hoppenちゃん、なかなかこちらに来られなくてごめんね。
シネコリでは、お世話になりました。
私的には、『ホリデイ』が1番良かったなぁ。(『ラジオスター』は観てないけど)
もう1回観たいな、と思う。
グッとくる映画だった。。
あの、上下に揺れる撮り方、なかなか効果的だったけど、乗り物に弱い方は、酔っちゃうかも・・・?
ホント、一般公開されないのが残念だわ。
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>よんみちゃん (hoppen)
2007-08-26 18:43:59
イ・ソンジェ、最高だったよね!
エンタテイメント性もある映画だから、公開しても話題になりそうなのにね。

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