大会録

ホノマラの人々の大会の感想など

第7回伊南川100kmウルトラ遠足(たまる)

2016-11-27 18:02:05 | 伊南川100kmウルトラ遠足
フルの流れの中で100kmをぶちこむことになりますが(笑)、伊南川遠足の回想録です。
とはいえ、サブ10や完走を目指す人の参考になることは少ないと思うので、暇な時間や伊南川はどんな大会?って思ったときにでもよんでみてください。

出場経緯
昨年出てよかった点が多かったが(昨年の感想録参照)、特に印象に残っていたのが紅葉。昨年は1シーズン分の紅葉を満喫できた。あと制限時間が16時間と長いので精神的に楽。
車がないと不便な場所のため一人だけだとどうしようって感じだったが、当初からH越さんが参加するつもりだという話を聞いていたので、エントリー。いつも通りのことだが元キャプテン以上に人望がないので(笑)、メーリスを回してもだれもつれなかった。

直近の練習
皆無に等しい。週末のどちらかに6 kmジョグするくらいで、8月以降に10 km以上走ったのが浦佐を含めて3、4回くらい。

コース概要
伊南川のコースを(個人的な主観によって)いくつかの区間に分けると、
start~23km→スノーシェッドやロックシェッドがある緩やかな上り区間。
23km~31km→アルザ、ミニ尾瀬、七入のエイド充実区間。緩やかな上り。
31km~37km→走行禁止のトレイル区間。登り。
37km~53km→最高地点(沼山峠)から七入までの下り区間。
53km~60km→七入-アルザのエイド充実区間の逆走。緩やかな下り。
60km~68km→アスファルトの登り区間。
68km~77km→登り切ったトンネルから木賊温泉までの下り区間。
77km~96km→緩やかな下り区間。95kmくらいでゴール会場の真横を通る。
96km~finish→最後のエイドを通って、橋を渡り、坂を登って下ってゴール。
みたいな感じかな。小刻みなアップダウンが少なく、上り区間と下り区間がはっきりわかれているので、浦佐のコースを縦にちょこっと、よこにびよーんと伸ばした感じに近いんじゃないかと思います。


目標
タイムが狙えないことはわかっていたが、だからといって伊南川まで来てただ100km走るのももったいないので、以下のことを目標(というか目的)としていた。
・時間内完走
・沼山峠からコースアウトして尾瀬の展望台まで脚を伸ばす。
・トレイル区間の途中にある抱返りの滝を見に行く。
・エイドを満喫する(焼き肉、ハム、トマト、などなど)。
・ゴール会場で海宝さんまを食べる。
・エイドスタッフと話す。ほかのランナーともなるべく話す。
木賊温泉への入浴はタオルとかを持って走るのが面倒だったためしないことにした。


ここからやっと旅行記に入ります。

前日(金曜日)
研究室だったり仕事だったりで、18時過ぎに渋谷でレンタカーを借りて出発。池袋出発とかの方が現地への到着は絶対に早いことが分かっていたが、今回は安さを重視していつものジャパレンで借りた。
首都高→東北道を通り、宿泊先の会津たかつえ高原へ。途中、佐野SAで夕食。一般道に降りてから道路わきの温度表示はどんどん低くなり2℃とかになっていた。一年ぶりの道は懐かしかった。
で、宿着が22時45分くらい。星空がきれい。無数の星の中でなお一瞬で判別できるオリオン座は偉大だと思った。それに満月だった。
ちょこっとだけ準備をして就寝。

当日(土曜日)
朝3時起き。ご飯食べて準備して3時30分過ぎ宿発。からの4時過ぎ会場着。寒い。
受付して車内でゼッケンをつけて準備。当初の予定では半そで+アームウォーマー+ゴミ袋で走ろうと思っていたけど、寒かったので、ごみ袋ではなく薄手のウィンドブレーカーを着ることにした。それでちょうどいいくらいだった。スタート10分前くらいにトイレに行ったが、まったく並んでいなかった。

今年もスタート合図はポン菓子の破裂音。業者の方が、あと1分と言ったりあと5分と言ったりしている間に破裂。4時56分だった。

Start~23km(アルザの郷)
スタート時は真っ暗。ということで、ほかの人の懐中電灯の明かりを頼りに進む。持ち物は片手にデジカメだけ。昨年と同じ装備。川沿いのコースやスノーシェッドなど懐かしい。が、寒い。途中の温度表示が0℃。1ヶ月半前の浦佐との気温差が37℃って冷静に考えてやばくね、と冷静じゃない頭で考えていた笑。毎回エイドでトイレに行っていた気がする。5kmが37~38分くらいのペース。

23km~31km(七入)
前半最後の長くてアップダウンもあるスノーシェッドをぬけるとアルザの郷の目の前。復路はこのスノーシェッドの手前から登りに入る。アルザで温かいレモンティー(以後、ホットドリンクがあるところでは基本的に飲んでいた)、ミニ尾瀬でハム(新名物としてパウンドケーキに挟む食べ方をお勧めされたが、個人的にはそのまま食べるかトマトと食べるのが美味しく感じた)、七入でコーラを頂いた。

31km~37km(沼山峠:最高地点)
で、ここから走行禁止の山区間。歩く。序盤で見えた滝が抱返りの滝かと思って、近くまで行って満足していたら、実は違ったみたいだった(終わった後写真を整理していたら違うことに気付いた)。
昨年は何人かで話しながら登ったのであっという間に終わった気がしたが、今年はペースが合う人がおらず黙々と歩く時間が長かった。しかも頑張って登ったと思ったところで300mちょいしか登ってなくて軽く絶望。まだ半分。ここから東京タワー登ると思うと笑えてきた。近くにいる人に話しかけて一緒に登ったりもしたけどわずかにペースがずれているようでいつの間にか一人になったりした。
そんなこんなで沼山峠着。

番外編~沼山峠-尾瀬展望台-沼山峠~
沼山峠は尾瀬へ入るルートの一つ。何だかんだいって結構時間がかかっていたので(この時点で37kmを5.5時間くらい?)寄り道するか一瞬悩んだが、ここをすっとばして完走しても後悔することはわかっていたので脚を伸ばすことに。その前にエイドで休憩をしていたら、H越さんが登場。かなり消耗しているようだった。自分は寄り道することを伝え先に行ってもらう。
で、展望台までは階段を登って下ったら到着。歩いたら片道10分くらい。展望台っていうよりはベンチが置いてあるだけの休憩所。だけどわずかだが尾瀬沼が見えたので満足。下まで行くにはさすがに時間と体力が足りない。
で、同じくらい時間をかけてもどった。戻った後のエイド休憩も含めると30分くらいのロス。

37km~52km(七入二回目)
沼山峠から御池エイドまでは、バス専用道を下る(途中短い上りが何か所かあり)。途中でH越さんをぬかす。辛そうであったがとにかく行けるとこまで行くとのこと。写真撮影に絶好のビューポイントがいくつかあった。御池エイドからも下り。しかもそこそこ急だから脚へのダメージがつらい。下りが走れないのは練習不足。もう下りやだ、止まりたいとか思っているうちに七入に戻ってきた。
ここで中間点荷物を受け取れる。懐中電灯の準備。さらにおにぎりとトン汁が食べられるので、ゆっくり座って休憩。

52km~60km(アルザ二回目)
七入-ミニ尾瀬-アルザ間を戻るだけ。七入を出たあたりで急に頭がぼうっとしてきてしまいゆっくりしか歩けない。ミニ尾瀬エイドで休憩すると少し回復した。けどエイド出てちょっと走ると、また似たような状況になってしまった。途中で後ろから来た女性に声をかけてもらい、なんとかその人についていく。アルザ着。この後の登りに向けてしばし休憩。

60km~68km(峠頂上のトンネル)
アルザエイドを出たらすぐに登り。はじめちょっと走ってみたが、すぐにのどが渇きはじめ歩きになった。先ほど声をかけていただいた女性に引っ張ってもらって話しながら歩く。とにかく歩く。途中のエイドで登りがあと1.5kmという情報。そこからトンネルまでもうひと歩き。待望のトンネル。

68km~77km(木賊温泉エイド)
トンネル内の足元は暗いので、懐中電灯をつけようとしたら点かない。ふぁ、ってなった(笑)。いじってみると接触の部分が悪いようで、点いたり点かなかったりを繰り返した。
トンネルを抜けると下りなのはいいが、急だし足首痛いし、この状態であと30kmも走りたくないし、と思いはじめ、次のエイド(昨年のジンギスカンエイド)で焼き肉食べてやめようかと考えていた。なんとか走ってエイドに着いて、そしたらお肉はなかった。絶望。椅子に座って出発をためらっていると、エイドスタッフの小さな男の子がおもむろにゴール時のアナウンスの再現をやっていた。「△△からお越しの○○さん、両手を挙げてぇー、感動の100kmっ制覇―!」(←文字だと伝わらない。。。)めっちゃクオリティ高かった。と同時にそれを聞いたらちゃんとゴールしないといけない気がしてきた。ってことでゴールを目指す。完走できたのはこの子のおかげ。
この辺りから、フォームの意識を「走る」ではなく「ジョグする」にしてみた。そしたら余分な力が抜けて徐々に走れるようになってきた。おそらく相当無駄な力が入っていたのだろう。木賊温泉エイドの手前でそこそこ急な下りは終わり。

77km~88km(焼き肉エイド)
木賊温泉エイドをぬけたあたりが80kmくらい。スタートから12時間たっていた。80kmを12時間って昨年の夢の島と一緒じゃん。こんだけつぶれているのと同じだなんて夢の島は甘えていたらしい。
83kmくらいのエイドでは鶏汁が昨年はあった鶏汁がなかった。ショック。なのでコーラのお湯割りを宣伝しておいた。この辺りから暗くなっていて懐中電灯が必要。だが、電池が持つのか心配になってきたのでなるべく点けずに進む。
で、歩いてジョグして歩いてを繰り返してやっとの思いで焼き肉エイド。ここはちゃんとあった。美味しい。90km走ってきた甲斐があった。でも、だらだらしている暇はないので泣く泣く出発。

88km~96km(最終エイド)
エイドを出てすぐに気持ちが切れた。歩いてしまう。が90km過ぎの最後のスノーシェッドをぬけて町中に近づくと、少しずつ回復。満月がきれいだった。月明りのおかげで懐中電灯を点けなくても道路が明るい。なんかしらないけど、百人一首の紫式部の歌に月が出てきたなぁ、とか考えてた。雲隠れはしていなかった。
95km近くで一旦ゴール会場のすぐ横を通るため、応援の人がいた。応援してもらうと元気が出る。
で、96kmの最終エイド。ここにも焼き肉があった。ここでの焼き肉は想定していなかったのでテンションがあがる。もちろん食べた。行こうとしたら、エイドの人に「せっかくだからもっと食べていきなよ。」っておかわりを勧められた。そりゃ食べるしかない(笑)。

96km~finish
エイド出たときが大体14時間35分くらい。キロ6で行けばサブ15じゃん。ってことでそれを目標に走る。そしたら脚の動くこと動くこと。残り3km切ってからの久川城の砂利道の登りは意外と長かった。しかも懐中電灯で脚元を照らしながらなので走りづらい。走ったけど。そういえば昨年もなぜかここは元気で走っていたからあんまり長いイメージがなかったのかも。
会場に戻ってきて最後の直線でH越さんが待ち構えてくださった。そして、ゴール!15時間にはちょびっと及ばなかった。

ゴール後
ゴール後は抽選をやってタオルをもらい、参加賞のお買物券で食べ物を買って貪り食う。現金はほとんど使わなくて済んだ。途中で一緒に走った人たちとも会って挨拶できた。
頭からしっぽまで食べられる海宝さんまが焼きあがりそうだったので、それを買ってH越さんの待つ車へ。
直帰の予定ではあるがその前に汗を流すべく目的地は塩原温泉郷の日帰り温泉。23時まで受付しているところがあることが事前の調査でわかっていたのでそこに向かう。走った後の温泉は最高。体の芯からあったまった。
そこからはSAで適宜休憩&仮眠しながら渋谷へ。ほとんどの運転をH越さんにしていただいた。しかも首都高に入ったら眠ってしまっていたらしく、気づいたら目の前に信号が出てきた。駒場の裏門のとこだった。本当に申し訳なかった。それでレンタカーを返却したのが朝5時くらい。電車はもちろん動いているので解散しました、とさ。


まとめ
伊南川の参加賞Tシャツには、If you isn’t hurry, your life is full of wonder and joy
という言葉がかかれています。まさにこの大会を象徴している言葉ではないかと思います。直前までわからないスタート時刻、国立公園内の走行禁止区間、エイドに近接している秘湯、街灯がなくても月明りで明るい夜道、行こうとするとお代わりを勧めてくれるエイドスタッフ等々。そしてそれらを楽しむ余裕を与えてくれる16時間という長い制限時間。
タイムを狙うのもいいですが、100kmを楽しみたい方にはぜひ伊南川をお勧めします!

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