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東京マラソンへの局アナ参加は「強制労働」にあたらないのか?

2008年02月18日 | Sports全般

 

 オリンピックや世界陸上をめざすようなトップアスリートや陸上の専門家でなくても、いわゆる長距離走の「愛好家」で、普段から趣味として地道にトレーニングを積んでいる人たちなら、たとえフルマラソンを完走しても、よほどのアクシデントに見舞われない限り、歩行にも困難をきたすほどのダメージを負うことは考えられないはずだ。

 

 ところが、昨日開催された「東京マラソン」に参加し、制限時間の7時間ギリギリで完走した某民放局の女性アナウンサーは、今朝のレギュラー番組に痛々しい姿で出演していた。おそらく今週いっぱいは痛みが抜けないだろう。

 

 この局は東京マラソンの中継を担当しており、彼女のほか、相当のアナウンス部員が参加していた。報道ではアナウンス部長の「ツルの一声」だったとか。しかし、学生時代にスポーツの経験があるとか、普段からジョギングを愛好しているなど、ある程度の基礎体力があればともかく、ろくに運動の経験もない人間も参加していたようで、トレーニング期間も非常に短く、しかも社業やプライベートと掛け持ちでは、とてもフルマラソンを完走でき、ダメージを最小限に抑える体力ができていたとは思えない。

 

 局側はあくまでも「本人の意思」と言い張るだろうが、幼稚園から役所・企業まで、人間が二人以上集まれば「タテ社会」の論理が幅を利かせるのがわが国の現実である。ハッキリ言って「イヤ」とはいえなかったでしょうね。それとも生放送に遅刻したペナルティー? 

 

 また、これまでフルマラソンに何度も出場し、好タイムを出した実績があるとはいえ、現職の県知事が完走目的で出走したのも感心できない。前日は4時間しか睡眠をとっていなかったというではないか。もし、あなたにもしものことがあれば、県民は予定されていなかった選挙(そもそも彼が選ばれた選挙がまさにそうだったのであるが)などでよけいな税金を使われる羽目になる。あなたが地元をPRしたい気持ちも、その行動も十分に理解しているし、テレビ出演などを否定するつもりもないが、今回のように健康にダイレクトに影響するイベントへの参加は自粛すべきではないだろうか。むしろ、地元で市民マラソンを主催して、某都知事閣下のようにスターターを務めたり、せめて最初の数キロを走る程度にとどめるのが、自分を選挙で選んでくれた県民への誠意というものだろう。

 

 

 正直なところ、丸一日都内に交通規制が敷かれるこのレースは、某都知事閣下の独善的発想で始まったという経緯を含めて、あまり好感の持てるイベントではない。一般参加マラソンじたいを否定するものではないが、サミットと同じように大都市間の持ち回りでやってもらえないかというのが、休日も仕事をしている人間のひとりとしての正直な感想である。

 

 

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金 哲彦
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