日付 :2010年1月6日~11日
5泊6日の山行。
時間も充分あること、
3日目4日目に冬型が弱まり(風が弱くなる)高気圧圏に入ること。
等から、白峰三山を縦走することに。
奈良田から3kmほど歩いたところで、工事のおじさんが
「乗っけてやるよ~!」っと。
甘えて、あるき沢橋まで乗せてもらった。
2日前に15cmほどの雪が降ったそうだ。
トレースが消えているが、雪が軽く、それほど苦しくもない。
出発が遅かったが、なんとか池山小屋まで登ることができた。
2日目。
池山小屋から上は、昨夜の風でまたもやトレースは消えている。
お正月の登山者のトレースを期待していたのだが・・・。
先行していた人を追い抜き、厳しいラッセルが始まる。
道を探りながら進むが、踏み外せば、胸までもぐることしばしば。
次第に、体力を奪われていく。
そんな時いつも、
「いったい俺は何をしているんだ!」
「もういやだ!もういやだ!」
「今度からは絶対にトレースのあるときにしよう!」
そんなことを考えてしまう。
案の定、闘う気持ちを失い、2日目の目標であった八本歯には、たどり着くことができなかった。
ボーコン沢の手前、展望があるところでテントを張った。
天気図から、明日から冬型が緩むはず。
「稜線に出るのは絶対明日の方がいい!」
そう自分に言い聞かせ、2日目の行程を終えた。
3日目。
予想通り、風が弱まっている。
満天の星空が広がり静かな朝を迎えた。
放射冷却の影響か?
テントの中のすべてのものが凍りつくほどの寒さだった。
ボーコン沢までくると、北岳が圧倒的な迫力で眼前に迫る。
今までの疲れも一気に吹っ飛ぶ。
左に間ノ岳。
右に北岳。
稜線歩きを楽しんだ。
一昨年は2日でここまで来ることができたが、今回は3日もかかってしまった。
「三山を縦走したい。」
「まだ3日もある。」
迷ったが、大門沢の下りのラッセルが怖い。
また、トレースも期待できず、間違いなく、池山尾根以上に苦しむだろう。
ピストンに切り替えることにした。
夕方近く、遭難者を探すヘリが旋回する。
翌日もヘリは飛んだ。
残念な結果となってしまったが、自分の頭には強い教訓となって記憶に埋め込まれたのだ。
4日目。
またもや凍りつく寒さの朝。
真っ赤に輝く北岳と間ノ岳を見ることができた。
この景色を見たかったのだ。
何度見ても心が震える。
荷物を軽くすると、すこぶる足が速くなった気がする。
目の前の北岳にしばし足を止めながら、今日は間ノ岳を目指すこととした。
風の吹きぬける場所。
深い雪はないが、斜面は凍りついている。
アイゼンのつま先を突き刺し、カチカチ登っていく。
稜線上は風が強いが、展望も開け、胸が躍った。
5日目。
前夜から降る続いた雪とガスにより、展望はなくなり、やる気なし。
帰ろうとテントを片づけ、八本歯から下山し始めると、
ひとりの登山者が登ってきた。
「一緒に登りましょうよ!」
迷った。
「雲が出ているのは朝のうちだけですよ!」
迷った。
まだ、食料も充分あるし、晴れるのであれば・・・。
行くことに決めた!
雪はやんでいるが、雪は深くなっている。
登山者のペースがハイペース。
遅れを取らないように必死で付いていき、北岳の頂上に到着。
「やったぜ!」
展望が晴れることはなかったが、やはり登頂すると嬉しいものだ。
今日のうちに下山してしまおうと考えていたが、歩いているとなんと!
本当に晴れてきた!
たまらず、その場でテントを設営。
もう一晩ここに泊まることにした。
間ノ岳の向こう側に日が落ちて、静かな夜が始まる。
満天の星空の下、楽しく夜を過ごすつもりが・・・。
6日目。
明け方から吹き出した風が、時間が経つにつれドンドン強くなっていた。
暖かいとは言えないが、昨日までの風とはあきらかに違う。
風向きが変わったのだ。
天気の崩れる兆候が見えた。
急いでテントを片づけようとするが、風が強くなかなか片付けることができない。
なんとか、ザックに詰め込み、急いで下山したのだ。
あるき橋まで降り、12kmの林道を歩き、もうヘトヘト。
最後の難関を目の前に、「考える人」(苦笑)
ザックを背負って越えるのか?
中身を出して、空身で越えるのか?
なんとか越えて、山行を終えたのであった。
ここはやっぱり、トレースのある時期に登リたいと思った。
詳細はこちら。
2008年のレポはこちら。
5泊6日の山行。
時間も充分あること、
3日目4日目に冬型が弱まり(風が弱くなる)高気圧圏に入ること。
等から、白峰三山を縦走することに。
奈良田から3kmほど歩いたところで、工事のおじさんが
「乗っけてやるよ~!」っと。
甘えて、あるき沢橋まで乗せてもらった。
2日前に15cmほどの雪が降ったそうだ。
トレースが消えているが、雪が軽く、それほど苦しくもない。
出発が遅かったが、なんとか池山小屋まで登ることができた。
2日目。
池山小屋から上は、昨夜の風でまたもやトレースは消えている。
お正月の登山者のトレースを期待していたのだが・・・。
先行していた人を追い抜き、厳しいラッセルが始まる。
道を探りながら進むが、踏み外せば、胸までもぐることしばしば。
次第に、体力を奪われていく。
そんな時いつも、
「いったい俺は何をしているんだ!」
「もういやだ!もういやだ!」
「今度からは絶対にトレースのあるときにしよう!」
そんなことを考えてしまう。
案の定、闘う気持ちを失い、2日目の目標であった八本歯には、たどり着くことができなかった。
ボーコン沢の手前、展望があるところでテントを張った。
天気図から、明日から冬型が緩むはず。
「稜線に出るのは絶対明日の方がいい!」
そう自分に言い聞かせ、2日目の行程を終えた。
3日目。
予想通り、風が弱まっている。
満天の星空が広がり静かな朝を迎えた。
放射冷却の影響か?
テントの中のすべてのものが凍りつくほどの寒さだった。
ボーコン沢までくると、北岳が圧倒的な迫力で眼前に迫る。
今までの疲れも一気に吹っ飛ぶ。
左に間ノ岳。
右に北岳。
稜線歩きを楽しんだ。
一昨年は2日でここまで来ることができたが、今回は3日もかかってしまった。
「三山を縦走したい。」
「まだ3日もある。」
迷ったが、大門沢の下りのラッセルが怖い。
また、トレースも期待できず、間違いなく、池山尾根以上に苦しむだろう。
ピストンに切り替えることにした。
夕方近く、遭難者を探すヘリが旋回する。
翌日もヘリは飛んだ。
残念な結果となってしまったが、自分の頭には強い教訓となって記憶に埋め込まれたのだ。
4日目。
またもや凍りつく寒さの朝。
真っ赤に輝く北岳と間ノ岳を見ることができた。
この景色を見たかったのだ。
何度見ても心が震える。
荷物を軽くすると、すこぶる足が速くなった気がする。
目の前の北岳にしばし足を止めながら、今日は間ノ岳を目指すこととした。
風の吹きぬける場所。
深い雪はないが、斜面は凍りついている。
アイゼンのつま先を突き刺し、カチカチ登っていく。
稜線上は風が強いが、展望も開け、胸が躍った。
5日目。
前夜から降る続いた雪とガスにより、展望はなくなり、やる気なし。
帰ろうとテントを片づけ、八本歯から下山し始めると、
ひとりの登山者が登ってきた。
「一緒に登りましょうよ!」
迷った。
「雲が出ているのは朝のうちだけですよ!」
迷った。
まだ、食料も充分あるし、晴れるのであれば・・・。
行くことに決めた!
雪はやんでいるが、雪は深くなっている。
登山者のペースがハイペース。
遅れを取らないように必死で付いていき、北岳の頂上に到着。
「やったぜ!」
展望が晴れることはなかったが、やはり登頂すると嬉しいものだ。
今日のうちに下山してしまおうと考えていたが、歩いているとなんと!
本当に晴れてきた!
たまらず、その場でテントを設営。
もう一晩ここに泊まることにした。
間ノ岳の向こう側に日が落ちて、静かな夜が始まる。
満天の星空の下、楽しく夜を過ごすつもりが・・・。
6日目。
明け方から吹き出した風が、時間が経つにつれドンドン強くなっていた。
暖かいとは言えないが、昨日までの風とはあきらかに違う。
風向きが変わったのだ。
天気の崩れる兆候が見えた。
急いでテントを片づけようとするが、風が強くなかなか片付けることができない。
なんとか、ザックに詰め込み、急いで下山したのだ。
あるき橋まで降り、12kmの林道を歩き、もうヘトヘト。
最後の難関を目の前に、「考える人」(苦笑)
ザックを背負って越えるのか?
中身を出して、空身で越えるのか?
なんとか越えて、山行を終えたのであった。
ここはやっぱり、トレースのある時期に登リたいと思った。
詳細はこちら。
2008年のレポはこちら。
そんな時に北岳の遭難ニュースが入り心配したけど、
たしか晦日までは下界に居たはずだよねと思い直した。
「12キロの林道歩き」考えただけでも嫌です!
でも その何倍もの達成感が有るのでしょうね!!
本当にバイタリテイがありますね。
真冬に縦走しようとする三脚マンさんも
すごいとしか言い様がないですが、
満喫してる感じが、すごく伝わってきました。
でもオイラも林道12キロなんてイヤです(笑)
流石ですね。
縦走は適わずともこれだけやるにも私には遠い先の夢。
臨場感溢れる写真に釘付けです。
(この1週間、左腰腰痛が。。。 様子見してます。)
昨年末の白峰三山縦走の際にはレポを参考にさせていただきました。
う~~~ん、、また行きたくなってきました。
自分は北岳には登れませんでした。、冬山には日程の余裕は必要ですね。
しかし・・・凄い場所にテント張ってますね~。
北岳第2段ですね。。
近々見れるかなあ・・と思っていたら、こんなに早くに見れるとは。
一般的に他ブログで冬の南アのレポートって希少なので、見れて楽しめます。とても刺激的ですねえ。
池山小屋からラッセル、きつそう。。
柵越え(不法侵入的)も、きつそう&おもしろそう。笑
でも一番きついのは、、12kmの林道歩きでしょうか。
1人じゃ絶対に心が折れます。。
三脚マンさん、タフです。
というか厳冬期に縦走なさろうと計画されてたとは、、。
やんちゃすぎです!
大門沢の下り・・絶対トレースないっすよね。厳しそう。。でもいつかリベンジです? あー、怖い。
詳細レポ いつか、待ってます!
この時期この山に単独で、やみくもに計画通り突っ込んだとしたら、それは無謀に等しい。
年末年始、積雪が少なくて、天気に恵まれて先行のグループ・トレースがあるなら、三山縦走はできますよ(唯一私達が縦走できたのはこの条件が整った時でした。・・・この時でも前日、遭難事故があり捜索ヘリが飛んでいました)。
>・・・この景色を見たかったのだ。何度見ても心が震える。」
↑沢山沢山、感動する景色に出会う為にも、慎重に山を楽しんでくださいね。
私の冬季北岳は長年の課題であり、地元の利便性も生かし、心身ともにこの山行に傾注してきたので、登れてよかったです。でもその前後の仕事がたまって、まだ自分のHPにこの山行きの記録をアップデートできずにいます。
それでも貴殿のブログを拝見して、私は再び体中の血が騒ぎ、アドレナリンがグツグツいってきたので、とりあえずコメントを送らなければと思った次第です。
山を愛するとともに、すばらしい写真を掲載する貴殿のグログには今後も注目していきたいと思っています。
ご無事で良かったです。
しかしまあ、この時期に縦走とは・・・
今年も楽しみにしていますが、あまり無茶しすぎないように
してくださいね。
ちょうどこの頃は
犬の散歩で
早朝六時ごろから七時ごろまで
甲斐駒、北岳、間ノ岳と。
眺めながら、こんなときに登っている人は
いるのだろうかと
考えておりました。
朝焼けに映える山々は、里から見ると
それはそれは美しいと
言える情景です。
でもちょっと目を離すと
強風で、雪が舞い上がり、白く長い帯が
山全体を包んでしまい
何も見えなくなってしまいます。
そんなときに
登られていらしたのですね。
里にいても寒いのに
山頂付近は、ものすごい寒さでしょうね。
ちょうど遭難された方の
捜索ヘリが飛んでいましたので
無事を祈っていましたが
残念なことをしました。
今後も
安全第一で山行を楽しんでください。
そのうち
ご一緒させてもらえばと
願っております。
それではまた。
さすが三脚マンさん。
いやぁ、私は無理ですわ。。。詳細レポで疑似登山させていただきますです。
が、朝日に輝く北岳と間ノ岳。
心が震える美しさ、伝わってきます。この世にこんな美しいものがあるとは。
無茶しないでくださいね~、今年も「心が震える」いろんな美しい景色を、楽しみにしてます。