翔吾とかなちゃんのお花見写真を見せてもらいました。
今年の大法師公園の桜です。
私の故郷で、私の子供の頃の遊び場だったこの場所は今では桜の名所になって県内外から沢山の観光客が訪れています。
これは長年の、私の父の夢でした。
今日はその桜の話をしようと思います。
小さな町、鰍沢町の真ん中に大法師山という小さな山があります。
そこに植えられた桜の木は私が子供の頃はまだ小さく、それが2000本もあり町おこしの為に植えられた事は後に小学校の社会の宿題で知る事になります。
町役場の職員だった父に宿題の「鰍沢町の歴史調べ」を相談した時に父が初めてこの桜の事を話してくれました。
今はまだ、こんなに小さな桜の木だけれど、将来この桜が成長して一面に花を咲かせていつかこの場所を桜の名所にしたいのだと…
「いつかここに観光バスがバンバン押し寄せるようになるぞ!」
「そんなことあるワケないじゃん~」
父の夢物語を母も姉も私も笑いとばしていたけれど、父はいつもいつも熱く語っていました。
努力を怠らず、決してあきらめなければ夢は必ず叶う事をこの後私は父から学ぶ事になる訳です。
大法師山の桜が
「全国桜の名所100選」
に選ばれ、記念の石碑が立ちライトアップされ、あっという間に大法師公園は観光名所になりました。
関東地方だけでなく関西からも観光バスがバンバンやって来るようになりました。
富士川沿いの一本道のこの小さな町に名古屋や大阪ナンバーの観光バスが押し寄せるなんて…
子供の頃の遊び場がテレビや雑誌で全国に紹介されるなんて…
町役場の職員だった父の偉業を知る人は少ないけれど、この桜は父の長年の夢で私の自慢です。
夢は見るものではなく
叶えるもの
桜の季節になると、ピンク色に染まった山は私に勇気を与えてくれます。
肝心な父はこの光景をどんな思いでみつめているのかと思いきや…
狭い道路に迷い込んだ車を誘導したり、不法駐車を注意したりと忙しそうです。
退職して久しい父ですが、まだまだ父も夢の途中かも知れません。