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伊坂幸太郎、直木賞選考を辞退、  『半落ち』 横山秀夫の訣別宣言を思い出す。

2008年07月12日 | 

伊坂幸太郎さん:ゴールデンスランバー、直木賞選考を辞退


伊坂幸太郎は過去5度、直木賞候補に選ばれている。
なぜ今回だけ選考を辞退したのか・・?

今回はどう見ても本命だった。
他の候補者が弱い。
直木賞は作品が一番だが、それプラス、作家の功績、
に対して与えられる要素が強い。
芥川賞は作品重視の選考といわれている。


“15日に選考会が開かれる第139回直木賞で、
人気作家の伊坂幸太郎さん(37)が、長編小説「ゴールデンスランバー」
(新潮社)について選考対象となることを事前に辞退していたのがわかった。
伊坂さんは新潮社の担当編集者を通じ、
「直木賞は他の賞に比べ影響が大きく、候補になるとおだやかな気持ちで執筆できなくなる」
と説明している。毎日新聞社JP 



【直木賞】候補作


▽井上荒野「切羽へ」(新潮社)

▽荻原浩「愛しの座敷わらし」(朝日新聞出版)

▽新野剛志「あぽやん」(文芸春秋)

▽三崎亜記「鼓笛隊の襲来」(光文社)

▽山本兼一「千両花嫁 とびきり屋見立て帖」(文芸春秋)

▽和田竜「のぼうの城」(小学館)。



 
【芥川賞】候補作

▽磯ざき憲一郎「眼と太陽」(「文芸」夏号)

▽岡崎祥久「ctの深い川の町」(「群像」6月号)

▽小野正嗣「マイクロバス」(「新潮」4月号)

▽木村紅美「月食の日」(「文学界」5月号)

▽津村記久子「婚礼、葬礼、その他」(「文学界」3月号)

▽羽田圭介「走ル」(「文芸」春号)

▽楊逸「時が滲む朝」(「文学界」6月号)





P.S.
直木賞訣別宣言
『半落ち』

「私、梶聡一郎は、3日前、妻の啓子を、自宅で首を絞めて、殺しました」

横山秀夫『半落ち』は、映画化され、
03年日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した。

02年週刊文春の「傑作ミステリーベスト10」と
宝島社の「このミステリーがすごい!」の国内部門の1位に選ばれた。
第128回直木賞にもノミネートされたが、おしくも、落選をした。

「半落ち」には基本的な事実誤認があるという、林真理子選考委員の
クレームから、最終的には、横山秀夫の直木賞訣別宣言が出るという
大事件となった。
事件については、【世相百断 第49話】に詳しく書かれてある。

“骨髄バンク側は小説の設定に沿ってどう判断するかの再検討をしている。
その結果、「適合者が一人しかいない場合、法務省に協力を要請する」
との見解に至り、
法務省も「検察官が事案と被収容者の事情を総合的に勘案して検討する」と
判断にふくみをもたせている。『半落ち』の問題提起によって、
受刑者の骨髄提供に大きな前進があったといえるだろう。
と同時に、結果としてではあるが、事実誤認だと断定した林真理子の判断が
早計であった、ということになる。”

直木賞候補作『半落ち』の評判
デジタル文学館 かわもと文庫
【世相百断 第49話】




小説『半落ち』について
雑事雑感





わたしも『半落ち』を読んで感動をしたので、
林真理子の鬼の首を取ったみたいな傲慢な発言にはカチンと来ていた。
ミステリー小説界に恨みでもあるのだろうか・・。
いままで『半落ち』は、事実誤認はあるが、素晴らしい小説と思っていたが、
事実誤認はないことが分かって安心した。

横山秀夫は、『クライマーズ・ハイ』(週刊文春ミステリーベストテン03年第1位、
04年本屋大賞第2位受賞。)でも、直木賞を取れた作家だ。
林真理子発言はこの点でも許しがたい。
有為な人材の足を引っ張った結果となった。
伊坂幸太郎も、『ゴルデンスランバー』(本屋大賞、山本周五郎賞受賞)での、
今年の直木賞の予選を辞退したとのニュースがあった。
ミステリー小説家が、横山秀夫の直木賞訣別宣言もあり、
直木賞に魅力を感じなくなってきている証拠だと思う。

そもそも民間出版社文藝春秋社が主催というのが、おかしい。

ちなみに『半落ち』はライバルの講談社。林真理子は、文藝春秋の刺客か!
ただ『クライマーズ・ハイ』の出版元は文藝春秋社だが・・。


「ゴールデンスランバー」
ビートルズの最後のアルバム「アビイ・ロード」に入っている曲が
「ゴールデンスランバー」。
「黄金の眠り(子守唄)」・・・どんな眠りだろう・・経験してみたい・・・。



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