酔いどれ堕天使の映画日記

劇場やテレビでみた映画の鑑賞記。原則ネタばれなし!

『京義線(キョンイセン)』(2007韓国)

2008年10月31日 17時19分35秒 | TV鑑賞作品
NHKアジアフィルムフェスティバル特集
やはり録画してみました。

題名の京義線(キョンイセン)は朝鮮半島を南北に走る鉄道
主人公は結婚を意識する年齢の若い男女
男は生真面目で好青年の地下鉄の運転手マンス(キム・ガンウ)
女は美人で聡明だが人生に希望をなくしている大学の非常勤講師ハンナ(ソン・テヨン)

まったく接点のない生活環境に身を置く二人が乗りこんだ京義線の電車
それぞれが心に負った深い悲しみに途方にくれるうちにこの電車の終点駅についてしまいます。
雪が降りしきる中、他に交通の手立てもなく二人だけ取り残されますが
やがて二人は雪の中を歩き出していきます。

番組冒頭で監督自身が南北の融和を願ってつくったという趣旨の発言がありました。

労働の苦しい現実のなかに生きるマンスは北の
高い教育レベルと経済環境にもかかわらず心が満たされないハンナは南の象徴でしょうか?

京義線の列車は南北の境界線に立ちはばかれ
マンスとハンナもふりかかる衝撃的な出来事によって失望の淵にいます。
その象徴である境界線の駅

映画では別にドイツに留学していたハンナの東西の壁にまつわる経験が語られますが
自国を分割された民族の苦悩や悲しみの気持ちは我々の想像をはるかに超えたものがあるに違いありません。

ソウルの地下を今日も地道に運行する鉄道マン
好演するキム・ガンウの素朴な姿に親しみを感じずにはいられません。

☆☆☆



『ガレージ』(2006インドネシア)

2008年10月30日 18時00分15秒 | TV鑑賞作品
NHKアジアフィルムフェスティバル特集
BS2の放送を録画してみました。

インドネシアの都市バンドンが舞台

文字通りガレージから活動を開始したインディーズ・ロックバンド“ガレージ”に青春をかける
女の子と男の子2人の3人の音楽と友情、恋と悩みの日常をうつしとった作品です。

最初、画質も暗く、それぞれに問題をかかえた主人公達の表情も暗いので
みるのをためらいましたが、結局お終いまでみました。

監督は音楽のビデオクリップをつくっていたという人だけあって
とにかく演奏シーンが多いですが
たまに面白いアングルの写真がでてきたりしてちょっとしたセンスを感じさせます。

本国では大ヒットし、主演の三人で実際にバンド活動をしているとのこと。

多分インドネシアの映画をみたのは小生今回がはじめてだとおもいます。
とにかく、むずかしいことは言わず
つくり手や出演者たちの若く素朴でストレートな情熱に素直に拍手しよう
そう思うことにしました。

☆☆☆




『マッチポイント』(2005英=米=ルクセンブルグ)

2008年10月29日 15時36分53秒 | TV鑑賞作品
テレビ欄にスカーレット・ヨハンソン(ジョハンソン)の名前をみつけ
昨夜、BSJapanでみました。

何の予備知識もなくみはじめたのですが
テンポのよい会話と物語展開に思わず釘づけです。

舞台はロンドン
アイルランド人プロテニスプレーヤーのクリス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は
コーチとして就職したテニスクラブで上流階級の子息トム(マシュー・グッド)と出会い彼の父親が援助するオペラに誘われます。
この家族ぐるみの交際がきっかけとなり上昇志向の強いクリスはトムの妹の愛を得るばかりか父親の信頼も勝ちえていきます。
そんなある日、パーティーに招待されたクリスがトムから自分のフィアンセだと紹介されたのは
女優志望の魅力的なアメリカ人、ノラ(ヨハンソン)であった。

この番組、時間の関係でエンドロールがカットされていましたから分からなかったのですが
あとでこのブログを書くために調べたら
何と脚本・監督はあのウッディ・アレンでした。

どおりではなしに捻りがきいていて面白いわけだと合点がいきました。
『罪と罰』なんかを下敷きにして
突然死者が登場して語りだすお得意の演出は
まぎれもなくウッディ・アレンです。
どうして気付かなかったのでしょう。

アレンとヨハンソンといえば
今年5月に劇場でみた『タロットカード殺人事件』(2006英=米)
こちらも小生の好みです。

☆☆☆☆





早すぎて追いつかない!?

2008年10月29日 12時27分57秒 | 資産運用
昨日7000円を割り込んだ日経平均ですが
一転、たった一日で8000円台を回復しております。

昨日の小生の小言がつうじたのでしょうか
空売り規制の即日!発効も効いたようです。

ただ今回のような急激な上げ下げは
小生のようなじっくり型の投資家には
早すぎて追いつけません!

昨日の7000割れが当面の底なのでしょうが
決算発表、業績の見直しをうけ
もう一段下げる可能性もなくはありません。

いずれにしても、歴史的低水準の株価

やはり、いつもどおり慌てずに、じっくりと・・・。



空売り規制? あいた口が塞がらない

2008年10月28日 11時49分03秒 | 資産運用
前場一時的に7000円を割り込んだ日経平均

今日の日経朝刊に“政府が空売り禁止制度導入を検討”の記事

小生は基本的には空売りをやりません。
株式を保有しないまま売り注文をだす空売りはある意味ギャンブルですし
日々価格を気にしながら過ごさなくてはならないような取引は
小生の性格にはあわないからです。

ただこのような暴落相場では持株を保有したまま
損失を限定する手法としては有効だと思いますし
市場の流動性を高めるという観点から
他の人が空売りするのをとやかく言うつもりは毛頭ありません。

問題は政府の対応の遅さです。
完全にとるべきタイミングを逸していると言わざるをえません。

株価もここまで落ちてくれば、売り方もそうそう派手に売り浴びせできないでしょうし
そればかりかこうした規制を導入することで
それでなくても売買のさえない東京市場そのものが
これ以上冷え込む原因ともなりかねません。

つまり現時点での対応は功よりも罪のほうが大きいと考えるものです。

しかも、すでに賞味期限切れ?の対策を“検討”ですから

あいた口が塞がりません・・・。






弱気の虫

2008年10月27日 16時18分19秒 | 資産運用
今日の終値、日経平均 7162.90円、TOPIX 746.46
いずれもバブル後の最安値更新です。

先行して暴落してきた株価ですが
弱い決算発表や業績の下方修正をうけあらためて不安心理が増幅しています。
三菱UFJ銀行もタイミング悪く?増資を発表したことで銀行株も軒並みストップ安
悪材料をいいことに投機筋のカラ売りも大分あるのでしょう。

こうしたなか、買い物を物色中です。
前回2003年の安値更新時はズバリ輸出関連株でした。
今はこれまで日本経済を牽引してきた輸出関連株に買いを入れずらい局面ではあります。
しかし、内需株には将来の日本の姿を思い浮かべた時、やはり過度の期待はできませんので
この金融危機が去った後の将来に期待をこめ
ここはやはり、正攻法で・・・?

実は今日、さらなる下げを覚悟していくつかの銘柄に買い注文を入れたのですが
小生の指値ではひと株も出来ませんでした。

超楽観主義の小生にもついに“弱気の虫”が・・・!?





『地下鉄(メトロ)に乗って』(2006)

2008年10月26日 14時32分22秒 | TV鑑賞作品
流行りの“昭和レトロ”と浅田次郎原作は
興行的ねらいがみえみえでやや興ざめしてみはじめたのですが
大沢たかおや堤真一など役者たちの好演もあり
結構楽しめました。

しかし、原作ものとはいえ
ああいう結末には首を傾げたくなりますが・・・。

でているだけで画面が殺気だつ田中泯の凄さ!

☆☆☆



『予感』(2007イラン=NHK)

2008年10月25日 19時55分06秒 | TV鑑賞作品
BS2の放送を録画したのを今日みました。

昨年のNHKアジアフィルムフェスティバル国際共同制作作品とのことです。

冷え切った結婚生活をおくる精神科医の妻と広告会社経営の夫。
ある夜、夫は心を病む兄と暮らす若い女性と出会いやがてお互い惹かれていきます。

夫婦と兄妹4人の男女の悲劇的お話ですが
単に暗いというだけで小生には正直退屈でした。

そればかりか身勝手な夫の行動にただただ不快感を募らせるばかり・・・。

悪い“予感”が的中!?

☆☆






“日経マネー”誌の取材をうける

2008年10月24日 14時39分13秒 | 資産運用
先日、日経新聞からの取材に応じたばかりですが
今日も先ほど“日経マネー”誌の女性記者から電話取材をうけました。

ついに日経平均も7800円を割り、
これを書いている現在は7780円台まで下落しています。
取材テーマは、こうした状況下での個人投資家の「老後の資産形成」だそうです。

小生も老後に不安はないわけではありません。

しかし、とにかく何もなかった昔のことを考えれば
国民の平均的生活水準は世界的に見ても相当に高いレベルですし
マスコミがいたずらに不安心理を増幅させるからでしょうが
老後ばかり気にして貯めこむのもいかがなものかと思います。
上をみればきりがありません。
そこそこの生活が維持できる程度と考えればいいのではないでしょうか。
もちろん弱者に対するセーフティーネットは国が責任をもって整備しなくてはなりませんが・・・。

30歳台までの過去の浪費的な生活はともかく
中学、小学、2歳と3人いる子供の教育費もいよいよ本格的な出動となりますし
小生にとっても、ひとごとではない現実はあります。

だからこそ
これから先もローンを組んでまで“不動産”を取得するつもりは毛頭ありませんし
いままでどおり1円も借金することなく
身の丈にあった質素な暮らしを心がけていきたいと思います。


さて、お尋ねの「資産形成」ですが

“株”は買ったら忘れることにしております・・・。









『風の前奏曲』(2004タイ)

2008年10月23日 16時09分38秒 | TV鑑賞作品
昨夜のBS2の放送を録画してみました。

タイ伝統の木琴楽器、ラナート
実在したラナート奏者、ソーン師の青年時代と晩年を描いた感動作です。

地方出身の若者がラナートの第一人者として成長していくお話ですが
単なる伝記映画にとどまりません。

強豪のラナート奏者との神々しいまでの対決シーンや
ほのかな恋心などを織り交ぜて描く演出手腕は実に見事ですし
みていて心が洗われるようです。

この成長物語と同時進行的に
戦中の抑圧にも屈することなく伝統文化を静かにたたえる師の姿を見つめることで
やがて“誇り”にも似た不思議と晴れ晴れしい感情が沸きあがってきます。

それぞれの時代を演じる役者さんもよかった。

そして、奏でられるラナートの音色
ため息がでます・・・。

“アジアの良心”とでもいうべき精神性に満ちた感動の娯楽作
是非ご覧になっていただきたい秀作です!

☆☆☆☆



『五月の恋』(2004台湾・中国)

2008年10月22日 19時45分35秒 | TV鑑賞作品
昨日のBS2の放送を録画してみました。
台湾と中国ハルビンを結ぶ爽やかでちょっと心温まるラブストーリー。

人気バンド“メイデイ” のギタリストを兄に持つ弟アレイ(チェン・ボーリン)は、バンドのボーカルだと偽ってファンのメールに返信してしまいます。
メールの主は中国ハルビンで京劇を学ぶシュアン(リウ・イーフェイ)。彼女もまた大陸にいることを黙っています。
メールを重ねるうちアレイは台湾の三義に咲く花“五月の雪”を見たいというシュアンの願いを叶える約束をするのですが・・・。

シュアンは京劇の公演のため訪台。
アレイは待ち合わせ場所にいっても彼女に声をかけることができません。
彼が隠れながらシュアンのあとをつけるシーンがとてもほほえましいです。

やがて語られる両国の歴史に翻弄されたシュアンの祖父の人生。
“五月の雪”の意味があきらかにされていきます。

ハルビンの雪のなかでのまぶしいラストシーンとともに
見終わったあと清清しい余韻が残る佳作です。

☆☆☆




『嫌われ松子の一生』(2006)

2008年10月22日 11時10分22秒 | TV鑑賞作品

忘れもしません9月1日、福田前首相の辞任報道の特番での突然の放送の打ち切り!
昨夜のBSiでの“仕切りなおし”放送をみました。

いやー、あの愛すべき傑作『下妻物語』の中島哲也の脚本・監督作品だけに
ポップで絢爛豪華な画像処理、ミュージカルありの破天荒な演出に感心しました!
と言いたいところですが
小生最初からかなりの距離を置いて見ずにはいられませんでした。
つまり、この作品世界に入っていけなかったということ。

主人公達はわれわれの住む世界とは別のヴァーチャルな空間に存在し
九州と東京の距離さえ感じることを許されません。
さらに年号までつけ流される歴史的事件の映像は逆に現実世界との隔絶を強調します。

中谷美紀の熱演にもかかわらず、原作世界を“加工”しすぎて
“普通の一生”になってしまったという印象がぬぐいきれませんでした・・・。

☆☆


『泥だらけの純情』(1963)

2008年10月21日 17時34分28秒 | TV鑑賞作品
吉永小百合特集。
藤原莞爾の原作を馬場当が脚色し中平康が監督した恋愛映画の古典的作品。

お嬢様とチンピラの恋そして逃避行というお話はいたってシンプルですが
ここに小池朝雄のヤクザの兄貴なんかの絶妙な脇役陣が加わると
俄然映画としての面白さは増していきます。

銀座、渋谷、横浜、山手などのロケーションも効果的です。

☆☆☆



『ココシリ』(2004中国)

2008年10月21日 13時25分09秒 | TV鑑賞作品
“ココシリ”とは中国青海省の最後の秘境といわれる高地
この地では“チベットカモシカ”の密猟者達による乱獲が後をたたない。
すでに武装団と化した密猟者を取り締まる私設自警団の命がけのたたかいをえがきます。

映画は自警団の隊員の一人が密猟者たちにいとも簡単に命を奪われる衝撃的なシーンからはじまります。

復讐劇ならともかく、カモシカの密漁を防ぐためだけになぜ、彼らは報酬もなく自らの命をかけたのでしょうか。
やがてカメラはチベットの厳しい自然による情け容赦ない現実をもとらえていきます。

1990年代初頭の実話の映画化という以上に
ルー・チューアン監督のクールな脚本、演出に言葉を失います。

☆☆☆☆



『ガラスの中の少女』(1960)

2008年10月20日 22時40分52秒 | TV鑑賞作品
なんと15歳の吉永小百合の初主演作品です。
なんとなくつけたBS2でやっていたのをみました。

1時間あまりの小品ですが
彼女の初々しいかわいらしさに小生も2歳の愛息も画面に釘付けです。

のちに名作『キューポラのある街』で演じることになる利発で屈託のない性格の“ジュン”にもまた会いたくなりました・・・。

☆☆☆