駄菓子屋学~ほっこり「たかさんち」

元祖子供の居場所を意識した駄菓子屋24年の軌跡とだが活!新「だがるだじゃれ」駄菓子紹介R4/8開始~

弁護士事務所?

2018年08月12日 | 駄菓子屋
5年生の〇君は、六法全書が好きで時間があるとよく読んでいるそうです。時々、法律や政治について、常連の中学3年生〇君と意見交換をしています。ここは、駄菓子屋のはずだが・・と思うのですが、まるで、弁護士事務所か、国会なみの雰囲気になります。ゲームやテレビ、下ネタや学校、友達の話など、もちろんラフなやりとりが多いのですが、意外に世の中の情報には敏感で、話題のニュースや事件なども、子ども達は口にします。大人の視点と違って思ったことをはっきりいうので、聞いていても、楽しくすっきりします。法律番組も増えてきたせいか、法律というものが、身近になってきたようです。それにしても、趣味で、六法全書を読むのは大した者です。5年生でも、中3と、法律や政治について、会話が進んでいるのですから、子ども達というのは、お互い認め合うと、年齢や学年は関係ないようです。
 駄菓子屋で、子ども達が、政治や法律、社会について、熱く語っているとは、たぶん、誰も想像していないことだと思います。子ども達は、興味あることには、何でも夢中になります。そのことについて、気のあった友達とコミュニケーションをとっているのです。たくましく感じ、将来にも期待ができそうです。
(当時の学年で記載)




小さい6年生と大きい5年生

2018年08月12日 | 駄菓子屋
たかさんちには、色々な学年の子ども達が集まってくるので、学年を超えて、自然と会話がはずみます。気の合う子というのは、不思議なもので、学年が違っても仲良くなります。年齢、先輩後輩を気にしない、ある意味心の広い受け止め方が出来る子ではないかと思います。
 初めは、6年生同士、5年生同士で遊びに来ていたグループが、いつのまにか親しくなって、その中の、比較的小柄な6年生と、その6年生より背の高い5年生のふたりが仲良くなりました。
 ある日の夕方、私の前を歩いているこの二人を見かけました。夕日を背に受けて、小柄な6年生とその6年生より大きい5年生の後姿はなんとも、微笑ましく、網に入れたサッカーボールを蹴りながら、家路に着く二人は、満足げにみえました。
 子ども達というのは、常に仲間を求めています。同じ考えをもつもの、趣味の合うもの、その他に、同じ時間帯を過ごせるというのも、条件のひとつになってきます。
 特に習い事のない子、家に帰る時間の遅い子は、同じようなタイプの子を求めています。高学年ともなると、この傾向は強くなります。よく「明日遊べる?」などと、声をかけている子もみかけます。こういった子は、学年を気にせず、小学生でも、平気で中学生についていきます。物怖じせず、一緒に楽しんでいます。
 子ども達の社交の場に一役買えるのも、駄菓子屋ならではの効果だなと思います。
(当時の学年で記載)
 


ただいま・お帰り

2018年08月12日 | 駄菓子屋
学区外の子供達も、自転車を走らせ、よく、たかさんちに来てくれます。近所に駄菓子屋が無くて、来る子もいれば、近所の駄菓子屋よりこっちの方がいいんだと、わざわざ足を運んでくれる子供もいます。駄菓子屋によっては、値段が高かったり、子供ながらに、賢く安いお店ならと、遠出をしてまでもお小遣いを無駄にしないという知恵があるようです。
 隣町の中学2年生もよく来てくれます。小学校の時から来ている子が、友達を誘ってくれているのです。連れてこられた友達はたいてい「へ~こんな所にあるのか。知らなかったな~。」と言います。連れてきた子は少し自慢げに「自転車はここに止めて。」とか「このお菓子は当たりつき。」だとか、色々と教えてあげています。
 いつからかこの子達は、ここに、入ってくる時は「ただいま~。」というようになりました。最初は、ちょっと違う店にも用があって、そこにいって、またここに帰ってくるからと、ふざけて、「いってきま~す。ただいま~。」と言っていたのが、いつのまにか毎回店に入ってくる時は「ただいま~」と言うようになりました。もちろん「お帰り。」と答えてあげています。
 中学生にしては、落ち着いていて、誰かが少しはめをはずして騒ぎ出すと「めいわくだろ、静かにしろよ。」と友達に声をかけてくれます。こういう光景、こういう子供達の様子をもっと、もっと、多くの人に知ってもらいたいと思います。
(当時の学年で記載)


2018年08月12日 | 駄菓子屋
この不景気で不況の時代、今時の子供は夢がないなんて、言われますが、そんなことはありません。
 よく来る中学1年の子は、海外経験もあり、物理が得意です。児童館で怪しげなもの(反動で石が飛ぶ?)を作ったり、エアガンの構造について語ったり、デジカメを分解したり、小学校4年の時から隣の家の外人と線?をつないで交信したり、時々ついていけない話をよくしてくれます。いずれは、海外の大学に行って、何かを研究するようです。心は、文字通り「世界」のように広く、とてもおおらかです。せこせこしたことがきらいで、ど~んとこいという感じで、たまにいたずらをして、叱っても、平然としています。けど、程度を心得ているので、そんなに困らせることはありませんが・・「まあまあ、それくらいのこと、気にするな」といった感じです。この子と関わっていると、ほんと、日本は、狭い、小さいなと、考えさせられます。
 以前は、小学生を相手に風船の楽しい遊び方を伝授していました。将来はこの店を買い取って大きくしてくれるそうです。
 この子と同じようにこの店を狙っている、中学2年の子もいます。夢は甲子園出場と大リーガーです。実際、毎日練習、トレーニングをしています。代表にも選ばれたり、試合に勝ったりすると、必ず報告にきてくれます。お金が入ったら、この店を買い取るそうです。
 他にも、高校生になったら、海外に留学するとか、保母さんになるとか、読者モデルになるとか、それぞれの夢をかなえるため、その道を進んで、日々努力しています。
 じっくりと、子供達の目を見て、話を聞いていると、まるで、自分の夢のように思えてきて、とても楽しくなります。そして、この駄菓子屋で働きたいとか、こういう店を持ちたいとか、この店をのっとるとか、言ってもらえるほど、子供達の心には、この居場所が印象に残っているんだなと思います。
(当時の学年で記載)



招き猫

2018年08月12日 | 駄菓子屋
たかさんちがオープンした時、当時6年生だった子が、かわいいせとものの小さな招き猫のカップルをプレゼントしてくれました。たかさんちが、繁盛しますようにと、自分のお小遣いの中から購入してきてくれました。その日からお店に飾り、いつしかその招き猫のまわりには、不思議な伝説が生まれ、お賽銭が貯まるようになりました。この招き猫たちにお賽銭をあげると、なぜかくじ運があがるのです。(実際は、さだかでないです)
 駄菓子屋には、くじ付きおかしがあり、当たるともう一個もらえたりします。ひょんなことから、この招き猫にお賽銭をあげると、くじがよく当たるといううわさが広まり、1円2円と、端数があると、子供達は惜しまず、お賽銭をあげるようになりました。「当たりますように。」と言って、手を合わせます。
 そのお賽銭が結構貯まるので、時々神社に行って、みんなが幸せでいますようにと、今度は、こちらが、お賽銭をあげたりしていました。この正月も「初詣でで、みんなの幸せを祈ってお賽銭あげてくるからね。」と言うと、中2の子が、「それなら、そのお金でまた、招き猫を買えば?豪徳寺の招き猫は、有名だよ。」と、アドバイスをくれました。この子は、この地域の子ではなく、この近所に仲の良い友達がいて、よくたかさんちで待ち合わせをしています。
 なるほど!とさっそく、自転車を飛ばして、豪徳寺に行ってきました。近所にこんな風情のあるところがあったのかと、うれしさが倍増しました。丁度500円の招き猫が買えました。ただ、子供達がためた小銭で、招き猫が買えたのは、とてもうれしいことです。
 子供達も自分たちのお金が目に見えるもので、かえってきたので、大喜びです。もっと大きい招き猫がほしいとさっそく、また、お賽銭をあげていました。
(当時の学年で記載)