心理 カウンセリング 心の家庭教師

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コラム4 わかってもらいたい・・・ストーカーの心理

2004年11月11日 | 恋愛
 「ストーカー」という言葉は今や知らない人がいないというぐらい認知されてきていますが、多くの人はこの言葉やそういう人の存在自体がある種特別のものであり、自分にはあまり関係がないように思っているのではないでしょうか。しかしこれは他の神経症やうつ病などと同様、誰にでも起こりうるものなのです。
 
 かくいう私も「ストーカー」まがいのことをしたことがあります。相手のことが好きで好きでたまらなくて、毎日でも声が聞きたくて電話やメールをしてつながっていようとしていました。当然の事ながら相手もそれを望んでいるとばかり思っていました。しかしある日突然、ふられたのです。一瞬何が起こったのかわからず信じることができませんでした。そしてそれはある種の妄想へと膨らみ、「彼女は親に何か圧力をかけられたに違いない」とか「何かあったに違いない」と思いこむようになり、真意をただそうとして真夜中に彼女の家に向かったり待ち伏せしたりしたのです…。「ストーキング」の特徴は継続性とエスカレートなのでこれは厳密には「ストーキング」とは言わないのですが…。

 ただ最近、「ストーカー」とまではいかなくても、それに近い行動や考えや感情を持つ人が私の周りに増えてきました。その大きな特徴は、好きな相手に対し、自分の相手に対する想いと同じくらい相手も自分のことを想っているはずだ、と思いこんでしまうことです。自分と相手を同一化し自分からの視点でしか相手を見ていないので相手の立場に立って考える余裕がないのです。ですから夜中に電話して「会いたい」を連呼しても相手が迷惑だとは考えもつかず、相手も喜ぶに違いないと信じて疑わないのです。また相手が自分に対し「NO」と言っても「心の底では本当は会いたいに違いない」「照れているだけだ」などと自分に都合の良いように解釈してしまうのです。
 そして相手が自分のことを誤解していると感じると、それを必死になって解こうとします。必死になって接触を試みるのです。この「誤解を解こうとする」という行為はその人の「わかってもらいたい」「認めてもらいたい」という欲求の現れであり、相手に依存している自立できていない人間、ということがいえると思います。

 相手のことを100%知ることはできないし、知る必要もないのでないでしょうか?相手に自分のことを「わかってもらいたい」と思う人は、逆に相手のことをなんでも知らなきゃ気が済まなくなってしまうのではないでしょうか?そんな人の欲求に応える人がいると2人はしばらくの間はうまくいきます。いわゆる共依存関係が結ばれるのです

 いかがですか?あなたの身の回りにもこのような例はたくさんあるのではないでしょうか。またはあなた自身も当てはまることがいくつかあったのではないでしょうか。そうなのです。「ストーカー」は誰でもなりうるのです。本人にとってみれば良かれと思ってしたことなのです。相手が恐怖に感じているとは思いもしなかったでしょう。男性が女性をストーキングという例が多いのですが、その逆も多くなってきているように思います。自分が加害者にならないためには、まず、物事を多面的に見るように日ごろから癖をつけるといいと思います。事実をそのまま受け取り、妄想の世界に入らないようにするのです。日記をつけて一日を振り返るのは良い手だと思います。
 しかし被害者にならないためにはどうすればいいのでしょう。まずは一切の関係を絶つのが一番でしょう。ストーカーの中には自分が抱いていた妄想と現実のギャップが大きくなり、現実を見せつけられると、一転して憎しみの感情が出て衝動的になってしまうというボーダーラインパーソナリティーの性格も併せ持っている人が多いのです。このような状況に陥ると殺人などの犯罪にまで発展することも報告されているのです。

心理カウンセリング・こころの個別スクールのイル・クオーレ

         

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5 コメント

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妄想と現実は相対的である。 (ジェローム・パウロス)
2005-02-20 23:43:57
妄想(神話)も複数の他者と共有すると、共同幻想となり、リアルになります。現実は、コミュニケーションの中でつくられるものにしかすぎす、妄想が予言の自己成就というプロセスを経てリアルになることがあります。宗教現象がそれです。

 

 実際、絶対的な現実(真理)など存在しなく、要するに多くの他者がそれを支持するかしないかに左右されています。

 リアルと妄想との区別は、社会的につくられるものしかすぎません。

 

 そのような学問的立場(社会構成主義)に立つナラティヴ・セラピーというのがありますが、ストーカーに対しても、物語を語らさせ、物語の書き換えを行えば治ります。ちなみに神経症やトラウマというのも、精神医学がつくり出した一つの物語にしかすぎません。カウンセラーは物語に権威を与え、実体化する社会的役割を担っています。

 

 システム論的には、やはり個人の心理システムの現実も、後からつくられたものにしかすぎません。本心というリアルはもともと存在しません。リアルな本心なるものを想定するからかえってストーカー的な存在が発生するのだと思います。つまり、ストーカーは、他者の本心(リアル)と虚心という二項区別にこだわる人間です。相手の本心を自己の都合にいいように設定し、都合の悪い他の情報を虚偽として退けます。相手がそのコミュニケーションにのっかると、恋愛物語となります。のらなければ、ストーカーになります。ストーカーの心理の相対化とともに、ストーカーされるものの心理も相対化しておいたほうがいいと思います。つまり、ストーカーされるものの本心も、コミュニケーション過程で、つくられたものであるということです。コミュニケーションが先にあり、全てはそのあとから構成されたものしかすぎません。現実と虚構という二分法をすてさり、てーげーに思考することで、大体の病理現象は解消されます。
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Unknown (Unknown)
2006-08-07 00:48:19
大変興味深く読ませていただきました。それで二つほど質問があります。応えて頂けたらありがtあいです。



ストーカがコミュニケーションの過程で作り出される

と言うことは、相手の関係の中で自分に都合のいいようなストーリーを自ら作り出しているということなのでしょうか?



>現実と虚構という二分法をすてさり、てーげーに

>思考することで、大体の病理現象は解消されます。



二分法をすてさりてーげーに思考するということは

相手のすべてを知ろうとするのではなく、黒でも白でもない灰色の部分を許容できるという意味なのでしょうか?





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生き霊 (s子)
2007-04-20 11:10:29
 ストーカーにつきまとわれているのですが、、、
電話、メールが来ない日は、生き霊となって私の右肩にいるそうです。霊能者に言われました。
ある意味、ストーカーより怖いかも。。。。
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生き霊 (s子)
2007-04-20 11:10:51
 ストーカーにつきまとわれているのですが、、、
電話、メールが来ない日は、生き霊となって私の右肩にいるそうです。霊能者に言われました。
ある意味、ストーカーより怖いかも。。。。
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洗脳 (LIME)
2007-07-21 08:56:47
地方都市にて。

ストーカー。洗脳。
集団心理の中で理想の人物にされそうな?

周囲が勝手に妄想している。

1、ブログを覗く。
2、ゴミを物色する。
3、個人情報を地元グルミで共有している。
4、私の行動が気になっている。
5、ヘラヘラ笑う。
6、じょうどう行動
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