現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第62回:(フィクション)

2016-11-21 08:27:53 | 日記

「Nさん、あなたのおかげで円高が回避できた。トランプ氏当選後誰よりもはやくアメリカをサポートする声明を出してくれたのが良かった。日本の輸出産業が無事ですんだ」

 ある財界の大物がNに頭を下げている。

「当たり前の事をしただけです」

 Nは涼しい顔をして言葉を返した。

「今後はどう動くのですか」

「小池百合子氏が都知事として成功するためのサポート」

 このNの言葉に大物はニヤリと笑って、

「稲田朋美先生が次の総理に一番近いので、Nさんとしては昔の恋人にそっくりな小池百合子都知事に肩入れしたいのはよく分かる」

 こう言った。

「そんな理由じゃない」

「じゃあどんな理由」

 大物はニヤリと笑う。

「小池百合子氏はどうしたら日本創生ができるかよく知っている。はやいうちに日本は経済成長が上向かないとだめになる」

 Nの表情は厳しい。

「分かるよ、維新も足踏み状態だからなあ」

 大物がこう言葉を返した。


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