現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第33回:(フィクション)

2016-10-15 07:37:20 | 日記

「石原慎太郎の解答は答えになっていない。石原慎太郎氏に限らず歴代総理を証人喚問しないと。場合によっては百条委員会に出てもらわないと」

 Nは石原慎太郎の小池都知事質問状に対する解答に怒りをあらわにした。

「都民をバカにしているよな」

「都民どころじゃない。日本国民をバカにしている」

「都知事の許可なく地下空間をつくるなんてできないよ」

 仲間も怒り心頭だ。

「みんな何があっても小池都知事を助けよう。あの人には東京の新しい歴史をつくってもらわないと」

 Nの鼻息は荒い。

そしてこう言葉を続けた。

「すばらしい東京オリンピックを開催したいという思いは変わらないはずだ。もめている場合ではない」

「そうだ、小池都知事を信頼して采配は都知事に任せてもらわないと」

 今世界の目は東京に注がれている。

醜態を晒すような事があってはならないのだ。