Dress You Up

V-Stromで小さな冒険に出る!🏍=3=3=3
キャンプツーリングはいつも過積載、すれ違うライダーの視線が痛い>_<

【洒落怖より】祠

2011-08-18 22:48:21 | 怖い話
2ちゃんの「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない? 276」より怖い話を拾ってみた



550 : 祠1 : 2011/08/15(月) 00:02:56.28 ID:5GINjljK0 [11回発言]
怖い話初投稿でカキコ慣れてない&長くなってしまいましたが、
お付き合いしていただけたら嬉しいです。

ホラー好きの友人と3人で遊んでいるときに、心霊スポットに行こうという話になった。
ネットを使って調べていると、行けば絶対に幽霊が出ると噂のトンネルを見つけた。
中で複数人の叫び声のようなものを聞いたとか、
ボロボロの和服を着た男女複数が見えたとか、
体験した人の内容は様々だったけど、とにかく必ず何か起きているのは間違いないみたいだった。
場所と道を確認するためネットで地図を調べていたら、
トンネルとは別に気になるものを見つけたんだ。
そのままの地図ではなく、意味なく航空写真にしたりもしてたんだけど、
そのトンネルから少し離れたところに、小さな神社のような建物が写ってたのね。
それは木々に囲まれたところにポツンとあって、
地図にすると記号表記や名前は書かれてないけど、
写真の状態では確実にそこにあるのね。
近くに道は通ってるんだけど、そこまで繋がっている道は地図上にないし、写真でも確認できない。
もう少し山の上のほうにある神社は記載されてるし道も繋がってるんだけどね。
小さい建物のようだから、表記されないものなのかもしれないし、
実際にそういうものかもとも思ったんだけど、なぜか妙に気になった。
それで友人と話をして、そこにも行ってみようということになった。

552 : 祠2 : 2011/08/15(月) 00:04:35.34 ID:9282qRkz0 [1回発言]
夜になって友人Aの車でまずトンネルを目指した。
それなりに山の中にあったから、険しい道を予想していたんだけど、
車二台は十分すれ違えるくらいには広い道が続いていた。
登るにつれて人家はなくなっていったけど、道は細くなることもなく、順調に進んでいった。
しばらく走っていると、目的のトンネルの前に着いた。
写真で見たのと同じで、実際に見てもごく普通のトンネルで、
何て言ったらいいのか、古くて狭かったり小さかったりすることもなく、
現代っぽい普通くらいのサイズ?のトンネルだった。
車を降りて入り口の写真を撮り、中に入った。
そこそこ長いトンネルなんで、真ん中くらいまでしか入ってないけど、
中を撮影してるとき何回かシャッターが切れなかったことと、
少しだけ霊感のあるBが人の形っぽい何かを一瞬見たくらいで、
心霊写真も撮れず、たいした収穫もなく車に戻った。
出口付近まで車を走らせたところで突然ブレーキを踏んだので、
何だとAに聞いたら、和服を着ている男が数人立っていたと言った。
助手席に座っていた俺は見えなかったし、改めて見てみてもそんな男はいない。
車を降りて周囲を確認したり、写真を撮ったりしてみたけども、特別何も起こらなかった。


559 : 祠3 : 2011/08/15(月) 00:11:06.52 ID:5GINjljK0 [11回発言]
トンネルを抜けてからしばらくすると、上のほうにある神社へ繋がっている道についた。
目指す建物はその道を途中でそれて、地図上で道がないところを抜ければ行けそうだった。
神社へ繋がる道は狭くて車を駐車できそうな場所がなさそうだったので、
その道に入る前のところに車を停めた。
地図に載っている道からどの程度の距離にあるのかを事前に細かく確認し、
おおよその場所を記入しておいたものを持ち、
携帯のGPSを見ながら建物に向かっていきそうな道を探した。
歩いていると周辺にくらべて少しだけ視界が開けた場所を見つけた。
木の生え方が他の場所ほど密集しておらず、地面が平らか緩やかな傾斜になっていた。
そこを抜けていけば建物のほうへと向かえそうだったので、
改めて方角などを確認して、その場所へ足を運んだ。
建物があると思われるほうへ進んでいると、
途中からまた木が密集していて傾斜がきつくなり始めた。
傾斜の始まりと思われるところに沿って登りやすそうな場所を探してみると、
少しはマシな感じの獣道のようなところがあったので、そこから登っていった。
夜の山道で雰囲気はあるんだけど、霊っぽい現象にまったく出会えず、
野生の獣とかが飛び出してきたらそのほうが怖いなw
などと話しながらさらに山を登っていった。

560 : 祠4 : 2011/08/15(月) 00:12:17.69 ID:5GINjljK0 [11回発言]
そろそろかなと思いGPSで確認してみると、おおよそ場所はあっているようだった。
懐中電灯で照らして周辺を歩いて探してみたけど、建物らしきものは見つからない。
GPSや地図を見ながら何度も確認したけど、場所は間違ってなさそうだった。
まあ、正確な位置がわかるわけでもないから見落としとかあったかもしれないけど。
結構なところまで行かないと見つけられなそうだったため、
夜だと危ないという結論が出て、日が出てるときにもう一回探しに来てみようということになった。
それで帰ろうということになったんだけど、Aが何か声が聞こえたと言い出した。
俺もBも何も聞こえなかったんだけど、Aはまだ聞こえると言って、
誘われるようにどんどん獣道を登っていった。
俺とBは急いで追いかけたんだけど、Aはかなりの速度で登っていて、すぐに見失ってしまった。
そのまま続いている獣道を登って行ったんだけど、すぐに道のようなものはなくなっていた。
どうしようかと思っていると、Aの叫び声が聞こえた。
どこから聞こえてるのか分からずあたりを見回していると、
山の下、つまりついさっき登ってきたところから、血相を変えたAが現れた。
Aを見失ってから数秒しか立たず、道もすぐに行き止まりになっていた。
Aが途中で獣道から逸れて後ろに回ったのかもしれないが、何か変だった。
事情を聞こうかと思ったけど、Aはここはヤバい、とにかく離れたい
の一点張りでまったく話にならなかった。
仕方ないので戻ろうと、Bと獣道を戻ろうとしたんだけど、
Aがそっちは祠があるから嫌だと言って動かない。
Aを追って獣道を登って行ったときに、祠なんて見なかったから
そんなものなかった。何があった。と聞いたんだけど、
Aは無言で、とにかく祠は避けて戻りたいとだけ言った。
そうは言っても暗い中森を歩くわけにもいかないし、
安全に歩けそうなところは獣道しかなかったので、
Bと二人でなんとかAを説得し、獣道を降りて行った。
一応周りを警戒しながら建物があるか確認しながら降りたんだけど、
やっぱり、まったくそのようなものは見当たらなかった。

561 : 祠5 : 2011/08/15(月) 00:13:19.80 ID:5GINjljK0 [11回発言]
車に戻ると大急ぎでエンジンをかけて帰路に着いた。
トンネルを抜けるとき、複数の人間のうめき声が聞こえ、
バックミラーに人の顔が映ったのが見えたのだが、
顔色を真っ青にして無言で運転しているAを見たら話す気がなくなってしまった。
地元に着くいてAの様子が落ち着いてきたようだったので、
山で何があったのか聞いてみると、ポツリポツリと話始めた。

何かの声が聞こえたとき、なぜだか呼ばれているような気がして、
そう感じてすぐ、無意識に声に向かって走っていたらしい。
気づいたら、航空写真で見た小さな神社の前に立っていて、
そのすぐ近くに祠が建っていたそうだ。
木に隠れてしまっているだけかもしれないが、祠は航空写真にも写ってなかった。
声はまだ響いていて、よく聞くと赤ん坊の泣く声と、それに混じって女性の声が聞こえたらしい。
なんとなく祠に目を向けると、這い上がろうとしているように見える手が
地面から何本も伸びているのが見えたらしい。
祠の脇に足が見えたので、そっちに目を向けると、
そこには派手ながらもボロボロで汚れた着物を羽織った女性が立っていて、
かろうじて人の形をしている腐った赤ん坊をかかえていたらしい。
赤ん坊をかかえている手はガリガリの傷だらけで、
髪はボサボサ、顔もこけていて傷が多く、
目は虚ろながらもAのほうを見ているように感じたらしい。
頭の中で響いていた泣き声に混じった女性の声の一部がはっきりと聞こえてきて、
ウラム・ノロウ
といったことを繰り返し連呼していたらしい。
それで、ここにいたらヤバいという感情と、恐怖心から悲鳴を上げて走って逃げたそうだ。

562 : 祠6 : 2011/08/15(月) 00:14:02.70 ID:5GINjljK0 [11回発言]
それを聞いて興味が湧いた俺は、
Aを追ったときも、車に戻るときも建物がありそうな場所は見当たらなかったけど、
祠はいったいどこにあったのか聞いてみた。
するとAは、神社に行くときは無意識だったけど、ほぼ獣道に沿っていた気がする。
神社から逃げるときも無我夢中だったからはっきりとした記憶じゃないけど
ただひたすら獣道をまっすぐ登っていったはずだと応えた。
Bが自分も見てみたかったとつぶやいたら、
Aはあれはヤバ過ぎるから絶対に見ないほうがいい。と叫んだ。
Aの家に着いて車を降りたら、Aの車に無数の手跡がついていた。
みんな無言になって、その日はそのまま解散になった。

それからずっと祠のことが気になってたんだけど、
色々と忙しくて時間が取れなかった。
四日後に時間ができたので、前日にBとダメもとでAにも連絡を入れてみた。
Bはどうしても抜けられない予定があって、
Aは絶対にやめろ、取り返しがつかない、と最初は怒鳴られたが、
だんだん静かになって、自分は絶対に行かない。お前もやめておけ
とつぶやいた後、何かをボソっと言って電話は切れた。
補足しておくと、車の手跡は洗車したら簡単に落ちたそうだ。

563 : 祠7 : 2011/08/15(月) 00:15:02.97 ID:5GINjljK0 [11回発言]
翌日、どんなに言われてもどうしても気になったので
自分で車を出して一人で山に行くことにした。
暗いと危ないし道も分かりにくいので、日が出てる時間に。
念を入れてもう一度ネットで建物の場所を確認してみると、
周辺に結構な数の神社があることに気づいた。
前に行ったときと同じように、トンネルを抜けて車を停め、
山の上の神社へ続く道を歩いていった。
傾斜がゆるいところから獣道に入り、頻繁にGPSで場所を確認しながら祠を探した。
行ったりきたりしながら何度も場所を確認したんだけど、
やっぱり獣道の途中、といってもほぼ突き当たりに近いところなんだけど、
突き当たりより少し下ったところにあるみたいだった。
獣道から外れたところも探してみたんだけど見つからない。
あるはずの場所から外れたところも探してみたけど見つからない。
念のため獣道の突き当たりを突っ切って、山を登りながら探してみたけど
やっぱり建物らしいものは見つからない。
少し登ったら、山の上にある神社についてしまい、ここは確実に登りすぎ。
もう一度山を降りていって見つからなかったら諦めて帰ることにした。

564 : 祠8 : 2011/08/15(月) 00:15:54.04 ID:5GINjljK0 [11回発言]
神社側からくだり、獣道まで戻ってきたくらいで、俺の携帯が鳴った。
少し驚いたけど気分を落ち着かせて表示を見ると、Bからの電話だった。
話を聞いてさらに驚いた。Aが死んだという内容だった。
自宅のアパートの自室で倒れているAを同じアパートの住人が発見し
119番通報したのだが、すでに息がなかったらしい。
原因ははっきりとしてはいないが、状況から心臓発作だろうと言われている。
ただ、不思議な点がひとつあって、死ぬ直前に書いていたと思われる
A直筆の手紙のようなものが落ちていたらしい。
Bのところに警察が来たときに見せてもらったそうで、
確かに文字と言われるとそう見えなくもない特徴のある形が書連ねられていたみたいだが、
まったく読めなかったらしい。
唯一「怨」「呪イ」と書かれているように見えた部分があったそうだ。
とにかく警察の聴取もあるだろうし、さっさと下山することにした。
~~

565 : 祠9 : 2011/08/15(月) 00:16:24.22 ID:5GINjljK0 [11回発言]
Aの死と例の祠との関係が気になり、Bと一緒に山の上の神社へ向かった。
警察の聴取のときに俺も手紙を見たが、
「怨」「呪イ」と読めそうなところ以外は、全部何が書いてあるのかわからなかった。
祠のことについては、説明しても信用してもらえそもなかったので黙っておいた。
事務所らしいところから神主さんを呼んだ。
奥から返事が聞こえ、神主さんが姿を現し、何か御用ですかと言った。
Bが話があることを切り出したのとほぼ同時くらいに
神主さんの表情が厳しくなり、強い口調で中に入るよう促した。
居間に案内され、俺達が腰を降ろしたのを見て神主さんも腰を降ろして口を開いた。

神主「だいたいの予想はつきますが…、いったい何のお話でしょう?」
B「…実は、こちらの神社の近くにある祠についてお聞きしたいことがありまして…」
神主「やはりそうですか。それで…見てしまったのですね?」
俺「…はい」
B「私達の友人が、その祠を見て4日後亡くなりました」
神主「…」
神主「…わかりました」
神主「本来は無闇に話してはいけないことなのですが、
無関係ではないようですし…お応えできる範囲でお話しましょう」
B&俺「ありがとうございます」
俺「では直球に聞きますが、あの祠がある場所は何があったんですか?」

そう聞くと神主さんは少しずつ話始めた。

577 : 祠10 : 2011/08/15(月) 00:51:04.53 ID:5GINjljK0 [11回発言]
遅くなってすみません。続きです

獣道の途中の傾斜が他と違っている場所は集落の跡らしく、
祠が建っている場所は、外から土地を買い付けてやってきた地主の家があった場所だそうだ。
この地主の男がなぜ辺鄙な集落にやってきたのかはわからないらしいが、とにかく悪い男だった。
当時、その集落に入るための道は一本しか通ってなかったらしく、
男は自分がお金で雇った信頼の置ける人物を門番としてその入り口に配置。
集落の人間が外に出るのを防いでいたらしい。
それから、お金と権力を振りかざして、若い女性を囲ったり、厳しい強制労働をさせたりしていたらしい。
どういった形かはわからないが、外から人を招いて集落に住まわせることもしていたらしい。
ヤバいのが、その男が気に入らなかったり機嫌が悪かったりすると
相手を殺して、深く掘った穴に捨てていたそうだ。
二年近く経ったある日、外から招いた人物が先だって、
男の殺害計画が企てられ、実行された。
お金や権力があったところで、数に勝るものはなく、
今まで何に怯えていたのかわからないくらいあっさりと計画は成功した。
男に捕われていた人々を助けに館内を見回っていると、
男が現れて間もない頃に捕われた女性が、赤ん坊をかかえている状態で見つかった。
そこを目撃した集落の人は、赤ん坊の意味を理解し、
泣き喚いて暴れる女性を振り切って赤ん坊を取り上げ、
男が死体処理をしていた穴に生きたまま捨てた。
錯乱状態の女性に無理矢理言い聞かせ、強引に引っ張って館から離れた。
その夜、軟禁していたつもりの小屋から女性の姿が消えた。
館のほうへ行ったと考え向かってみると、
放心状態でフラフラと歩いている女性を発見。
声をかけても反応がなく、止めようと走り寄ったら、
女性は穴に落ちていったらしい。
それから四日後、集落は謎の大火災に見舞われ消滅した。


579 : 祠END : 2011/08/15(月) 00:59:35.54 ID:5GINjljK0 [11回発言]
その後、集落跡で大量の霊を見たり、その女性と思われる霊を見たりと
色々と問題が多かったらしい。
特に女性の霊を見たと言っていた人は必ず死んでしまったそうだ。
そのままではまずいと、穴の上に祠を、それを管理する神社を建てたのだが、
霊の力が強すぎたのか、それでも女性の霊を見る者が絶えず現れ、
そのたびに死んでいったらしい。その神社の神主も。
そこで、祠周辺を中心とし、集落を含めて全体を囲う形で神社を複数建て、
祠に辿り着けなくなるような封印を施したそうだ。
だから普通は絶対に祠に辿り着くことは有り得ないらしいのだが、
ごくごくまれに、どういう訳か祠に辿り着いてしまう人がいるということだった。

また補足ですが、トンネルの霊については、見張りがいない
集落から逃げられる道が出来たことにより、地主から逃げようとする霊や
火事から逃げようとする霊が現れている(霊道になってしまった)ということらしい。

俺「…見てしまった人は死ぬしかないんですか?」
神主「祠だけしか見てないのなら、助かることもあるみたいですが、
女性の霊を見てしまったらどうしようもないです。残念ですが…」

悲しそうな顔をして神主が俺を見た。
実はAが死んだ日、Bの連絡を受け獣道を帰るとき、俺も見てしまっていた。
祠と女性の霊を。
神主はきっとそれら全てをわかっていたのだろう。

以上です。付き合っていただいた方、ありがとうございました。

須磨海釣り公園

2011-08-18 19:04:39 | まち歩き
須磨海釣り公園
数十年振りに神戸市立須磨海釣り公園へ出掛けてきた

釣りは学生時代以来やってないので戸惑ったけど、最低限のツールでシンプルに始めてみたらあっさりと釣れた(^-^)v

四時間ほど滞在したけど、退屈しない程度に釣れて充実した釣りを楽しめた。

釣果:サンバソウ(イシダイ幼魚)…7匹 ベラ…1匹

神戸市立須磨・平磯海づり公園

須磨海釣り公園
須磨海釣り公園 by (C)ヒカル(v^0^)


今日のランチ…神戸牛吉祥吉

2011-08-18 16:29:06 | 食・レシピ
今日のランチ…神戸牛吉祥吉
久々に元町 吉祥の限定日替りランチを食べに行ったら、店名が吉祥吉に変わっていた。

それに日替りやハンバーグまでメニューから消えてるし。。。

仕方が無いので昼間から神戸牛の「ステーキランチ 極上もも」を頂く。

ここのお肉はいつ食べても申し分無い美味しさやけど、日替りが無くなったのは残念です(/。\)

神戸牛 吉祥吉 オフィシャルサイト
神戸牛 吉祥吉 本店
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今日のランチ…神戸牛 元町吉祥(2008/11/13)
今日のランチ…元町吉祥(2010/10/6)


【洒落怖より】ヒギョウさま

2011-08-18 02:13:00 | 怖い話
2ちゃんの「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない? 276」より怖い話を拾ってみた

ヒギョウさま

497 : 1/13 : 2011/08/14(日) 17:27:04.98 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
 今はもう廃業していますが私の母方の実家は島根で養鶏場をしていました。
毎年夏休みには母親と姉、弟、私の4人で帰省していました。父は仕事が休めず毎年家に残っていました。
母の実家は島根県の邑智郡と言うところで、よく言えば自然豊かな日本の原風景が広がる土地、まあはっきり言って田舎です。
 そこでいつも一週間くらい滞在してお爺ちゃんとお婆ちゃんに甘えながら楽しく遊びました。
田舎のことですのでお爺ちゃんもお婆ちゃんも朝がとても早く、夜がこれまたすごく早い。
朝4時ころには起きて、一番鶏が鳴く前に養鶏場の鶏に飼料をやり始め、そのまま糞をとったり玉子を回収したり孵化器を見たりの作業をしつつ、畑の手入れをし、夕方の5時ころには作業をやめて夕食、そして夜の7時ころには晩酌のビール片手にうつらうつらし始めるのです。
自然と私達も夜の8時ころには布団に入るのですが、そんな早くから寝られるものではありません。布団の中でその日行った川での出来事や、明日何をしようか等考え始めると目が完全に冴えてしまい、寝られなくなりました。
498 : 2/13 : 2011/08/14(日) 17:29:44.83 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
夜中、真っ暗な天井の梁を見るともなしに見ていると、私達の居る居間の隣、お爺さん達の寝ている六畳間のふすまが開く音がし、廊下をギシギシと誰かが歩き、玄関をあけて出て行きました。
そのまま夢うつつでボーっとしているとしばらくして柱時計がボ~ンボ~ンと12回鳴り(ああ、もうそんな時間か)と思いました。
すると5分くらいして玄関の開く音がし、誰かがサンダルを脱ぎ廊下をまたギシギシと歩き、六畳間へ入っていきました。
(お爺ちゃんかお婆ちゃんが鶏の様子か畑の様子でも見に行ったのだろう。)そう思い、あれこれ想像しているうちに寝たようで、気が付くと朝になっていて、皆もう朝ごはんを食べていました。


499 : 3/13 : 2011/08/14(日) 17:33:15.35 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
夢うつつの状態での出来事だったので夢かもしれないと思いましたが、その日の夜、また眠れずに居ると、やはり同じように夜中に誰かが外に出て、同じようにしばらくして戻ってくるのです。
次の日も、また次の日も、どうやらその誰かは毎晩11時30分に出て行き、0時5分ころ戻ってくるようです。昼間に姉と弟に聞いてみても、二人ともぜんぜん気付いていない様子でした。
大人のする事にはなんでも興味があった頃のことです。
私は誰が何をしているのか見てみたいと思いました。5日目、昼間あまり騒がないようにして体力を温存し、眠らないようにしてその誰かの後をつけることにしました。
これまで毎晩眠れなくて困っていたのに、眠らないようにしようと思うと今度は眠たくなるもので、危うく寝過ごすところでしたが何とかその誰かの気配で目を覚ますことが出来ました。
気配が玄関を出て行くの待って、私も玄関へ行き、サンダルを履いて外に出ると、お爺ちゃんが母屋から50mくらい離れたところにある孵化室の中へ入っていくところでした。



501 : 4/13 : 2011/08/14(日) 17:36:23.31 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
孵化室というのは鶏の生んだ玉子を孵化器で暖めて孵し、生まれた雛をある程度まで育てる専用の建物で、本来なら孵化所とでも呼ぶべきなのでしょうが、お爺ちゃんは孵化室と呼んでいました。
私もそっとお爺ちゃんの後に入ってみると、中は照明が付いておらず、孵化器の中から漏れるヒヨコ電球のボンヤリとした赤い光だけが頼りでした。
薄暗いと言うかコタツの中のような赤暗い中で、お爺ちゃんは凄く真剣な顔で孵化器の中を覗いていました、そしてたくさんある玉子の中から3つほど取り出し、玉子から顔をそむけるといきなりブリキのゴミ箱の中に叩きつけました。
私はビックリして「なにしょうるん?」と大声で言ってしまいました。
お爺ちゃんは私以上にビックリした様子で、倒れるんじゃないかと心配になるくらいの形相でしたが、私だと分かると安心したのか全身の力が抜けたようになって「なんじゃ、坊か、ビックリさすなや」と苦笑いを浮かべました。



503 : 5/13 : 2011/08/14(日) 17:38:36.95 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
私がもう一度「なにしょうるん?」と聞くとお爺ちゃんは「悪いんをとりょうるんよ」と言って、また孵化器の中を覗き始めました。
私はそれまでに孵る前の雛を間引くなぞ聞いたことも無かったので
「ヒヨコに悪いんがおるん?」と聞きました。
お爺ちゃんは「ほうよ、取らにゃあ大変なことになるんよ」と言って孵化器の中からまた一つ玉子を取り出しました。
私は玉子を良く見ようと覗き込みましたが、お爺ちゃんがあわてた様子で「こりゃ見ちゃダメじゃ!目が潰れるで!」と言ってすぐにブリキのゴミ箱の中に玉子を叩きつけてしまいました。
私が見た玉子には、中から雛が突いたのでしょう、大きなヒビが入っており、もうじき雛が孵りそうな様子でした。
ゴミ箱の中はスプラッタな様子が容易に想像できたので見たいとも思いませんでしたが、お爺さんは私の目から隠すようにすぐに蓋をしていました。



505 : 6/13 : 2011/08/14(日) 17:41:39.88 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
その時、ゴミ箱の蓋に何か白い紙のようなものが貼ってあるのが見えました。
何だろうと思っているとお爺ちゃんが腕時計を見て、
「0時を回ったけえ、今日は終わりじゃ、坊、帰って寝ようや」と言い、すぐに孵化室から出ようとしました。
私も夜中にこんな不気味なところへ一人で残されるのは御免なのであわてて孵化室を出ました。
そのとき、孵化室のドアの横になにか玩具のようなものが見えたような気がしましたが、もう眠いし、ちょっと怖くなってきたので次の日見ることにして、お爺ちゃんと一緒に母屋へ帰り、その晩はお爺ちゃんの布団で一緒に寝ました。

506 : 7/13 : 2011/08/14(日) 17:43:36.40 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
次の日、午前中,弟と虫取り遊びをし、帰って早めの昼食を摂っていると何か違和感を覚えました。
(ああそうだ、今日はお爺ちゃんが居るんだ)
よく考えてみると、それまでお爺ちゃんと一緒に昼食を摂った記憶がありません。
いつもお昼の11時30分頃から姿が見えなくなっていたのです。
その日は村の寄り合いがあるとかで朝から出かけており、11時頃ベロベロに酔っ払って帰ってきて、一緒に食卓を囲んだのでした。
お爺ちゃんは白飯に冷たい麦茶と漬物でお茶漬けにして食べていましたが、途中で食卓に突っ伏して寝てしました。
私達は起こしちゃ悪いと思って静かに食事を済ませ、外に遊びに行きました。
外に出てから前の晩にチラッと見た孵化室の玩具のようなものを思い出し、弟と一緒に見に行くことにしました。


508 : 8/13 : 2011/08/14(日) 17:45:41.63 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
それは、玩具ではありませんでした。ペンキのようなもので鏡面を朱色に塗られた手鏡。
粘土で作られた小さな牛の像。プラスチックの安そうな造花。
昨夜はそのカラフルな色合いから、玩具のように見えたのでしょう。
しかし、それらはなんに使うものかまったく見当も付きませんでした。
私はお爺ちゃんが昨夜玉子を捨てていたゴミ箱に気が付きました。
昨夜は暗くてよく分かりませんでしたが、明るいところで見るとそのゴミ箱の蓋には、昔風の線を崩した読めない字で何か書いてある古そうな紙が一杯貼ってありました。


509 : 9/13 : 2011/08/14(日) 17:47:24.49 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
「あっ!生まれとるで!・・・え、・・・何・・アレ・・・」孵化器を覗いた弟が、玉子が孵っているを見つけたようです。
私は、生まれたての雛を見たくて孵化器の扉を開けました。

すると

雛?がいました。
しかし、その雛?は他の雛とは何かが違いました。
良く見ると、他の雛達と違い、全く震えていませんでした。
全くさえずっていませんでした。

そして眼が、眼だけが、人のそれでした。

ソレは孵化器の棚からドサッと土間へ落ちると、首を振らず、スタスタと歩いていきました。
私はその異様さに、動くことができませんでした。
ソレが孵化室を出て西のほうへ歩いていき、見えなくなると、金縛りが解けたようにやっと動けるようになりました。


524 : 10/13 : 2011/08/14(日) 19:43:51.77 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
そして弟の方を見ると、弟は

よだれをダラダラと流し、眼はどこも見ておらず、呼びかけても呼びかけても反応がありませんでした。
私が大声で弟の名を何度も呼んでいると、お爺ちゃんとお婆ちゃんが息を切らして飛び込んできました。
「おいっ!!見たんか!!」
私はお爺ちゃんの形相が恐ろしくて「見てない」と答えました。
お爺ちゃんは私の眼を見ながら「見とるじゃろ。どっち行ったんなら?」と怖い眼で聞きました。
「あっち」と私は西のほうを指差しました。
するとお爺ちゃんは出入り口のドアの横においてあった粘土の牛の像と造花を持って、私の指差した方へ走っていきました。
お婆ちゃんは弟の名を何度も呼んでいましたが弟はよだれを流すばかりでなんの反応もしませんでした。
「ヒギョウさまと眼が合うたんか・・・」
お婆ちゃんは悲しそうに言いました。
「もう直らんの?」私は、弟とそれを見るお婆ちゃんに、幼いながらもただならぬ様子を感じ、そう尋ねました。
「いや・・・坊、そこの赤うに塗っとる鏡を取ってくれ。」

525 : 11/13 : 2011/08/14(日) 19:46:04.08 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
私が鏡面を朱色に縫られた手鏡を手渡すとお婆ちゃんは、「見ちゃあいけん、母ちゃんのところへ行っとき。」と、私を孵化室の外へ出しました。
私は母と姉のところへ行きましたが、母に何と話していいものか、何も言えずに母に抱きついていると、弟とお婆ちゃんが戻ってきました。
私は歩いてくる弟を見て、(ああなんでもなかったんだ。良かった)とホッとしましたが、何か、弟に違和感を感じました。

話してみると、確かに弟です。
一緒に孵化室に行ったことや、昨日のこと、一昨日のことも覚えています
しかし、どこか、何かが違うのです。
母も、弟に何かを感じたのでしょう、お婆ちゃんに「お母ちゃん、まさか・・・」と聞きました。
お婆ちゃんは悲しそうに頷くだけでした。
母が、弟を抱きしめてワンワンと泣いたのを覚えています。
弟はキョトンとしていました。
姉は弟を薄気味悪そうに見ていましたが、母が泣くのを見て、一緒に泣き出しました。

526 : 12/13 : 2011/08/14(日) 19:49:37.11 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
しばらくするとお爺ちゃんが帰ってきました。
「ダメじゃ、間に合わなんだ」そう言って悲しそうに首を振りました。
「婆さん、誰かは分からんが遅うても2、3日の内じゃろう、喪服を出して風に当てといてくれ」
そういうとお爺ちゃんは弟を抱きしめ、「すまんのう、お爺ちゃんが寝とったけえ、こがあなことに・・・ほんまにすまんのう」
お爺ちゃんはボロボロと涙を流して謝りました。弟は「何?お爺ちゃん痛いよ」等言っていました。
その声、そのしぐさ、確かに弟なのですが、やはりソレは弟ではありませんでした。
後からお爺ちゃんは言いました、
「お天道さんの一番高い刻と夜の一番深い刻に生まれた雛は、御役目を持っとるんじゃ。じゃけえ、殺さにゃあいけんのよ。」
「夜に生まれた雛も『ヒギョウさま』になるの?」と、私は聞きました。
「誰に・・・ほうか、婆さんが言うたんか。
いや、違う。夜に生まれたんはもっともっと恐ろしいもんになるんじゃ。」そういってお爺さんは薄気味わるそうに孵化室のほうを見ました。


527 : 13/13 : 2011/08/14(日) 19:52:20.94 ID:zBvOhT5L0 [15回発言]
このときの話はこれで終わりです。

後に、私が高校の時に、実家が養鶏場を営んでいる同級生がいました。
そいつに『ヒギョウさま』について聞いてみると、最初は何のことか分からない様子でしたが、あの夏の出来事を話すと、「ああ、『言わし鶏』のことだな。」と言っていました。
何でも、今ではオートメーション化が進み、センサーとタイマーにより、自動的に12時と24時に孵りそうな玉子は排除されるのだそうです。

あれからも毎年島根へ帰省しています。弟は元気に小学校で教師をしています。
もう、以前の弟がどうだったか、覚えていません。だからもういいのです。
アレから二十年も家族として暮らしてきたのですから、もう完全に家族なんです。

さるさん規制で投稿遅くなりました、スイマセン。

【洒落怖より】達磨の絵

2011-08-18 00:05:00 | 怖い話
2ちゃんの「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない? 276」より怖い話を拾ってみた

達磨の絵

364 : 1/2 : 2011/08/14(日) 01:32:10.48 ID:GdI1xJYU0 [2回発言]
俺の家に達磨の絵があるんだよ
髪が長くて顔も女顔の達磨とか、デブの達磨とか、ひょろ長いじい様の達磨とか
なんか妙に人間臭い個性的な達磨が7体無造作に転がってる絵なんだよ

俺ガキの頃その絵が飾ってある部屋で親と寝ててさ
そんなかで一際でかく描かれてる髭はやした白達磨が滅茶苦茶怖かったんだわ
何でかって、そいつ黒目が動くんだよ。
ぎょろって上を見上げてるんだが、俺が直視すると明らかにこっち見てんの。
親に言っても気のせいって言われるし、仕方ないんで6歳位まで
そいつと毎晩睨み合ってたんだわ。

それから先は自分の部屋で寝るようになったからその達磨の事も忘れてたんだけどさ。
365 : 2/2 : 2011/08/14(日) 01:35:34.73 ID:GdI1xJYU0 [2回発言]
ある日、俺ん家に友達が来たんだよ。
そいつちょっと霊感あるやつで、たまたまその達磨の絵が飾ってある部屋の前通ったとき、
「げぇ!!」って言ったんだよ。
何?って聞いても、いや別に。って感じでかわされてさ。
なんかムカついたから、何何何?っしつこく聞いたら
今は言いたくない。外行きたい。外で話すって言い出してさ。
結局公園行って聞いたんだわ。

「お前ん家、趣味悪いよな」
失礼な、何言い出すんだこいつ
「あの絵、何だよ。おかしいだろ…何飾ってんの?」
「え?あの達磨の絵?」


「達磨じゃねーよ!!あれ人間の絵じゃねーか!!」

俺がダルマ女っていう都市伝説を知ったのはその後だ。
友人曰く、
「俺が部屋の前通った時、あいつら7人全員一斉にすごい形相で睨んできた。
……あいつら生きてるよ」