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【世界の新エネルギーは今】(7)サウジ 原発推進で石油輸出余力

2011年07月23日 19時55分08秒 | ニュースの感想

【世界の新エネルギーは今】(7)サウジ 原発推進で石油輸出余力

2011.7.23 05:00

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110723/mcb1107230501006-n1.htm

20年で16基計画 国内電力需要賄う

 「電力需要は確かに増え続けているが、政府は事態をしっかり制御している」。日中の気温は40度を超すサウジアラビアの首都リヤド。アブドラ・ホサイン水利電力相は、冷房の効いた執務室で胸を張った。

 世界最大の原油埋蔵量を誇る石油輸出国機構(OPEC)の盟主として取引価格に絶大な影響力を持つサウジで今、巨額のオイルマネーを注ぐ壮大な事業が進み出している。20年間で16基の原発を国内に建設するという計画である。

 

◆人口増と水不足

 サウジでは現在、電力のほぼすべてを石油や天然ガスによる火力発電に依存し、国内の消費用に回される石油は産出量全体の約3分の1に上っている。

 国連の推計などによると、サウジの人口は今後10年で約20%増加、これに伴い電力需要は約1.6倍に増える見通しだ。このペースで国内エネルギー消費が伸びれば、20~30年後には原油の輸出余力がほとんどなくなるとの試算さえある。

 国土の大部分が砂漠の同国には慢性的な水不足問題も重くのしかかる。サウジは1980年代以降、海水の淡水化事業を強化し、現在では工業用水はほぼすべて、住宅の約6割に淡水を供給している。だが、淡水化は膨大な量の電力を消費する。

 原発計画を主管する政府機関「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市」によると、導入後は原発の割合を全体の20%程度に引き上げ、そこから生まれた電力や余熱を淡水化施設に活用する。原発が軌道に乗ればその分、石油を輸出に回すことも可能という算段だ。

「サウジが電力不足に陥る心配は無用だ」。ホサイン氏が強調するのも、計画実現への自信があるからに他ならない。

 人口増と水不足という同様の問題を抱える湾岸産油国のアラブ首長国連邦(UAE)やクウェートでも原発建設計画が進む。「アラブの春」と呼ばれる民主化運動の拡大を恐れる各政府には、国民の不満に直結する電気や水道料金の値上げは回避したい。原発は国内の政情を安定させ、原油輸出国としての存在感を維持するためにも欠かせない“頼みの綱”となりつつあるのだ。

 サウジの原発計画は総事業費1120億ドル(約8兆8000億円)規模。米国やフランス、中国、韓国などと原子力協定を結び、ロシアとも協議中。国際入札に向けた競争は激しさを増す。

 

 ◆「イランの核」脅威

 地域大国を自任するサウジにとって、原発建設の目的は電力だけではない。

 「イランの核(開発)は、サウジを刺激することにもなるだろう」

 英紙の報道によると、原発計画発表直後の6月、サウジの諜報機関を長く率いたトルキ・ビン・ファイサル王子は、北大西洋条約機構(NATO)の会合でこう発言。ペルシャ湾をはさんでにらみ合うイランが核兵器開発能力を獲得した場合、サウジも追随する可能性を示唆したものと受け止められた。原発計画も、最大の脅威であるイランの核保有を見越した安全保障上の備え-との観測は絶えない。

 「現在のサウジにウラン濃縮の能力があるかどうかははなはだ疑問だ」。リヤドに駐在する核保有国の外交官はこう指摘しつつ、「イランに後れを取っていることにサウジは焦っている」との見方を示す。

 国内の安定と外貨獲得手段の維持、さらには「外敵」への対抗意識がサウジを原発建設に走らせる動力となっている。

(リヤド 大内清)



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