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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

「世界の文字の物語」展 ~大阪府立弥生文化博物館 夏期特別展~

2016-09-13 18:31:34 | 博物館へ行こう
 大阪府立弥生文化博物館のFacebookを見ていて、中島敦の書いた小説「文字禍」などの話題が掲載されたりしているうちに、展覧会に行きたいという気がどんどん高まり、最終日の1日前に実際に足を運ぶことができた。(本当は、その前の週に行って、甲骨文字の研究者 落合淳思さんの話を聞きに行きたかったのだが、仕事のために断念。非常に残念であった。)
 大阪府立弥生文化博物館へは、JR信太山駅から徒歩で向かった。国道26号線を渡って博物館に行く。確か僕が大学4回生ぐらいの時にこの博物館が出来たような記憶がある。大判の「弥生文化」という弥生文化博物館が編集した本を買ったと思う。
 この時は、バブル景気の真っただ中だから、大阪府も弥生文化博物館の他に、近つ飛鳥博物館、狭山池博物館などの博物館を立て続けに開館していった時代である。

 

 さて「世界の文字の物語」展である。コーナーは、「第1章楔形文字の発明と消滅」「第2章”神の言葉”からアルファベットへ」「第3章現代に息づく古代文明の文字」と3つの章に分けて構成されている。入り口の所に、文字の発生時から現代にいたる系統図が示されている。文字は、今から約5000年前に西アジアで始まったとされる。そして、もともとは楔形文字、ヒエログリフ、甲骨文字などの数種類の文字は、様々な文字に変容し、世界中に広がっている。系統図を見て、おっと思ったのが、モンゴル文字やウイグル文字など中央アジアの文字は、漢字の流れではなく、遠くはフェニキア文字の流れを汲んでいることだ。イメージとしては、漢文化圏であったので、意外な気がした。
 文字の始まりは、トークンというものであったらしい。トークンは、物品の取引や数量管理のために使われた球形の粘土である。これを使って物の数量を管理していた。次第に、トークンを粘土で球形に封入し、外側に中のトークンの数がわかるように印をするようになる。そして、トークンを用いずとも数量等を粘土板に書きこむようになった。
 そして、紀元前3300年ごろメソポタミアのウルクという都市で最古の楔形文字が発明されるに至ったとされている。
 ここまでが第1章の展示である。「トークン仮説」に基づいていると思う。

 第2章は、エジプトのヒエログリフからアルファベットへ繋がる物語である。古代のエジプト文字は、聖刻文字であるヒエログリフと神官文字であるヒエラティックがあり、フェニキア等に伝播していってフェニキア文字ができる。ギリシャ人がフェニキア文字からギリシャ文字を作った。ここに至って、音素文字からなるアルファベットが誕生することになり、ギリシャ文字からラテン文字が作られ、現在の我々が使っている文字になっている。このことから、アルファベットの字形は、エジプトのヒエログリフに由来しているのだそうだ。展示の中には、複製ではあるが、ロゼッタストーンやハンムラビ法典碑があった。世界史の教科書で習ったものが、目の前にあるということで少しワクワクした。
 ギリシャ文字からいくつか、こんな文字なんだろうなとわかるものが出てきた。それまでは、文字なんだろうけど全く読めないのでチンプンカンプンではあった。ただやっぱりそこは何千年の風雪に耐えてきた重みは絶えず感じるものはあったのだか・・・。
 このことの文字は神様の言葉を伝えるものであり、民衆に伝えるものではなかった。あくまで神との交信のものであったのだろう。

 第3章になると、やっと甲骨文字が出てくる。長い旅路の中で少し見知ったものが出てくる。甲骨文字は、これらの文字の歴史では比較的新しくっといっても紀元前1400年前の殷王朝の後期には生み出されていた。亀の甲や牛の骨などに卜辞を刻んだものである。卜辞とは、うらないですよね。文字展のトリビアには良いうらないが出るように出るように細工していたそうだ。まあ、いい答えが出るように何回もやっていたという話もある。甲骨文字は、神々との交信を目的に作られたものであり、甲骨文字を刻んだ骨や甲は、ひそかに人知れず埋納されたらしいので人目に触れることはなかった。また、甲骨文字と同時期の文字に青銅器等に刻まれた金文という文字も存在している。甲骨文字、金文が簡略化、標準化され漢字になっていく。そして、日本へいよいよ文字が伝来する。漢字は、弥生時代後期には、日本に入ってきているが、文字として当時の日本人に認識されていたかはわからない。古墳時代の中期には、文字は支配階級の中で使用されていたのであろう。そして、万葉仮名が生まれ、かな文字が生まれ、現在に至る。われわれは、文字の恩恵を大いに受けながら生活をしている。

 

 展示の最後には、中島敦の「文字禍」という短編と最近、ビックコミックスピリッツに連載されている「シュトヘル」という漫画が紹介されている。中島敦については、結構好きな作家なので、すでに読んでいるのだが、「シュトヘル」全然知らなかった。ちょっと読んでみようかなと思ったりしている。(まだ買ってないけど)

 今回の展示は、文字展トリビアなんてお遊びもあったりして楽しかったですよ。そうそう、今回の展示の図録、非常に人気でなかなか手に入らないとFacebookにあったんですが、何とか手に入れることが出来ました。よかったあ。(図録というよりちゃんとした本ですけどね。)

 最後に常設展へ。卑弥呼の衣装などは復元されていました。

 

 また、池上曽根遺跡のコーナーでは、弥生文化博物館のキャラクター「リュウさん」が刻まれた土器も展示されてましたねえ。結構この漫画読んでしまいます。

 

 池上曽根遺跡については、博物館のすぐそばなのでこの後、足を運んでみることにした。

 

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