元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

イングヴェイ・マルムスティーンの名作再発

2006年12月24日 | 魂のギタリスト聖典
中学時代、僕はバリバリとヘヴィメタルにはまってい
ましたが、イングヴェイ・マルムスティーンの良さが
理解できませんでした。イングヴェイがソロ1stを
発売した当時の「BURRN!」(HR/HM専門雑誌)
のCDレビューで酒井が「はいはい。あんたがギターが上手い
のは充分分かった。お上手、お上手。でも、魅力がなく
何か欠けている。本人がそれに気づいていない。ボーカル
も酷い」と酷評し、62点という低評価でした。

今となってみれば、僕も酒井も浅はかでした。

酒井が酷評した、イングヴェイのギターも
ジェフ・スコット・ソートのボーカルも一時代を築き、
ヘヴィ・メタル界を大きく変動させネオ・クラシック・
ブームを巻き起こした張本人達です。

ジェフはイングヴェイから離脱後も華々しい活躍で
今はメロディアス・ロック「ジャーニー」のメイン
ボーカルを務めています。

でも、中学時代当時の僕は、「こりゃ良さが分からん」
と1枚聴いたっきり全く手を出しませんでした。

しかし「BURRN!」や「ヤングギター」でやたらと
特集されていて、インタビューや、ジャーナリストの
コラムなどを読んでいるうちに徐々に興味が湧いてき
て、たまたまレンタルビデオでイングヴェイのライブ
ビデオを見て、一変しました。

そのライブが、最近再発された「トライアル・バイ・
ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード ’89」です。

ロック音楽が禁止されていた旧ソ連が、徐々に若者音楽を
緩和しだした時期のライブです。旧ソ連でロックライブ
を2番目にやったバンドがイングヴェイでそのライブ
内容が本作です。ちなみに、旧ソ連で初ライブをしたのは
ボン・ジョヴィです。

本作は油が乗りまくっている、絶頂期のライブだけあり、
とにかくパワフルで凄すぎます。イングヴェイに批判的
だったり、嫌いな人は本作を見れば、僕同様に好きに
なれそうな気がします。ステージ上を暴れまくり、バンド
メンバー全員が終始炸裂しっぱなしの熱狂ステージは
圧巻です。イングヴェイの貴公子のような騎士をイメージ
したコスチュームは、のちのヘヴィメタル界に影響を
与え、日本が誇るヘヴィメタルバンド「アンセム」も
似たコスチュームでした。

イングヴェイ嫌いな僕が、このビデオを見終わってからは
熱狂的ファンになってしまいました。

今のイングヴェイも好きだけど、やはり当時の方がメロディ
アスで、演奏も正確で(ここ10年以上は手癖ソロが横行している)
ステージパフォーマンスが熱い。

このライブでは、やはりジョー・リン・ターナーのスター
性溢れるボーカルも見ものです。ジョー「レインボー」の3代目
ボーカリストとし、華々しく第一線のスターへと登りつめた
ジョーは、イングヴェイの強烈な存在感に負けず劣らず、
魅力たっぷりの歌声とパフォーマンスを披露してくれています。

スタジオバージョンよりも、バロック・クラシックのフレーズ
を多く用い、クラシックを見事にヘヴィメタルに融合させて
います。イングヴェイが後に「新世紀」でフル・オーケストラ
と競演し自作クラシックを作り上げた基盤が伺えます。

今もイングヴェイライブでは頻繁にやられる、ギターを肩の
上に投げ出すようにし、ストラップを利用しグルっと回す
パフォーマンスや、ピックを足で蹴り上げ、遠くのオーディ
エンスに飛ばすパフォーマンスは、本作内で何十回も見れます
が何度されてもカッコいい。ギターを回転させるパフォーマンス
は、日本の「新日本フィル」との競演や、観月ありさのバック
演奏(バラードのバッキングなのに、弾き倒しているイングヴェイ
がかわいかった)でも披露しました。

イングヴェイといえば、ジミ・ヘンドリクス、リッチー・ブラックモア
譲りのギター破壊です。ギターのネックを叩きつけボコボコに壊し
ます。でも、当時のイングヴェイはそんな物じゃおさまりません。
50Wアンプを次々とステージから投げ捨てます。1回のステージ
で日本円にして数百万円分は壊しているのでは?と、心配になるほど
壊します。機材やギターを破壊するパフォーマンスには、同業者の
ギタリストからの批判もありますが、破壊シーンを観ている観客も
ゾクゾクするような興奮を味わえるから、定番化しているのでしょう。

ザ・フーやディープ・パープルは、機材の破壊パフォーマンスが
無いままライブを終えた日は、観客が暴動を起こし、収拾がつかない
状態になっていたらしいです。


この「ライブ・イン・レニングラード」は2年前から探していました。
でも、廃盤になっていて、入手困難でしたが、めでたく今回再発され
ました。しかも、特典映像が豪華です。VHSの頃は無かった、
ビデオクリップが沢山収録され、ジェフやマーク在籍時の貴重な
ライブの画面下にギタースコアが表記されるギターキッズには涙もの
特典もあります。

ヘヴィ・メタルの真髄を堪能できる
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード ’89
は、1人でも多くの人に観てもらい、興奮感を味わって欲しいです。


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